日頃CADを使って仕事をしていたり、これからCADを導入しようとしている皆さん!
CADのライセンス費用って高いですよね?
使い勝手が良くて低価格なCADを皆さんお探しのことだと思います。
そんな方々にBricsCADを紹介します。
今回は多くの方が使ったことがあるであろう、AutoCADと比較しながら、BricsCADの特徴やメリット、デメリットについて説明していきます。
Bricscadとは?
種類(無料版、Lite、Pro、Mechanical、BIM、Ultimate)の違いや特徴
BricsCADはdwg互換CADシステム、つまりAutoCADと高い互換性を持っているCADであり、作成したデータを全てdwgファイルで生成できる特徴があります。
BricsCADには、以下の種類があります。
BricsCAD Shape
簡単な3Dモデリングができる製品です。
無料で使えるため、ビュアーとして使うのもありです。
3DCADを使ったことがない人のトレーニング用としても使えます。
BricsCAD Lite
2次元図面を作成することができます。
基本的な機能はそろっており、パラメトリック機能を用いればより効率的に製図が行えます。
また、動作も軽く大きな図面データであっても軽快に動作できる強みがあります。
最も安価なグレードでありながら、拡張機能やアドオンを利用することで効率化も可能であり、2次元図面のみで設計される方であればこのグレードで十分です。
BricsCAD Pro
Liteの上位のグレードです。
2次元図面の機能に加えて3Dモデリングの基本的な機能がそろっています。
3Dベースの設計も可能ですが、基本的には2次元図面をベースとし、それを3D化するのに向いているため、建築物や土木の設計に強みがあります。
レンダリング機能やアニメーションを作成すれば、現実味や臨場感がある表現ができるため、説得力のある提案が可能です。
BricsCAD BIM
Proの機能にBIMの機能が搭載されているものになります。
IFCデータに対応しており、BIMコンポーネントの配置が行えます。
エリア分けや寸法の関連付けができ、配管・構造設計も可能です。
実物を3Dスキャンした点群データを用いてBIMデータを生成することもできます。
純粋なBIMツールと比較すると物足りなく感じる点もありますが、今後機能が追加されていく可能性は高いです。
BricsCAD Mechanical
Proの強化版となります。
2次元図面をもとに3Dモデリングをすることも可能ですが、どちらかというと、3Dモデリングをメインとしそれを2Dに落とし込むやり方が向いています。
3Dモデルと連携した2Dの作図ができ、自動調整バルーン機能や部品表(BOM)管理機能が使えるため、3Dのアセンブリデータから簡単に組立図が作成できます。
板金機能も使用できます。
BricsCAD Ultimate
上記グレード全部入りの製品です。
開発元はベルギーのBricsys社
開発元はベルギーのBricsys社です。
2002年にBricsCADの開発を開始しており、dwg互換CADシステムの中ではフロントランナー的存在です。
BricsCADの種類別価格
価格は下記の通りです。
メンテナンス費用はアップデート・バージョンアップ・サポート費用となります。
ネットワークライセンスを使用する場合は追加で費用がかかります。
Lite | Pro | Mechanical | BIM | Ultimate | |
サブスク1年 | \44,000 | \79,200 | \148,000 | \154,000 | \170,000 |
サブスク3年 | \118,000 | \213,400 | \399,000 | \415,000 | \459,000 |
永久ライセンス +メンテナンス | \69,000 +\20,700/年 | \104,600 +\31,380/年 | \104,600 +\31,380/年 | \104,600 +\31,380/年 | \226,000 +\67,800 /年 |
使われている業界
2D・3D・BIMを一つのプラットフォームで使用できるため、汎用性や効率性が高く、自動車、建材、プラント、建築、土木、船、機械部品等の様々な業界で使用されています。
私自身も、工作機械や設備にワークを給排する自動化設備の設計に携わった経験があり、その時に使用しました。
