「CADオペレーターの年収って、実際どうなんだろう?」
「『年収が低い』って聞くけど、本当なのかな…」
「将来性や、年収を上げる方法があるなら知りたい!」
CADオペレーターという仕事に興味がある方や、現在CADオペレーターとして働いている方の中には、こんな風に「年収」に関する疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、CADオペレーターの年収は決して低くなく、本人のスキルやキャリアプラン次第で、年収1000万円を目指すことも十分に可能な、将来性のある職業です。
なぜなら、CADオペレーターは単なる「作業者」ではなく、図面作成のプロフェッショナルであり、特に近年需要が急増しているBIMなどの高度なスキルを身につけることで、その市場価値を大きく高めることができるからです。
例えば、私の知人には、未経験から派遣のCADオペレーターとしてキャリアをスタートし、実務経験を積みながらBIMのスキルを徹底的に学んだ結果、今ではフリーランスとして独立し、年収800万円以上を安定して稼いでいる人がいます。彼女はまさに、戦略的にスキルアップすることで高年収を実現した好例です。
もちろん、「求人サイトを見ると、未経験者向けの募集は年収300万円台が多いじゃないか」「仕事内容によっては単純作業の繰り返しで、給料が上がりにくいと聞いた」といった声があるのも事実です。
確かに、キャリアのスタート地点や、任される業務範囲によっては、年収が伸び悩む時期もあるかもしれません。
しかし、それはCADオペレーターというキャリアの一側面に過ぎません。
この記事を読めば、世間で言われる「年収が低い」というイメージが払拭され、ご自身の市場価値を高めて高年収を実現するための、具体的で現実的な道筋が見えてくるはずです。
CADオペレーターとして、あなたらしいキャリアを築いていきましょう。
CADオペレーターのリアルな平均年収は?雇用形態や経験年数で比較
まずは、CADオペレーターの年収のリアルな実態を、さまざまな角度から見ていきましょう。平均的な金額を知ることで、ご自身の現在地や目指すべき目標が明確になりますよ。
その前に本記事の読書様の中にはこれからCADオペレーターを目指そうという方もいらっしゃるかもしれないので、まずはCADオペレーターとは?を簡単にご紹介します。
CADオペレーターとは?活躍できる業界は?
2次元CADや3次元CADなどのコンピュータを使って図面や3次元モデルを作成する職業をCADオペレーターといいます。
パソコンにCADソフトが入っていれば、どこでも仕事ができるCADオペレーター。
テレワークや在宅勤務の浸透により注目されている職業の一つで、その他にも以下のような特徴があります。
- 在宅でもできる
- 時給が高め
- 手に職がつく
- モノづくりに関われる
活躍できる業界も、建築、土木、機械、航空宇宙、インテリア、服飾など幅広いのが特徴です。
上記の業界の中でもCADオペレーターが多く、代表的な業界は建築や機械です。
そこで以下からは建築と機械のそれぞれにおいて現役のCADオペレーター8名のかたに年収や仕事内容、待遇などを語ってもらいました。
CADオペレーターの年収の中央値と平均値
年収の話をするとき、「平均年収」がよく話題に上がりますが、より実態に近い数字として「中央値」も知っておくことが大切です。
- 平均年収:全員の年収を合計し、人数で割った値。極端に高い年収の人がいると、平均値も引き上げられる傾向があります。
- 中央値:年収のデータを小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中に位置する値。より「普通」の感覚に近い数字です。
厚生労働省が提供する職業情報サイト「job tag」によると、CADオペレーターの全国的な平均年収は約455万円となっています。日本の給与所得者全体の平均年収が458万円(令和5年分 民間給与実態統計調査)なので、ほぼ平均的な水準と言えるでしょう。
年収データ | 金額 |
平均年収 | 約455万円 |
月収(平均) | 約25万円 |
賞与(平均) | 約65万円 |
出典:CADオペレーター – 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
一方で、求人情報などから見ると、年収の中央値は350万円〜450万円あたりに分布していることが多いようです。これは、未経験者や経験の浅い層も含まれるため、平均値よりも少し低い水準になっています。
