「BIM利用技術者試験って最近よく聞くけど、実際どんな試験なの?」「建設業界でキャリアアップしたいから、資格を取ってみたいけど難易度が気になる…」
あなたも今、そんな風に思っていませんか?
結論から言うと、BIM利用技術者試験、特に2級は、BIM初心者にとって非常に価値があり、かつ合格を目指しやすいおすすめの資格です。
なぜなら、この試験は2023年に始まったばかりの新しい資格で、これからの建設業界で必須となるBIMスキルを基礎から体系的に学べ、自身のスキルレベルを客観的に証明できるからです。
例えば、私の知人で、これまで2D CADしか使ったことがなかった設計補助の方がいます。
彼女は将来性に不安を感じ、BIMの勉強を始めようと決意。何から手をつけていいか分からなかったそうですが、目標としてBIM利用技術者試験2級を設定したことで、勉強の道筋が明確になったと言っていました。
公式テキストを中心に学習を進め、見事一発で合格!今ではBIMオペレーターとして新しいキャリアを歩み始めています。
もちろん、「民間資格だから、取得しても意味がないのでは?」という声も聞こえてきそうです。確かに、建築士のような国家資格と比べると、現時点でのインパクトは小さいかもしれません。
しかし、国土交通省がBIMの活用を強力に推進している今、建設業界全体のBIM化は待ったなしの状況です。
スキルを客観的に証明できるこの資格の価値は、今後ますます高まっていくことは間違いありません。
この記事を読めば、BIM利用技術者試験の全体像が掴め、あなたに合った最適な学習プランを立てることができます。ぜひ最後まで読んで、合格への第一歩を踏み出してください!
- BIMについてもっと理解を深めたい場合は以下の記事も参考にしていただければと思います。


BIM利用技術者試験の概要|日程・難易度・受験資格を解説
まずは、「BIM利用技術者試験って、そもそも何?」という基本的なところから、分かりやすく解説していきますね。試験の全体像をここでしっかり掴んでおきましょう。
BIM利用技術者試験とは?いつから始まった資格?
BIM利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)という団体が主催している、BIMに関する知識やスキルを測るための民間資格試験です。
このACSPという団体、CADを触ったことがある方ならピンとくるかもしれませんが、「CAD利用技術者試験」を実施しているところと同じなんですよ。CADの世界では非常に歴史と実績のある団体です。
この試験がスタートしたのは2023年から。建設業界でBIMの導入が急速に進む中で、「BIMを扱える人材を育て、そのスキルを客観的に評価するモノサシが必要だ!」ということで創設されました。まさに、時代のニーズに応えて生まれた、今注目の新しい資格なんです。
BIM利用技術者試験は国家資格ではない?
先ほども少し触れましたが、この試験は国家資格ではありません。あくまで民間団体が認定する民間資格です。
「なんだ、国家資格じゃないのか…」とがっかりする必要は全くありません。
たしかに、この資格がないとBIMの仕事ができない、というわけではありません。しかし、特にこれからBIM業界に挑戦したい方や、自分のスキルを会社にアピールしたい方にとっては、「私はBIMの知識を体系的に学んでいますよ」という強力な証明書になります。
履歴書に書ける資格があるというのは、転職やキャリアアップの場面で想像以上に有利に働きます。特に新しい資格なので、持っているだけで「新しい技術への感度が高い」「学習意欲がある」というポジティブな印象を与えられるでしょう。
【級別】BIM利用技術者試験の難易度と合格率
BIM利用技術者試験には、スキルレベルに応じて「2級」「準1級」「1級」の3つの階級が用意されています。ステップアップしながら挑戦できるのが魅力ですね。それぞれのレベル感と気になる合格率を見ていきましょう。
BIM利用技術者試験1級
1級は、現時点で最も難易度が高い最上位の資格です。単にBIMソフトを操作できるだけでなく、BIMモデルの情報をどう活用するか、プロジェクト全体を管理するような、より高度で専門的な知識が問われます。実務経験者の中でも、リーダー的な役割を担う人がターゲットになるでしょう。
合格率は24年度前期が25.80%、後期が36.46%でした。受験者の多くが実務経験者であることを考えると、かなり歯ごたえのある難易度だということが分かります。合格すれば、BIMのプロフェッショナルとして高い評価を得られること間違いなしです。
