建築、インテリアデザインや機械など、ものづくりの分野で活躍するCADオペレーター。
CADはComputer Aided Designの略ですが、パソコンを使って設計をするためのソフトになります。
このCADは、昔は2次元CAD(2DCAD)のみしかありませんでしたが、最近は3次元CAD(3DCAD)が普及しており、更に建築分野では3Dモデルに様々な情報を付加できる3DCADの発展形として、BIM/CIMも普及し始めています。
したがってCADオペレーターは、さらに活躍できる場が広がっています。
そういった中で、就職・転職の際にスキルを証明したいと、3DCAD関係の資格取得を考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では3DCADの資格の内容やおすすめについてご紹介します。
勉強方法なども詳しく解説しているので、自分に合った資格取得を目指しましょう!
3DCADと2DCADの違い
前述しましたが、CADには2D(2次元)CADと3D(3次元)CADがあり、今はどの業界も3DCADに移行しつつあります。
2DCADから3DCADへの変遷については以下の記事を参考にしていただければと思います。
2DCADは、立体を平面上に表す方法の一つで、正面・平面・側面など一つの視点から見た物の構成を描くことができるツールです。
2DCADが現れる前は、以下のイラストのようにドラフターといって紙上で図面を手書きするものが存在していました。
こういった2DCADやドラフターで作成された図面は正面・平面・側面といった各方向から見た絵のため、専門家でないと立体的な形状をイメージしづらく情報の伝達手段としては万人受けといったものではありませんでした。
これに対し、3DCADは、コンピューター上の3次元空間において立体的に物の形状を作成することができるツールです。
一度作成してしまえば、どの視点からでも構成を立体的に確認できます。
3Dモデルは一生懸命、2次元の図面を読まなくてもよく、誰でも形状が一目瞭然というのがメリットです。
したがって、これからCADの資格を取得しようと考えている方は、3DCADの資格を中心に考えておくのが賢明だと思います。

どのCAD資格を取ろうか迷っている人は、以下でおすすめするような3DCADの資格をメインに考えておけば良いと思います。
3DCADの資格おすすめ6選と難易度
それでは3DCADのおすすめ資格を6つ見ていきましょう。
3次元CAD利用技術者試験
3次元CAD利用技術者試験は、3次元CADを利用するエンジニアや学生が身につけておくべき知識と技能が証明できる、3次元CAD試験制度です。
CAD試験の中で、比較的ポピュラーな資格となるため、初めて試験を受ける方やどの試験を受けるか迷っている方にもおすすめです。
3次元CAD利用技術者試験 | |||
主催団体 | 一般社団法人 コンピュータ教育振興協会 | ||
等級 | 2級 | 準1級 | 1級 |
受験資格 | なし | 2級合格者 | 2級又は準1級合格者 |
合格率(2022年) | 65.64% | 61.46% | 25.25% |
受験料 | 7,700円 | 11,000円 | 16,500円 |
試験日程 | 随時実施 2023年4月7日~ 2024年3月31日まで | 前期:2023年7月16日 後期:2023年12月10日 | |
受験形態 | 筆記試験(60問) | 実技試験 | |
合格基準 | 各分野5割以上、および総合7割以上の正解を合格基準 |
3次元CAD利用技術者試験の詳細については以下の記事も参考にしてみてください。
コンピュータ教育振興協会の3次元CAD利用技術者試験ページはこちら
Space Designer検定試験
建築図面を読み取り、CADやBIM・CGソフトを利用してリアルなCGインテリアパースと提案書を作成できる人材を評価・認定する試験制度であり、課題提出型の試験となります。
インテリアデザインの実力を証明できる資格となっており、リフォームやリノベーション業界での活躍を目指す方にもおすすめです。
Space Designer検定試験 | ||
主催団体 | 一般社団法人コンピュータ教育振興協会 | |
等級 | 2級 | 1級 |
受験資格 | なし | |