この数字だけを見ると「やっぱりそんなに高くないのかな?」と感じるかもしれませんが、これはあくまで全体の平均。実際には、次の項目で解説するように、働き方や経験、専門分野によって年収は大きく変わってきます。
【雇用形態別】正社員・派遣・フリーランスの年収
CADオペレーターは、正社員、派遣社員、フリーランス(業務委託)など、多様な働き方が選べるのも魅力の一つです。それぞれの年収目安を見ていきましょう。
正社員CADオペレーターの年収
正社員CADオペレーターの年収は、350万円〜600万円がボリュームゾーンです。
月給制で、年に2回の賞与(ボーナス)が支給されるのが一般的。福利厚生が手厚く、安定して長く働きやすいのが最大のメリットです。
企業の規模や、任される仕事の範囲(設計補助やマネジメントなど)によって年収は大きく変動します。特に大手ゼネコンや設計事務所などでは、より高い年収が期待できるでしょう。
派遣CADオペレーターの年収
派遣CADオペレーターの年収は、300万円〜550万円程度が目安です。
多くは時給制で、時給の相場は1,500円〜2,500円ほど。未経験からでもチャレンジしやすい求人が多い一方、3D CADやBIMなどの専門スキルがあれば、時給3,000円を超える高時給の案件も少なくありません。
残業代が1分単位で支給されることも多く、働いた分だけしっかり稼げるのが魅力です。
フリーランス・在宅CADオペレーターの年収
フリーランスや在宅で働くCADオペレーターの年収は、400万円〜1000万円以上と、実力次第で大きく変わります。
企業に属さず、個人で仕事を受注する働き方です。単価の高い案件を継続的に獲得できれば、正社員や派遣よりも大幅に高い収入を得ることが可能です。
特に、専門性の高いBIMモデラーなどは、月単価60万円〜100万円以上になることも。ただし、自分で営業活動をしたり、確定申告などの事務作業を行ったりする必要があるため、スキルに加えて自己管理能力も求められます。
【経験別】未経験からベテランまでの年収推移
経験年数によっても、年収は着実にアップしていきます。
- 未経験〜3年目:年収280万円〜400万円。まずは基本的なCADソフトの操作を覚え、先輩の指示のもとで図面の修正やトレース作業から始めることが多いです。
- 3年〜5年目:年収350万円〜500万円。一人で一通りの図面作成を任されるようになり、後輩の指導などを任されることも。専門分野の知識も深まり、市場価値が上がってくる時期です。
- 5年以上:年収450万円〜700万円以上。チームリーダーを任されたり、より複雑な設計に関わったりと、責任あるポジションで活躍できます。このレベルになると、転職やフリーランス独立も現実的な選択肢に入ってきます。
女性CADオペレーターの年収は男性より低い?
CADオペレーターは、女性が非常に多く活躍している職種です。きめ細やかな作業が得意な方や、コツコツと仕事を進めるのが好きな方に適性があると言われています。
年収に関しては、スキルや経験が重視されるため、男女間での大きな差はありません。 在宅ワークや時短勤務など、ライフステージに合わせた働き方を選びやすいのも、女性にとって大きなメリットと言えるでしょう。
建築分野のCADオペレーター年収
建築分野は、CADオペレーターの活躍の場として最もメジャーな業界の一つです。意匠図、構造図、設備図など、扱う図面は多岐にわたります。
近年は、従来の2D CADから3Dモデルで設計を行うBIMへの移行が急速に進んでおり、BIMのスキルを持つオペレーターは非常に需要が高く、高年収が期待できます。年収レンジは400万円〜700万円ほどです。
ここで3名の建築分野のCADオペレーターの年収実績を見ていきましょう。
建築の2次元・3次元CADオペレーターのケース(女性20代・独身)
住宅設計で、正社員としてCADオペレーターをしている20代後半(女)です。
CADは、毎日使用しており、まずは3DCADに入力して、そこから同システムの2DCADの方に連携作業できるBIMソフトです。
この連携作業をすると自動的に、平面図、立面図を作成することができます。
出来上がった図面を、同システムのトレースシステムに張り付けて、図面枠等と一緒に図面を挿入して、PDFや印刷して使用しています。
