現在、建築系の会社でCADオペレーターしながら1歳の子の育児に奮闘中です。
引っ越しを機に、以前から気になっていたCADの資格(建築CAD検定)を取得し、CADオペレーターをしています。
私は現在、高層ビルをはじめ、比較的規模の大きい建築物に関わる各種建材の設計補助をしており、日々図面を書いています。
業務で2DCAD(AutoCAD)だけでなく、3DCAD(Rhinoceros)も扱うようになって以来、どんどん3Dに興味がわき、家事育児の合間をぬって自宅でも3Dモデリングをしたりしています。
最近は3Dプリンターにも興味が出てきています。
3Dプリンターは個人で使用できるような安価なものが続々と販売されはじめていて、3Dを扱っている身としては、ぜひ一度自分が作ったデータをプリントしてみたい!と思っていました。
しかし、いくら安価なものもあるとはいえ、数万するものをいきなり購入するのは少し敷居が高い・・・。
DMMのM3Dプリントサービスもありますが、依頼して実際に手元に届くまでに時間もかかる上、送料等もかかります。
そこで、どこか自宅近くで3Dプリンターをレンタルしているような場所はないかと調べたところ、カインズホームのカインズ工房にたどり着きました。
今回はカインズホームの3Dプリンターレンタルがどんなものなのか?どんな3Dプリンターをレンタルできるか?何を印刷したか?料金や使ってみて良かった点、悪かった点についてレポートしたいと思います。
これからカインズホームで3Dプリンターをレンタルしたいと思っている人の参考にしていただければ幸いです。
カインズホームの3Dプリンターレンタルの概要
カインズホームのDIY施設のカインズ工房では、電動ドライバーなど多種多様な工具やレーザー加工機などの大型の機械までレンタルすることができ、専用スペースにて作業することができます。
自宅ではなかなかできない加工作業も、カインズホームで材料を購入するついでに行うことができます。
以下が、3Dプリンターレンタルの詳細です。
- 全国225店舗(2021年2月末時点)のうち、58店舗にカインズ工房が設置
- その内の9店舗が3Dプリンターのレンタル可能
- レンタル可能な3Dプリンターは3機種(MF-1100、Replicator mini、ダヴィンチ1.0 Pro 3in1)
- 3Dプリンターレンタル料金は30分350円(フィラメント代込)
- PCも各店舗設置してあるので、必要なものはデータ(STL形式)を入れたUSBのみでOK
フィラメント代込でこの料金は良心的ですね。
また自宅用3Dプリンターの場合、フィラメントが余ると劣化するので使いたい時に使いたい分だけ使えるのも嬉しいです。
カインズ工房を使用するにはカインズホームの会員登録(無料)が必要で、ログイン後、カインズ工房のページにて予約することができます。
カインズホームの3Dプリンターレンタル体験レポート
ライノセラスで名前スタンプをモデリングし3Dプリンターで印刷
子どもが保育園に通うようになり、大量のおむつへ記名しなくてはならなくなりました。
当初は市販の名前スタンプで行っていたのですが、数か月で壊れてしまい・・・。
「新しいおむつスタンプが欲しい!では作ってみよう!」ということで早速3Dでモデリングしてみました。
モデリングは勤務先でも使用しているRhinoceros(ライノセラス)を使用しました。
ライノセラスは体験版があり、90日間無料で使用することができますが、私は1ライセンス購入しました。
商用版 158,400円(税込)で、学生は教育版を39,600円(税込)で購入できます。
せっかくオリジナルで作成するので、市販品ではないような、はっきり記名でき片手でしっかりグリップできるサイズで作成してみました。
モデリングが完了したので、早速店舗で3Dプリンターをレンタルして印刷します。
事前予約で3Dプリンターをレンタル可能
3Dプリンターは事前予約ができます。
もちろん、予約なしで現地でレンタルすることもできますが、確実に空いている保証はないので、事前予約するのがおすすめです。
予約方法は以下です。
- カインズホームのHPまたは公式アプリから店舗を選択し、カインズ工房のページを表示
- そこから各種レンタルできる機材等が選択できるので、レンタルしたいものを選び、使用したい日時を指定します
- 予約は30分刻みで指定できますが、受付や片付けの時間も含め1時間単位での予約が必要です。(使用料金は1時間単位での支払いになります。)
私は日曜日の利用で、前日土曜日に予約したのですが、特に他に使用する人もいなかったようで、予約枠が全て空いていました。
10時から11時の1時間で予約しました。
レンタルできる3Dプリンターはダヴィンチ1.0 Pro 3in1
予約日に早速カインズ工房受付へ。受付ではカインズホームの会員証を提示し、申込用紙へ記入します。
記入後、スタッフさんに案内されプリンターとノートPCの場所へ案内されました。
実物の3Dプリンターを見るのは初めてで、ちょっとテンションが上がります!