BIM利用技術者試験 準1級
準1級は、より実践的なモデリングスキルを証明するための級です。学科試験だけでなく、実際にパソコンでBIMソフトを操作して、仕様書通りに3Dモデルを作成する「実技試験」がメインとなります。知識だけでなく、手を動かすスキルが求められるのが特徴です。
合格率は24年度前期が50.00%、後期が39.54%でした。こちらも1級と同様に、決して簡単な試験ではありません。BIMソフトの操作に日常的に慣れ親しんでいることが合格の鍵となりそうです。
BIM利用技術者試験 2級
そして、BIM初学者がまず目指すべきなのが、この2級です。「BIMってそもそも何?」という基本的な概念から、関連用語、モデリングの基礎知識まで、BIMの入門的な内容が問われます。
驚くべきはその合格率。合格率は23年度が92.10%、24年度が91.86%でした。という非常に高い数字を記録しました。
これは、試験内容がBIMの基礎に絞られており、公式テキストをしっかり勉強すれば誰でも合格ラインに到達できることを示しています。BIMの世界への第一歩として、これ以上ない最適な資格と言えるでしょう。
級 | 主な試験内容 | 2023年度 合格率 | こんな人におすすめ! |
1級 | 高度なBIMの知識・データ活用(学科) | 36.46% | BIMプロジェクトのリーダーを目指す人 |
準1級 | 実践的なモデリングスキル(実技) | 39.54% | BIMオペレーターとしてスキルを証明したい人 |
2級 | BIMの基礎知識・基本用語(学科) | 92.1% | これからBIMを学ぶ全ての人 |
BIM利用技術者試験の受験資格
この試験の素晴らしいところは、受験資格に一切の制限がないことです。学歴、年齢、国籍、実務経験など、何も問われません。「BIMを学びたい!」という意欲さえあれば、誰でも、どの級からでもチャレンジできます。
ただし、主催者側は1級と準1級について、ある程度の実務経験や学習経験があることを想定しています。まずは2級から挑戦して、自信がついたら上の級を目指すのが王道のルートと言えそうですね。
試験会場と試験日程
試験の受けやすさも、この資格の大きな魅力です。
特に2級は「CBT方式」という方法で実施されます。これは、全国各地にある「テストセンター」という会場に出向き、そこに設置されているパソコンを使って受験するスタイルです。
CBT方式のメリットは、試験期間内であれば、自分の好きな日時と会場を自由に選べること。仕事や学校が忙しい方でも、スケジュールを調整しやすいのは嬉しいポイントですよね。
一方、1級と準1級は、年に2回(前期・後期)、決められた日に指定の会場で一斉に実施される従来型の試験です。
最新の試験日程や会場の詳細は、公式サイトで発表されますので、受験を考え始めたら、まずは公式サイトをチェックする習慣をつけましょう。
合格発表の日程と合格証について
2級(CBT方式)の場合、試験が終わって解答を送信した直後に、パソコンの画面上で合否が分かります。このドキドキ感がたまらないですよね。正式な合格通知は、後日マイページからダウンロードできます。
1級と準1級は、後日定められた合格発表日に、公式サイト上で合格者の受験番号が公開されます。
合格すると、デジタル上でスキルを証明できる「オープンバッジ」がもらえます。また、希望すれば有料でカード型の合格証を発行してもらうことも可能です。記念になりますし、形として残るのは嬉しいものですよね。
申し込みや結果確認はマイページから
受験の申し込みから、受験料の支払い、試験結果の確認、合格証の申請まで、全ての手続きは公式サイト上の「マイページ」で行います。
最初にメールアドレスなどを登録して自分のマイページを作成すれば、あとはそこから全て完結するので非常に便利です。申し込み期間を逃さないように、受験を決めたら早めにマイページ登録を済ませておきましょう。
BIM/CIM管理技士との違い
BIM関連の資格を調べていると、「BIM/CIM管理技士」という名前を目にすることがあるかもしれません。「BIM利用技術者試験と何が違うの?」と混乱してしまう方も多いかもしれません。
この辺りは以下の記事にまとめてありますので参考にしていただければと思います。
BIM利用技術者試験の合格に向けた具体的な対策
試験の概要がわかったところで、いよいよここからは「じゃあ、どうやって勉強すれば合格できるの?」という具体的な対策について掘り下げていきます。
特に合格率の高い2級は、ポイントを押さえれば独学でも十分に合格を狙えますよ!