平面図や立面図といった基本的な図面が作成完了した後は、2DCADの平面図をレイヤー分けして、そこから電気図面や水道図面、矩計図や断面図を作成します。
使う部品を予めユーザーの方に登録して、そこから平面図に挿入して図面を仕上げていきます。
3D立面図の方は、パースの方にも連動しているので、平面を立体的に構成する鳥瞰図や外観パース、内装イメージ図等も作成します。
また、上記の内容は見積もりシステムにも連動しているので、CAD図面を書くことで、見積もり業務の遂行にも繋がっています。
これからBIMを使えることはCADオペレーターの次のステップとして非常に有効だと思います。
2020年の年収は、270万円でした。
平均月給は20万円、ボーナスは、夏に10万円、冬に20万円ほどです。
ボーナスの金額は、小企業なのでその年の売り上げに大きく左右されます。
去年は比較的売り上げがあった方なので、夏には10万円いただけましたが、半分の5万円ほどの時も多くあります。
毎月の生活費の内訳は住宅ローン2万円、奨学金返済1.5万円、通信費(スマホ、インターネット回線)1万円、光熱費1万円、自由に使うのが平均6万円、貯蓄4.5万円です。
自由に使うお金は、自己投資の書籍代や資格申込が主になっています。
ボーナスは、住宅ローンがボーナス払い分が多くあるので、そちらの返済に回して、残った分は貯蓄しています。
割と貯蓄はできている方かなと感じています。
インドアな性格なので、週末の飲み会などの交際費は人と比べるとかなりかかっていないと思います。
なので、お金が足りないという苦労はあまり感じたことがないです。
商業高校でパソコンを毎日操作して、勉強してきたので、CADを操作することにハードルは感じませんでした。
その為最初の方は、このくらいの月給が相場なのだろうと感じていました。
同業種のCADを扱っている求人や、実際に働いている人のお話を聞くと4〜6万円ほど自分の月給が少ないことがわかりました。
勤めているところの規模の違いはあると思いますが、使いこなせる人も多くはないCADの仕事だと思いますので、もう少し待遇がよくなればいいのになと感じます。
ただ、CADはイニシャルコスト及びランニングコストがかなり高額です。
もっといいものをと思うと、それなりに金額を出資しないと導入できません。
その辺の費用の観点から、そこまで待遇をよくできるという企業は稀なのかなとも思います。
コロナウイルスのことがあり、リモートワークが主体と変わってきている今、パソコン上でやりとりや業務が可能なCAD関連の仕事はとても汎用性のある仕事ではないかなと考えます。
皆さん、それぞれ日々勉強しながら業務に励んでいると思いますので、その頑張りが少しでも好待遇に反映されたら、みんないい気持ちで仕事ができそうだなと思います。
建築のCADオペレーター兼接客のケース(女性40代・既婚)
某住宅メーカーの営業部提案課で正社員として働いている40代(女)です。
家族構成は、夫婦と子供3人の5人家族です。
主に、キッチン、バス、トイレなど水回りをショウルームでお客様をご案内し、ご希望のサイズ、デザインを確認し、見積書を作成する担当をしています。
ご案内する際には建築図面寸法にあわせて可能サイズをご案内します。
その後、CADを使って、キッチン、バス、などの配置図面を作成しています。
デザインは弊社の独自システムで出力されますが、配置図面は基本的にCADを使って作成します。
2020年の年収は、344万円でした。
毎月の給料が22万円、ボーナスは7月と12月の年2回で、2回併せて80万円です。
お金の使い道ですが、月々のお給料は貯金(2万円)と生活費でなくなります。
生活費は、5人家族で食費が月9万円で予算を立てていますが、残業になるとお惣菜を買ってしまったり、食費がオーバーしてしまう月が多くなってしまいます。
なので、最近は夜帰ってから、次の日の夕食を作り、冷蔵庫に入れていて帰ってきてからはレンジをかけるだけの状態にするようにしました。
すると、予算内の金額でおさえることが出来るようになりました。
結果的に私のボーナスを使って、年に1回大きな旅行に5日間ぐらい行っています。
子どもが大きくなると家族全員で予定をあわせて行くのが難しくなると聞いていたので、一番上の子が中学を卒業するまで続けていました。
しかし、実際に長女が大学進学を今年しましたが、想像以上に受験や1人暮らしの準備にお金がかかってしまい、もう少し子どもが小さな頃から貯金をしておくべきだったと後悔しています。