外部業者とのやり取りを2Dで行うことが多かったため、主に2次元図面の作成や修正用に使用しています。
Liteでも十分な機能があり、満足しています。
Bricscadのメリット・デメリット
メリット
AutoCADとの互換性が高い
AutoCADを使い慣れている人であれば、BricsCADへの切り替えはスムーズに行うことができます。
運用コストを下げることができる
前述の永久ライセンス費用を使用すると、価格を抑えることができます。
加えて、いくつかのグレードが用意されていることで、必要とするレベルに応じた無駄のない運用ができます。
効率的に仕事ができる
仕事の内容上、所属部署外や社外の方とやり取りする機会が多いと思います。
2Dや3Dを頻繁に切り替えて作業する場合に、1つのプラットフォームで作業できるため、効率的に仕事ができます。
デメリット(使いにくいところ含む)
ヘルプ機能が充実していない
CADを使っていく中で、わからないことはたくさん出てくるかと思います。
BricsCADにもヘルプ機能があるのですが、使い方がわかりづらく、調べたい項目に行きつけないことが多いです。
また、項目に行きつけても内容が不十分で解決しないこともあります。
ネット上や書籍でも、BricsCADの情報は少なく、問題解決までに時間がかかります。
問い合わせをした際に時間がかかる
不具合発生時や疑問点解決のためにサポートデスクで問い合わせできますが、時間がかかることが多いようです。
また、日本の代理店で対応できない場合は、メーカーの技術者に英語で質問する必要があります。
BricsCADとAutoCADの違い
使用感
2次元CADを使うのであれば、表現は多少異なりますが、AutoCADと操作感はほぼ同じなので、違和感なく使用することができます。
また、BricsCADの方が3D機能が充実しています。
価格
AutoCADと近い機能を持つBricsCAD Proを比較した場合
期間 | Auto CAD | Brics CAD Pro |
サブスク1か月 | \8,800 | – |
サブスク1年 | \71,500 | \79,200 |
サブスク3年 | \214,500 | \213,400 |
永久ライセンス +メンテナンス費用 | – | \104,600 +31,380/年 |
上表のとおり、サブスクであればAutoCADが安価もしくは同等です。
AutoCADのみ1ヵ月のプランもあるため、短期間のみ使用する場合はAutoCADが有利です。
BricsCADには買い切りプラン(永久ライセンス)があるのが特徴です。
ソフトを更新する場合はメンテナンス費用が掛かってきますが、長期間使用することを考えた際にはBricsCADの方が有利になります。
2D機能のみを使用したい場合は、Liteを購入すればその分コストを抑えることができます。
機能面
AutoCADの方が機能が充実している部分があります。
例えば、図面が一括印刷できたり、クラウドで管理しているデータをブラウザ上で編集できたりするので、痒い所に手が届きます。
BricsCADとAutoCADの機能面の比較は以下のBricsCADヘルプセンターにも比較表が乗っているので合わせてご覧いただけると理解が深まると思います。
BricsCADとAutoCADの機能面の比較(BricsCADヘルプセンター)
問題解決方法について
BricsCADと比較して、AutoCADはWebや書籍等にたくさんの情報が出ているので、困ったときには調べやすいです。(私も、BricsCADで不明点が出てきた場合はまずAutoCADで同様の情報を調べるようにしています。)
Bricscadの使い方を無料で学ぶ方法
以下のBricsCAD公式ホームページからBricsCAD Ultimateの無料版を30日間で使うことができます。
また、代理店の図研アルファテック株式会社のWebサイトにトレーニング補助動画もアップされているので参考になります。
加えて、Bricsysヘルプセンターはログインしなくても確認できるので、そこで調べることもできます。
まとめ
BricsCADは、コストパフォーマンスの高いCADソフトであり、AutoCADを使い慣れている人であれば簡単に使用することができます。
今使っているCADソフトが高いと考えている方や、これからCADを導入予定の方は検討する価値のあるCADソフトです。
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