おすすめの公式テキスト・参考書
BIM利用技術者試験の対策において、何よりも重要なのが「公式テキスト」です。というか、現状これ一冊あれば十分と言っても過言ではありません。
- 『建築・BIMの教科書 BASIC-Ⅰ 改訂2版』
このテキストは、試験を主催しているACSPが「試験問題はここから出しますよ」と公言している、まさに”試験の攻略本”です。
BIMの歴史や概念といった基礎の基礎から、モデリングの考え方、データの形式まで、2級の試験範囲が網羅的に解説されています。
勉強を始めるにあたって、まずこのテキストを手に入れることからスタートしてください。書店やネット通販で購入できます。逆に言えば、これ以外の参考書に手を出す必要は今のところあまりありません。
まずはこの一冊を、隅から隅までじっくり読み込み、内容を完璧に理解することに集中しましょう。
過去問・サンプル問題を使った勉強法
資格試験の勉強といえば「過去問をひたすら解く!」というイメージが強いですよね。しかし、残念ながらBIM利用技術者試験の過去問題は、公式には公開されていません。
これは、CBT方式の試験では、受験者ごとにランダムで問題が出題される「問題バンク」形式が採用されているためです。
「え、じゃあ問題演習はどうすればいいの?」と不安になった方、ご安心ください。以下の公式サイトから、「サンプル問題」がダウンロードできるようになっています。
このサンプル問題を解くことには、2つの大きなメリットがあります。
- 出題形式やレベル感がわかる「こういう聞き方で問われるんだな」「この用語はこういう意味で覚えればいいんだな」という、本番の試験の雰囲気を掴むことができます。
- 自分の苦手分野がわかる実際に解いてみて、間違えた問題や自信を持って答えられなかった問題が、あなたの弱点です。その分野を公式テキストで重点的に復習することで、効率的に知識を補強できます。
テキストをただ読む「インプット」だけでなく、サンプル問題を解く「アウトプット」を繰り返すことが、記憶を定着させる上で非常に重要です。テキストを一周読み終えたら、ぜひサンプル問題に挑戦してみてください。
独学が不安な人向けの対策講座やスクール
BIM利用技術者試験1級・準1級試験問題では以下のBIMソフトを使って受験できる予定です。
- Archicad
- GLOOBE
- Revit
- Revit LT
- Vectorworksシリーズ
BIM利用技術者試験で使えるBIMソフトについては以下の公式サイトも参考にして頂ければと思います。
シェア率が高いBIMソフトは、RevitというAutodesk社が開発している建築用ソフトです。
ここではRevitを学べるおすすめのスクールを紹介します。
しっかり学んで一歩先行くCAD/BIMオペレーターを目指しましょう。
スクールに通うメリットは、
- BIMに精通した講師から直接教えてもらえる
- 分からないことをその場で質問して解消できる
- 同じ目標を持つ仲間と出会え、モチベーションが維持しやすい
- 試験対策だけでなく、RevitなどのBIMソフトの操作も一緒に学べるコースがある
といった点が挙げられます。もちろん独学に比べて費用はかかりますが、短期間で確実に合格したい方や、資格取得をその先の就職・転職に直結させたい方にとっては、非常に有効な投資となるでしょう。無料体験レッスンなどを実施しているスクールも多いので、一度覗いてみてはいかがでしょうか。
ヒューマンアカデミー
CAD初心者におすすめなのがヒューマンアカデミーのCAD総合コースです。
AutoCADとRevit両方が学べる講座となっています。基礎から学ぶことができるため、CAD初心者の方も安心です。
また、就職サポートも行ってくれるので、将来CADオペレーターやBIMの仕事に就きたい、CADをしっかり学びたいという方におすすめのコースです。
ヒューマンアカデミーの詳細の評判•口コミは以下の記事を参考にして頂ければと思います。
Winスクール
Revit専用の講座となっています。CAD経験があり、BIMに挑戦したいという方にもおすすめです。
こちらも基礎から学べるので初心者の方にもおすすめです。
また、授業料も比較的安いので、挑戦しやすい講座となっています。
Winスクールの詳細の評判•口コミは以下の記事を参考にして頂ければと思います。
試験対策でよくある質問
ここでは、BIM利用技術者試験の勉強を始めるにあたって、多くの方が疑問に思うであろう点について、Q&A形式でお答えします。
Q1. 建築の知識が全くない初心者ですが、本当に2級に合格できますか?