今の時代、Excel、ワード、パワポ、アクセスが出来るのは当たり前になってきています。
今の仕事の残業時間が非常に多く、転職を考えてハローワークへ通っていた時に、応募条件としてCADが使えるという条件の会社が意外と多かったのが、印象的です。
そして、普通の一般事務職の中でも、CADの募集の会社は他の事務所に比べて多少給料がよかったです。
ところが、今、自分が働いている会社はCADが出来る人も出来ない人も同じ給料形態で働いています。
CADを使える事は、Excel、ワードが使えるのとは少し訳が違うので、給料を見直して欲しいと思っています。
同じ専門学校を卒業しCADを使える知り合いが働いている会社ではCAD研修に積極的に行かせてもらっており、その業種にとりわけ必要なCAD技術を習得しに、月1回通っている人がいます。
CADはシステムも日々進化していきますので、扱う会社は社員にそういった研修に積極的に参加させてあげて欲しいと思います。
建築の2DCADオペレーターのケース(女性20代・独身)
建築業界で正社員として働く20代中盤(女)、独身です。
大学から建築を専攻して、工務店の事務を2年、その後設計事務所でCAD関連のお仕事をしています。
今の設計事務所は今年で3年目で、CAD経験も今の会社に入社してから使用し始めたので3年目になります。
CADの種類はJWW CADを使用しています。
仕事内容は公共工事の改修工事に使用する図面を作成します。
図面起こし、詳細図等作成します。
CADを使用して面積を出して、積算も行います。
2020年の年収は、330万円でした。
月平均は25万円程度、ボーナスは手取りで30万円程度です。
月収には、交通費1万円、リモート手当5千円、資格手当5千円程度、見込み残業費4.5万円程度、その他よくわからない技術手当等が着いています。
また、積み立てニーサが1万円、社員旅行積み立て3千円、残りは税金等です。
月々のお給料の使い道の内訳は、車代(保険を含む)6万円、家賃+駐車場が3.7万円、カード支払い3万円前後(ETC代:携帯代、ショッピング)、光熱費が1.2万円、食費1.5万円、残りが自由に使えるお金です。
余れば貯金に回したいのですがほとんど残らないです。
ボーナスの使い道は、車代(ボーナス払いで加算しているため)が5万円、仕送りが2万円、残りは基本貯金ですが、車の整備代で半分無くならことがほとんどです。
生活はギリギリです。
車代が給料半分弱を占めているのですが、わたしには唯一の贅沢だと思っています。
節約のため食材は業務スーパーで買い溜めしたり、電気代はコンセントの刺しっぱなしは基本しません。
単純作業な場合もありますが、考えながら行う作業が多いので1つの図面を作るのに人によって作業時間は様々です。
そのため、会社側は残業代をやった分だけ支払うことができないため、いくら残業しても給料は上がりません。
私の会社は見込み残業代が支払われています。(4万円程度)
CAD関連のお仕事の方共通だと思いますが、パソコン1つあれば仕事ができます。
そのためわたしの会社はコロナがきっかけでリモートワークが基本になりました。
リモートワーク用のパソコンは会社から支給していただきました。人によってはプリンターも支給されています。
元々自宅にプリンターがない人が会社から支給されています。
建築の設計事務所は基本稼げません。
生活費をギリギリ稼ぐ程度で、建築が本当に好きでなければできない仕事だと思っています。
あるあるかもしれないですが、会社用の代表の車がとても贅沢です。
もう少し私達の給料をあげていただきたいと密かに思います。
機械分野のCADオペレーター年収
自動車や家電、産業機械などの部品図や組立図を作成します。建築分野以上に精密さが求められ、3D CAD(CATIA, SolidWorksなど)のスキルが必須となる場合が多いです。
特に解析(CAE)などのスキルもあれば、さらに高い専門性を発揮でき、年収も450万円〜800万円と高水準を狙えます。
次に4名の建築分野のCADオペレーターの年収実績を見ていきましょう。
機械系の設計+CADオペレーターのケース(男性30代・既婚)
私は大手電機関係の会社で正社員として製品の設計開発を行っている、30代(男)です。
家族構成は、夫婦と子供一人の3人家族です。
業務は、一般的な家電製品ではなく、工場等で使用される設備関係が中心です。
使用CADは3次元CADがNX、Solidworks、Creoで、2次元CADがAutoCAD、iCADなどを使用しています。
