私は建築関係の専門学校を卒業後、電気工事会社(サブコン) に就職。
主に施工図作成担当として現場近くに構える現場事務所等で働いていました。
去年新卒から8年程働いた会社を退職。
退職後は派遣会社に登録し、派遣社員として現在は電気設備のCADオペレーターとして主に在宅勤務にて働いています。
ちなみに建築業界には サブコン・ゼネコンと言わる会社がありますがそれぞれの違いは以下のように言われています。
- ゼネコン : 建築工事一式を請け負う会社
- サブコン : ゼネコンが受注した工事の一部を請け負う会社で下請会社のこと。
主に 機械設備・衛生設備・電気設備 を請け負う会社のこと。
今回は私自身も使用していた、サブコン業界ではよく使用されているCADソフトであるRebroとCADWe’ll Tfasの違いについて解説していきます!
合わせて、もしこの先、建築業界で転職を考えている人は以下の記事がおすすめです。
Rebro(レブロ)とCADWe’ll Tfas(ティーファス)の違いとは?
まずはRebroとCADWe’ll Tfasの違いをざっくり以下の表で比較してみましょう。
Rebro | CADWe’ll Tfas | |
開発会社 | NYKシステムズ | ダイテック |
設立 | 2006年6月 | 1969年10月 |
使用業界 | ゼネコン・サブコン | サブコン |
BIM機能 | ○ | × |
作成方法 | 建物を1つのデータで作成 | 各階ごと作成することが多い |
ライセンス | ライセンスの返却をすることで複数の機器で使用可能 | PCごとにインストール 複数の機器での使用は不可 |
Rebro(レブロ)とは?評判は?
出典:NYKシステムズのホームページ
Rebroとは建築設備専用CADでNYKシステムズ という会社が開発した建物の設計・施工・竣工後の管理までを想定したCADソフト(BIM)です。
設立も2006年と比較的新しい会社が開発しています。
このソフトはゼネコン・サブコンともに使用され、ゼネコン・サブコンが同じCADソフトを使用することで、ファイルの受け渡しや互換性の心配をすることのなく作業をすることができます。
電気工事会社で使用され始めたのは近年と感じます。
1番のメリットは 各図面の整合性がとれることです。
Rebroは1つの図面ファイルで1つの建物を作成することになるので、平面図で作成した情報は 同じ図面内に作成した断面図と連動します。
2DCADや3DCADが別々のソフトでそれぞれが連携していない場合、「平面図の修正をした後に断面図も修正・・・・・・ 」 と二度手間になる作業が多いと思いますが、Rebroは平面と断面が連動してくれるので 「平面図のみ修正をして、断面図に反映するのを忘れてしまった・・」 といったミスも無くなり 平面図・断面図ともに整合性のとれた図面を作成することが可能です。
また、RebroはBIMソフトの為 様々な属性データを付加することで精度の高い設備モデルを作成することが可能です。
設計~施工、維持管理に関わるまで使用することができます。
Rebroのライセンス数が足りていれば、複数の機器で使用することが可能です。
したがって会社と現場を行き来して作業する方にとっても、PCを持ち歩かずに複数の機器で使用できることも大きなメリットに感じます。
レブロの詳細については、以下の記事も参考にしていただければと思います。
CADWe’ll Tfas(ティーファス)とは?評判は?
Tfasとはサブコン(空調・衛星・設備)の使用に特化した ダイテックという会社が開発した3DCADソフトで、数多くのサブコンで使用されています。
ちなみにダイテックからはBIMソフトとしてCADWe’ll LinXが発売されていますが、現状ですと低いシェアだと感じています。
CADWe’ll TfasはRebroとは異なり、建物の維持管理に関わるまで使用することができるBIMソフトではなく、3DCADソフトになります。
しかし、施工図作成において必要な属性は付加することができ、私自身 8年程CADWe’ll Tfasを使用して検討や施工図作成で困ったことはありません。
3DのモデリングもRebroと比較しても機能・精度ともに差異は少ないです。
BIMソフトともIFCデータで受け渡しをすることができます。
他のCADソフトとの1番の違いは 「レイヤ」 だけでなく 「シート」 という機能で図面を管理できることです。
特に、電気設備は施工図をかく上で 項目がとても多く、「シート」を上手く使用することで各設備の施工図の切り替え等、格段に作業効率があがります。
Rebroで施工図をかく上で 「シート」 機能がないことには悩みましたが、それ程便利な機能です。
ライセンス面ではCADWe’ll Tfasは一般的なインストールソフトと同じで、PCにダウンロードし使用する為、Rebroのように複数機器での使用はできません。
RebroとCADWe’ll Tfasのおすすめのスクール
Rebroのおすすめスクール
Rebroは開発元であるNYKシステムズのホームページに「Rebroの使い方」についてのWebラーニングやセミナー情報が掲載されています。
動画やテキストなどが充実しており、無料で活用できます。
CADWe’ll Tfasのおすすめスクール
CADスクールで有名なWinスクールでCADWe’ll Tfasを学ぶことができます。
Winスクールは全国に50校が存在し、どれも駅近の立地です。
スクールに通学しても良いですし、オンラインでも可能なのでライフスタイルに合わせてどちらでも選べるのが嬉しいところです。
教育給付金の対象講座も多いですよ。
RebroやCADWe’ll Tfas以外にもたくさんのCADやBIMがあります。
以下にCADやBIMのおすすめスクールをまとめてありますので参考にして頂ければと思います。
通学、オンライン、ハイブリッドなどそれぞれのライフスタイルに合わせたスクールを選ぶことができますよ。
まとめ
さて、今回はサブコン業界で使用されているCADソフトのRebroと CADWe’ll Tfasの違いについてお話しました。
実際どちらのCADソフトも操作性は違いますが、施工図を書く上での機能は同程度と感じます。
電気設備業界においては、ゼネコンからのCAD指定がRebroであることが多いことからRebroを使っているサブコンが多いかと思います。
電気設備の実務では、大物が少ない為、BIMのメリットよりも図面を作り込む大変さの方が大きく感じるのが現実です。
ゼネコンから求められた部分をレブロで作成し、Tfasで施工図をかくといった二度手間な仕事をしている現場も多くあります。
今後レブロでの受注を見込むと、多くのレブロ技術者が必要になります。
また、建築業の残業制限も2024年から適用されます。
残業を減らすためには、早期の細かい図面検討であったり、上記のような二度手間を減らす活動も必要だと思っています。
今後、より技術を身に着けた技術者が求められていくでしょう。
コメント
サブコンとゼネコンの説明が逆になっています。
良い記事なのにもったいない……。
Tfasにはお書きになっているレンタル版の他に時間課金版があり、
そちらは複数のPCで利用できますよ。
本当ですね。。修正しました。
ご指摘ありがとうございます!