A1. はい、自信を持って「合格できます!」と言えます。
2級試験で問われるのは、BIMという「ツール」や「考え方」に関する知識が中心です。建築構造や法規といった専門的な知識はほとんど問われません。
合格率92.1%という数字が示す通り、公式テキストの内容をしっかり理解すれば、予備知識ゼロからでも十分に合格が可能です。大切なのは、知らない用語が出てきても諦めずに、一つひとつ丁寧に調べて理解していく姿勢です。
Q2. 2級合格には、どれくらいの勉強時間が必要ですか?
A2. もちろん個人差はありますが、一般的には20時間~40時間が一つの目安と言われています。
例えば、毎日1時間勉強すれば1ヶ月程度、週末にまとめて勉強する方なら2ヶ月くらいを見ておくと良いでしょう。重要なのは、合計時間よりも「継続すること」です。
一度に詰め込むのではなく、毎日少しずつでもテキストに触れる習慣をつけるのが、記憶を定着させるコツですよ。
Q3. 将来的に1級や準1級も目指したいのですが、どんな準備が必要ですか?
A3. 素晴らしい目標ですね!1級や準1級は、2級とは異なり、実践的なBIMソフトの操作スキルや実務経験が重要になってきます。
まずは2級に合格してBIMの基礎知識を固めた上で、実際にRevitやArchicadといったBIMソフトに触れてみることを強くおすすめします。
会社の業務で使う機会があればベストですが、なければスクールに通ったり、比較的安価な学生・個人向けのライセンスを使ってみるのも良いでしょう。知識とスキル、両方の車輪をバランスよく育てていくことが、上位級合格への道筋です。
【まとめ】BIM利用技術者試験のポイントを押さえて合格を目指そう
さて、ここまでBIM利用技術者試験について、概要から具体的な対策まで詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後に、この記事の最も重要なポイントを改めてまとめます。
- 記事のポイント
- BIM利用技術者試験は、2023年に始まった新しい民間資格で、建設業界での注目度が急上昇中!
- 難易度は3段階。特に2級は合格率90%超えで、BIM初心者や初学者に最適。
- 勉強の王道は公式テキスト『建築・BIMの教科書』をマスターすること。過去問はないので、公式サイトのサンプル問題を有効活用しよう。
- 申し込みや結果確認は、全て公式サイトのマイページから。受験を決めたら、まずは登録を!
BIMは、もはや建設業界の未来を語る上で避けては通れないキーワードです。そして、BIM利用技術者試験は、その未来への扉を開くための、とても分かりやすく、そして価値のある「鍵」のような存在です。
この記事を読んで、「自分にもできそうかも!」と少しでも感じていただけたなら、ぜひその気持ちを大切にして、一歩を踏み出してみてください。あなたの挑戦が、素晴らしいキャリアに繋がることを心から応援しています!
より詳細な情報や最新の試験要項については、主催団体である一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)の公式サイトを必ず確認してくださいね。

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