CADでは主に樹脂、板金、ダイカスト部品の形状作成と作図が中心で、クリアランス解析、生産性の妥当性も検証しています。
工場設備は製品自体が巨大なため、その中の一部分のみを担当しています。
仕事の難易度は自分にはちょうど良く、やりがいを感じています。
2020年の年収は、640万円でした。
平均月収は約40万円、ボーナスは夏と冬それぞれ約80万円、合計約160万円です。
給料の使途内訳は、家賃9.5万円、保険料3万円、食費5万円、光熱費2万円、通信費2万円、お小遣い3万円、貯金5万円、その他(水道、NHK、等)2万円ほどになります。
子供が産まれ、妻は現在主婦のため家計としては私の給料のみです。
これから子供にかかるお金を考えると、なかなか貯金に回せるお金が少なくなりそうだと思っており、早めに住宅購入を検討しています。
また、2人目の子供も考えており、現在は軽自動車のため、車の買い替えも検討中です。
子育ても始まり、これから出ていくお金が多くなるため、貯金のことを考えると不安でいっぱいです。
育児がある程度落ち着いたら妻にも働いてもらおうとは思っていますが、パートで配偶者控除範囲内で働いてもらうか、再度正社員として活動してもらうかは悩んでいます。
給与面に関しては、現在の待遇にそれほど不満はありません。
思うところがあるとしたら、残業時間の多さです。
設計開発という仕事ですので、残業が発生するのは仕方のないことですが、月の平均残業が40時間程度あります。
忙しい部署ではまだ平均残業100時間オーバーのところもあるそうです。
働き方改革という言葉が世間で叫ばれており、経営層からは指示が出ていますが、実際の現場にまではまだ浸透していないと思います。
子供が産まれるまでは残業について大して気にしていませんでしたが、子供が産まれてからは帰宅時間を気にするようになりました。
理由は帰宅しても子供は既に寝ており、平日はほとんど顔を合わすことが無く、さみしい思いをしているためです。
イクメンという言葉がありますが、今のところ私には無縁の状態で、男性にも育児による時短勤務を認めてもらえないかと思っています。
ただし、残業代が削られると非常に生活が苦しくなるため、バランスが難しいと考えています。
機械系のCAD・CAMオペレーターのケース(女性30代・既婚)
厨房機器関係の板金試作、学校や公共施設の流し台を作っている会社に正社員として勤めている30代後半(女)です。
家族構成は、夫婦と子供一人の3人家族です。
製造業、CADは未経験でしたが26才の時に中途採用で入社しました。
出産前に、1度は退社しましたが子供が幼稚園に入るタイミングで、再度復帰させて頂きました。
製造業といってもステンレスや鉄など金属を扱うため、板金アマダの板金用機械と連動したCADを使って設計をしています。
客先からの注文図面から展開し、試作の場合は簡易金型の設計をし、CAMまでおこなっています。
2020年の年収は、410万円でした。
平均月給としては約30万円、ボーナスは夏冬合わせて50万円でした。
一旦出産前に退社して、復帰しているため、月給は前に比べて変化ないのですが、ボーナスは勤続年数が一からだからなのか前に比べると大分下がっております。
この一年はコロナ禍でしたが、会社としてはコロナの影響はなく、一年を通して仕事が途切れる事がありませんでした。
試作関係の仕事に関しては9月から年末にかけて大変忙しかったです。
生活のやりくりに関しては、夫と私の共働きなので、夫の給料で生活するようにやりくりしております。
夫はイベント関係の仕事でコロナの影響をうけ、給料がかなり下がった為、私自身の給料も生活費にあてる時もありました。
私自身の給料は最低でも20万は必ず貯蓄にまわすようにしております。
他はイレギュラーに出て行く出費にあてたり、生活費とは別に必要なものがあれば充てるようにしております。
年末近くに自分の不注意で車をぶつけてしまい、その修理代は自分のボーナスで支払いました。
無駄なお金だったなと思います。
CADにも業種によって色々だと思います。
私の勤めている板金関係のCAD、CAMの仕事はあまり給料がよいとは思いません。
この仕事の求人をみましても、月給18万~25万といった給料提示がなされています。
機械を使う現場の人の方が給料面での待遇が良いようなイメージがあります。
CADは誰でも出来るから安いというイメージが給料に反映しているのでしょうか?