合格率(2018年度) | 78.7% | 34% |
受験料 | 8,800円(税込) | 16,500円(税込) |
試験日程 | 2月頃 | |
受験形態 | 課題提出(基礎課題) | 課題提出(基礎課題+応用課題) |
試験時間 | 試験開始日より4日以内に提出 | |
合格基準 | 総合評価70点以上(100点満点) | 基礎課題:総合評価70点以上(100点満点) 応用課題:総合評価80点以上(100点満点) |
コンピュータ教育振興協会のSpace Designer検定試験ページはこちら
Vectorworks操作技能認定試験
Vectorworksを使用している方を対象とした認定試験です。
Vectorworksの基本的な操作や機能が理解・習得されているかを判定する試験内容となっています。
インテリア設計に特化したソフトのため、インテリアデザインを目指している方にもおすすめです。
Vectorworks操作技能認定試験 | |
主催団体 | エーアンドエー株式会社 |
等級 | ベーシック |
受験資格 | なし |
合格率 | 非公開 |
受験料 | 3,300円 |
試験日程 | 随時実施 |
受験形態 | 全50問 |
試験時間 | 50分 |
合格基準 | 7割以上 |
エーアンドエー(株)のVectorworks操作技能認定試験ページはこちら
3次元CADトレーサー認定試験、3次元CADアドミニストレーター認定試験
実務でCADを使用している人、CAD教育を受けている人を対象に、CAD利用に関する実務的な技術・技能を認定するものです。
学生割引があるため、CADを学んでいる学生にもおすすめです。
3次元CADトレーサー認定試験 | 3次元CADアドミニストレーター認定試験 | |
主催団体 | CAD検定部会試験センター | |
受験資格 | なし | |
合格率 | 50%程度 | |
受験料 | 一般受験者:13,600円 学生割引:9,500円 | 一般受験者:10,500円 学生割引:6,300円 |
試験日程 | 9月下旬予定 | |
受験形態 | 実技試験(事前課題あり) | |
試験時間 | 90分 | |
合格基準 | 非公開 |
3次元設計能力検定試験
3次元CADのオペレーション能力、機械設計の基礎的能力を評価する検定試験で、オンライン受験も可能です。
3次元CADコース、図面作成コース、プロ設計者コースの3コースに分かれています。
機械設計に特化した資格のため、現在製造業で設計をしている方におすすめです。
3次元設計能力検定試験 | |||
主催団体 | 3次元設計能力検定協会 | ||
コース | 3次元CADコース | 図面作成コース | プロ設計者コース |
概要 | 3次元CADのオペレーター向け | 3次元CADを使用した 製図技術者向け | 3次元設計技術者向け |
受験資格 | なし | ||
合格率 | 非公開 | ||
受験料 | 8000円 | 10000円 | 15000円 |
試験日程 | 年2回実施(5月・11月) | ||
受験形態 | 筆記及び実技(3次元CADコースのみ事前課題あり) | ||
試験時間 | 90分 | 記載なし | |
合格基準 | 60%以上 |
3次元設計能力検定協会の3次元設計能力検定試験ページはこちら
AutoCADユーザーオートデスク認定資格プログラム
AutoCAD、Revit、Fusion360を使用している方を対象とした認定試験です。
AutoCADは国内でもシェア率が高いため、業種を問わず様々な分野の「ものづくり」の場面で活躍することも可能となるでしょう。
また、全世界でも20 万人以上が取得している世界共通の認定資格制度となっており、国外での活動も視野に入れている方にもおすすめの資格です。
こちらの資格は使用ソフトにより、AutoCADユーザー、Revit Architectureユーザー、Fusion 360ユーザーの3つに分かれて受験を行います。
AutoCADユーザーオートデスク認定資格プログラム | |||
試験区分 | AutoCADユーザー | Revit Architectureユーザー | Fusion 360ユーザー |