今回の店舗に設置してあるプリンターは「ダヴィンチ1.0 Pro 3in1」です。
最200×190×200mmまで造形できるプリンターで、結構人気の機種です。
案内後、特に使用に関する詳しい説明もなく、スタッフさんは去っていきました。
もう少し説明はないのか、と思いつつ・・・とりあえずやってみようと持参したUSBをPCに接続し、データを取り込みます。
ちなみに店舗によるかもしれませんが、プリンター使用方法のマニュアル等はありませんでした。
スライサーソフトxyz ware Proで印刷設定
取り込みデータを開くと、ノートPCにダヴィンチ専用のスライサーソフトのxyz ware Proが開きます。
スライサーソフト(STLデータを印刷用データに変換するソフト)は扱ったことがないので手探りではありましたが、ひとまず印刷開始方向を調整してみました。
個人的にはスライサーソフトに関する知識が多少あったので手探りでも操作できましたが、スライサーソフトとは何?と思った方はあらかじめ調べておくとよいかと思います。
基本的には印刷ボタンを押すだけでプリンターは稼働してくれますが、複雑な造形の場合はよりきれいに印刷するために調整が必要になってくるので注意が必要です。
今回のモデリングデータで一番細かい部分は名前が入っている箇所なので、フィラメントがからまないようそこを最後に印刷するように方向を調整しました。
形状自体はほぼ直方体のシンプルなものなので、印刷スピード等の細かな調整はデフォルト設定のままにしてみました。
データを送信すると、早速プリンターが動き出しました。
印刷時間がどれだけかかるか確認しましょう
データを送信したらあとは完成を待つだけです。
3Dプリンターの様子をちらちら確認しつつ、持参した本を読みながら時間をつぶします。
30分後・・・プリンターの様子を見てみますが、まだまだ半分も造形されていない状態。
一体あとどのくらいで完了するのか、プリンターをあちこち見まわしてみると、ディスプレイに完了までの時間が表示されていることに気づきました。
表示時間は2時間。これは予約時間内に終わりそうにない!と、スタッフさんを呼び出して延長できないか聞いてみたところ、すぐに承諾していただけました。
とりあえず1時間あれば大丈夫だろうと軽く見積もっていたのが過ちでした。
印刷完了
印刷までの待ち時間は席を外していても大丈夫ですよ、とのことで、店舗で買い物を済ませたり、近くのカフェスペースでお茶をしたりしていました。
印刷が完了するころに席に戻ると、プリンターの稼働は終了しているよう。
早速中を開けてみると、想像していた通りのスタンプの姿が!名前部分もつぶれずにきれいにできています!無事完成です。
持参したのはUSBだけなので、特に片付けるものもなく、あとは使用料を支払って終了です。
なお、プリントに失敗した、という場合でも料金はかかってしまいます。
今回はその場で時間延長させていただきましたが、次の予約が入っていた場合は退出しなくてはならない場合もありますので、注意が必要です。
カインズホームの3Dプリンターレンタルの良かった点・悪かった点
良かった点
良かったこととしては、気軽に3Dプリンターを使用することができるという点です。
準備するのはデータのみで、PCやフィラメント等は準備されており、価格も手頃です。
予約もネットで簡単にできるのでとても便利です。
3Dプリンター欲しいけれど実際どんなものなのか試してみたい、と気になっている方には特におすすめです。
悪かった点
悪かったこととしては、担当のスタッフさんによっては3Dプリンターに詳しくない方もいるという点です。
使い方がわからない、作業中にトラブルが起きた、という場合にスムーズに対応してもらえない場合もあります。
使用方法についてはあらかじめ調べておくことをおすすめします。
もちろん造形に失敗してもレンタル費用はかかってしまうので、初心者が複雑な造形をするのは不向きかと思います。
まとめ
「百聞は一見にしかず」と言いますが、実際に使ってみると想定外のことも多く、良い経験になりました。
費用も安価なので、気軽に挑戦することができました。
また何かプリントしてみたいな思っています。お近くにカインズホームがあるという方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
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