板金CADになりますと、図面内容によっては簡単にすぐできるものもありますし、試作になりますと製品展開から金型設計まで1週間近く頭を悩ませてプログラムをする事もあり、給料のわりに難易度が高いと思っています。
今は自動展開というボタン1つで簡単に展開出来るソフトもありますが、実際にはまともに使えず、結局は地道にプログラムするしかありません。
マニュアルさえあれば誰でも出来るような仕事ではないので、もう少し給料面の改善をして欲しいとは思います。
実際には何年やっても全然レベルがあがらない人もおります。
レベルに応じた給料待遇を望みます。
機械系のCAD・CAMオペレーターのケース(男性50代・独身)
正社員として機械部品のCADオペレーターをやっている50代(男)、独身です。
主に機械部品(物流関係、食品関係、繊維関係、トラック関係)や、鉄やステンレスの看板を製作、ポンプカバー、油や水のタンク、配電盤等のカバー関係(精密板金作業)の仕事をしています。
CAD関連の作業としては、詳細設計図の製作やお客様から頂いた組図を見て部品をバラして展開作業を行い、鉄やアルミ材ステンレス材の板厚ごとにレーザー加工機を動かす為のCAM作業(NCプログラムを作成して次工程に流す)を行っています。
2020年の年収は、450万円でした。
昨年はコロナウイルスの影響で仕事が減少して定時で帰宅する事が多くなり、収入が激変してしまいました。
生活のやりくりに対しても必要最低限の出費以外の費用を払わないようにしています。
例えば携帯電話の費用を少しでも減らせるように現状のプランの見直しを行い月々の経費を減額(約2000円)をしたり、外食する機会を以前に比べて減らす努力をしています。
交通機関を利用しての旅行を辞めて家の近所での散歩をしてお金を使わないようにしています。
田舎暮らしなのでどうしても乗り物が必要になってくるのですが、通勤以外では出来るだけ車を使用しないでバイクを利用してガソリン代の節約をしています。
楽しんだりすることが減ったので逆にストレスが増しているのでイライラすることが多くなってきています(汗)。
技術的な仕事なのですが、以前より待遇が悪くなってきている様に感じます。
例えば加工データーを作成する為時間短縮や数を多く作成して次工程に流す様に言われているし、お客さまから頂いた注文図面で寸法が抜けていたりして問い合わせが多く作業がはかどらない状態が多く発生してきている。
図面が無くては製作できない人も多くなってきてるので逆に手間がかかってきている。
CADのバージョンアップが頻繁に行われてきているので、毎回機能が追加されて操作を覚えることや、逆に必要とされている部分の機能が削除されているなど不便になることも。
年のせいもありますが、体が悲鳴を上げている事が多くなってきています。
CADオペ業務は、精神的な疲れが多いと思いますが、業界での評価が低い状態がさらに加速され、時給や単価が報われなくなってきている気もします。
今後は今まで以上に自動化が進んでくるので、機械やコンピューターが人間の代わりに単純作業をするような感じになる為、将来的にはCAD関連の仕事は減ってくると思い、別の仕事に就くことも考えています。
無論、単純作業以外でCADオペレーターとして付加価値を付けていけば、仕事として残っていく部分もあると思いますが。
機械系のCADオペレーターのケース(男性30代・既婚)
化粧品業界で正社員として化粧品容器設計の仕事をしており、2DCADと3DCADを使用しています。
年齢は39歳、家族構成は、夫婦と子供一人の3人家族です。
すでにある部品を転用した設計から、丸々新規部品で構成する容器の設計をしています。
これまでは2DCADを主体に設計し、3Dモデルは外観の確認等で使用してきましたが、金型作成メーカーでも3DCAD が普及してきていることで、3Dデータが必須になりました。
今では3DCADがメインで使用し、2D CADはスケッチがわりに使用しています。
2020年の年収は、564万円でした。
平均月給は約41.5万円で、ボーナスは夏が31万、冬が35万です。
生活のやりくりについてですが、子供の中学受験のための塾代がかなり費用のウエイトを占めています。
コロナにおける業界全体の低迷により、会社としての売り上げも下がり、ボーナス額も大幅に下がりました。
そのため、この塾代の負担がかなり重くなっている状況にあります。
繰り上げ返済を考えていた住宅ローンは、収入の大幅減少により繰り上げ返済をやめ、普段の生活費や塾代に充てる予定で考えています。
春季講習、夏期講習、冬季講習と、追加で大きな費用がかかるタイミングがあるため、金銭的にはかなり厳しい状況で、現状収入に対して支出が多くなっています。