試験内容 | ・製図に必要な基本機能が備わったソフト ・正確な2D/3D図面を作成する必要のある学生、 建築設計者、設計者、エンジニア、プロジェクト マネージャ などのユーザー対象 | ・建築、エンジニアリング、施工の各専門分野に特化 ・建築設計者、構造エンジニア、 MEP エンジニア、施工会社などのユーザー対象 | ・製品設計向けの3DCADソフト ・インダストリアルデザイナー、機械エンジニア、 電子基板設計者、機械オペレーターなどの 専門職などのユーザー対象 |
受験資格 | なし | ||
合格率 | 非公開 | ||
受験料 | 要問合せ | ||
試験日程 | 要問合せ | ||
受験形態 | ・30問 ・選択式+実技操作 | ・30問 ・選択式+実技操作 | ・30問 ・選択式+実技操作 |
試験時間 | 50分 | 50分 | 50分 |
合格基準 | 70%以上 | 73%以上 | 70%以上 |
Autodesk社のAutoCADユーザーオートデスク認定資格プログラムページはこちら
3DCAD資格の勉強方法や取得方法
独学 | 書籍 |
フリーの3DCADで独学 | |
スクールに通う | ・実技中心に体系的に教えてもらう ・就職も斡旋してもらう |
CADスクールに通う方法
資格の勉強方法は独学とスクール通う(オンラインスクール含む)などがあります。
独学の場合、筆記試験のみの資格の場合は書籍などで事足りると思いますが、級が上がるにつれて実技も入ってくるので独学だけだと難しくなってきます。
そういった場合は、スクールに通うか、オンラインで授業を受けるかなどが選択肢になってきます。
スクールだとおすすめなのがWinスクールです。特徴を列挙すると以下になります。
- 講座数も豊富で上記で紹介した資格のほとんどを網羅している
- CAD利用技術者試験1級、2級に特化した対策講座もある
- 全国に50校近くあり、ロケーションも駅近がほとんど
- オンラインでも教えてもらえる
- 通学でもオンラインでも個人レッスンが基本、納得いくまで教える
- 教育訓練給付制度を利用すれば受講料の20%が支給される
- 専門のカウンセラーがどの講座を受講したらよいかサポートしてくれる
- 建築最新技術のBIMソフト(Revit、ArchiCAD)の講座もある
Winスクールの詳細の評判・口コミについては以下の記事を参考にして頂ければと思います。
その他のスクールについては以下の記事にもまとめてあります。
3DCADのフリーソフトで独学する方法
以下の記事に3DCADのフリーソフトを建築、機械、アパレルなどの用途別にまとめてあります。
自分の働いてみたい業界にあったCADを探して、触ってみるのもはじめの一歩として良いと思います。
初心者にとっては無料でも使える機能でも十分、勉強になります。
3DCADの資格は意味ない?取得メリットはある?
結論から言うと資格を持っていると転職や就職に有利です。
もちろん実務経験があることが一番ですが、採用担当者はCADの各資格がどれぐらいの難易度なのかを熟知していますので、資格を持っていないより持っている方がアピールになります。
更に資格は自己啓発のために取得するものなので、資格を持っていることで自身のスキルアップのために頑張れる人、向上心がある人だとアピールにもなるでしょう。
資格を取得し、更に転職を成功させるためにはCADオペレーターに特化した転職エージェントに頼ることをおすすめします。
3DCADの資格を活かせる業界
CADはモノづくりにおいて必要不可欠なツールになっており、以下のような様々な業界で使われています。
- 建築・土木
- 自動車
- 航空宇宙
- 電化製品
- インテリア
- 服飾
更に上記の業界でもほとんどが2DCADから3DCADに移行しています。
したがって、3DCADの資格を取得することで上記の業界で幅広く活躍できる人材になれる可能性があります。
3DCADの資格の難易度やオススメのまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はCADの中でも3DCADに特化した資格をご紹介させて頂きました。
是非、資格取得しキャリア形成の一つにしていただければと思います。
また3DCADを使って副業で稼ぐことも可能です。詳しくは以下にもまとめてあります。
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