そのため、コロナ前では、週末は頻繁に外食をしていましたが、外食費用を抑えるために、外食を控えほぼ自宅で食事するようになりました。
会社と労働組合の交渉で副業が解禁になったことで、挑戦してみたい仕事があり、検討しています。

CAD関連では、建築系の仕事が多くみられ、建築CADの需要を多く感じる。
また、CAD関連の仕事は、正社員としての求人が多いように思います。
業務委託などの副業で短い時間だけでも携わりたい人も多いように思いますが、そういった求人では特に建築系CAD の仕事が多いと気がしています。
その他のCAD の仕事は求人や業務委託の仕事が少ないため、実際に携わりたいと思ってもが倍率が高くなるように思う。
企業によると思うが、CAD操作ができる方といって特別待遇が良くなるわけでなく、資格をもっていたとしても採用時の判断材料にしかならない。
またCADを扱う設計部門は、残業が多い傾向があり、残業代をきちんと支払ってくれる企業であれば待遇はいい方ではないかと思う。
今の仕事では、特にCADを操作できるからといって特別待遇がいいわけではなく、CAD関連の資格を持っていたとしてもそれが待遇の良さにはつながっていかない。
むしろ簿記3級を取ったほうが会社的には昇格時の昇給がアップするシステムがあるため、CAD業務への待遇は感じられない。
CADオペレーターの年収が「低い」と言われる理由とは?
これまでのデータを見ると、CADオペレーターの年収は決して「低い」わけではないことが分かります。では、なぜ世間では「低い」というイメージを持たれがちなのでしょうか。
主な理由として、以下の3つが考えられます。
- 未経験者向けの求人が目立つから:CADオペレーターは未経験からチャレンジしやすい職種のため、入り口の給与水準が比較的低めの求人が多く出回っています。これが全体のイメージを下げてしまっている可能性があります。
- 「オペレーター=作業者」というイメージ:設計者の指示通りに図面を作成する、という業務内容から、創造性がなく誰にでもできる単純作業だという誤解が生まれやすいです。
- スキルによる年収差が大きい:基本的な2D CADしか扱えないオペレーターと、BIMや3D CADを駆使できるオペレーターとでは、年収に倍以上の差がつくことも珍しくありません。スキルが低いままだと、年収が上がりにくいのは事実です。
つまり、「CADオペレーターの年収が低い」のではなく、「スキルが低いままだと年収が上がりにくい」というのが実態に近いと言えるでしょう。
裏を返せば、スキルアップさえすれば、いくらでも高年収を目指せるということです。
CADオペレーターが実践すべき年収アップのための具体的な方法
では、ここからは年収をアップさせるための具体的な方法を4つご紹介します。どれも明日から意識できることばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
専門性を高めるためのスキルアップ術
年収アップの最も確実な方法は、自身のスキルを磨き、市場価値を高めることです。特に、今後の業界で必須となるBIM(ビム)のスキル習得は、年収アップへの特急券と言っても過言ではありません。
BIMとは、単に3Dモデルを作成するだけでなく、建材のコストや管理情報など、建築に関するあらゆる情報を一元管理できる画期的なシステムです。国土交通省も導入を推進しており、建設業界全体でBIM化が急速に進んでいます。
BIMスキルを効率よく身につけるなら、専門のスクールに通うのがおすすめです。基礎から実践まで体系的に学べるため、自己流で勉強するよりも早く、確実にスキルを習得できますよ。
BIMが学べるスクールについて、詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
「そもそもBIMとCADって何が違うの?」という方は、まずはこちらの記事で基本的な違いを理解しておくと良いでしょう。
有利な資格を取得して市場価値を上げる
資格は、あなたのスキルを客観的に証明してくれる強力な武器になります。特に転職活動の際には、自分のスキルレベルをアピールする上で非常に有効です。
CADオペレーターにおすすめの資格には、以下のようなものがあります。
- 建築CAD検定試験:建築図面の作成スキルを証明する、最も知名度の高い資格の一つ。
- 3次元CAD利用技術者試験:3D CADの知識と操作スキルを証明する資格。
- オートデスク認定資格:AutoCADやRevitなどの開発元が公式に認定する資格。
資格を取得することで、資格手当が支給される企業もあり、直接的な年収アップにも繋がります。
どの資格を取るべきか迷ったら、こちらの記事を参考に、ご自身のキャリアプランに合った資格を選んでみてください。


好条件の企業へ転職して年収を上げる
現在の職場でスキルアップや昇給が見込めない場合は、より条件の良い企業へ転職するのも有効な手段です。
特に、上流工程(企画・設計など)に関われる設計事務所や、大規模プロジェクトを扱うスーパーゼネコン、最新技術の導入に積極的な企業などは、高い年収が期待できます。
転職を成功させるためには、これまでの経験をアピールするためのポートフォリオ(作品集)の準備が不可欠です。
自分がどのような図面を作成できるのか、スキルレベルを具体的に示すことで、採用担当者にもあなたの価値が伝わりやすくなります。
転職エージェントをうまく活用するのもおすすめです。非公開求人を紹介してくれたり、ポートフォリオの添削や面接対策など、手厚いサポートが受けられます。
CADオペレーターの転職については、以下の記事で詳しく解説しています。


フリーランスとして独立し高単価案件を獲得する
会社員という枠に縛られず、自分の実力で稼ぎたいという方には、フリーランスとして独立する道もあります。
先述の通り、BIMなどの専門スキルがあれば、月単価60万円以上の高単価案件を獲得することも夢ではありません。在宅で働ける案件も多く、時間や場所に縛られない自由な働き方を実現できます。
ただし、会社員とは違い、自分で仕事を見つけ、契約や経理なども全て自分で行う必要があります。独立を目指すなら、まずは副業から始めてみて、フリーランスとしての働き方に慣れていくのがおすすめです。
フリーランスのCADオペレーターについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
CADオペレーターからのキャリアアップパス
CADオペレーターとして経験を積んだ先には、さまざまなキャリアパスが広がっています。単なる「オペレーター」で終わらない、長期的なキャリアプランを描いてみましょう。
- CAD設計士/設計補助:図面作成だけでなく、設計そのものに深く関わるポジション。より上流工程からものづくりに携われます。
- BIMコーディネーター/マネージャー:BIMプロジェクト全体を管理・推進する専門職。高い専門性が求められ、高年収が期待できます。
- 施工管理者:現場監督として、図面通りに工事が進んでいるかなどを管理する仕事。現場でのコミュニケーション能力も求められます。
年収1000万は可能?実現するためのロードマップ
この記事の冒頭で、「年収1000万円も可能」とお伝えしましたが、これは決して夢物語ではありません。ただし、そのためには明確な戦略と継続的な努力が必要です。
【年収1000万円を実現するためのロードマップ例】
- Step1(〜3年):未経験からCADオペレーターとして就職。まずはAutoCADなどの基本的な2D CADスキルを徹底的にマスターし、実務経験を積む(年収300〜400万円)
- Step2(3〜5年):働きながらBIM(Revitなど)のスキルをスクールなどで習得。社内でBIM案件に積極的に関わる、もしくはBIMを扱える企業へ転職する(年収450〜600万円)
- Step3(5年〜):BIMコーディネーターなどの専門職として実績を積む。マネジメント経験も 쌓み、市場価値を最大限に高める(年収600〜800万円)
- Step4:BIMの専門家としてフリーランス独立、または大手ゼネコンなどへハイクラス転職。高単価のBIMコンサルティング案件などをこなし、年収1000万円以上を目指す。
もちろん、これは一例です。大切なのは、目標を設定し、そこから逆算して今何をすべきかを考えることです。
こちらの記事では、さらに具体的なキャリアプランについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ:cadオペレーターの年収を正しく理解しキャリアを築こう
今回は、CADオペレーターの年収について、さまざまな角度から詳しく解説しました。
【今回の記事のポイント】
- CADオペレーターの平均年収は約455万円。働き方やスキルによって大きく変動する。
- 「年収が低い」と言われるのは、未経験者向け求人が多く、スキルによる年収差が大きいため。
- 年収アップには「専門性(特にBIM)」「資格取得」「転職」「独立」が有効。
- 明確なロードマップを描き、戦略的にスキルアップすれば年収1000万円も実現可能。
CADオペレーターは、専門スキルを身につけ、経験を積むことで、着実に年収を上げていくことができる、非常に将来性のある仕事です。世間のイメージに惑わされず、ご自身の価値を正しく理解し、理想のキャリアを築いていってくださいね。
この記事が、あなたのキャリアプランを考える上での一助となれば幸いです。
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