30代でCADオペレーターとして転職しようと思っている人も多いと思います。
今回は、機械や建築など様々な業界の現役30代のCADオペレーター4名の方に、転職事情や実際の仕事内容、辛いこと、年収など赤裸々に語ってもらいました。
これから転職活動をされるかたの参考になれば幸いです。
30代で機械系CADオペレーター+事務職へ転職(38歳男性・正社員)
30前半の時に転職し、CADオペレーターとして製造業(機械)で働いています。
使用ソフトはAutocadとソリッドワークスです。
具体的な仕事内容は、古い手書きの図面をCAD化したり設計変更があれば図面を修正し関係部署に連絡、2Dの図面を3D化し組み立て作業者が分かりやすい仕様書の作成を行っております。
事務的な作業は、現場作業者が、今日一日どんな加工をどれだけやったかを、パソコンに入力したり、消耗品の手配作業等を行っております。
また電話対応もたまにやっております。
年収は350万円です。
手書き図面のCADデータ化がとにかく大変!他部署からの催促も
手書きの古い図面が大量にあるため、見にくい場合があったり、CADを使用して作図していないため、寸法値に矛盾があったりするので、トレースするのに時間がかかり大変です。
また規格も昔と今では変わっている物も多くあり、最新規格を調べ直したりするのも大変です。
設計変更では変更履歴を残さないといけない為、変更箇所が多いと見づらい図面になり作業者からクレームがくるので、気を遣いながら修正をしており、作業内容のわりに時間をかけてしまい、他部署から、いつ図面修正が終わるのか催促がきて苦痛に感じます。
無料のCADデータダウンロードサイトを使って効率化
図面の作図スピードを上げるために、規格品等は使用しやすいようにまとめています。
また無料でCADデータをダウンロード出来るサイトもあるので利用しています。
機械部品等はミスミのダウンロードサイトから、歯車はKHKのサイトを利用しています。
さすがにCADの履歴(フィーチャ)付きのデータはダウンロードできませんが。。
現場作業員とのコミュニケーションが大事
ほとんどがデスクワークな為、夏等暑い時期にエアコンの効いた部屋で作業していると、現場の人から楽しているように見えるようです。
なので、少しでも現場作業員とコミュニケーションを取り、関係を良好に保つためにも自分の手が空いたときは、できるだけ現場作業者の手伝いをし仕事が円滑に進むようにしています。
コミュニケーションを取る事で自分が抱えている悩み等も相談しやすくなり、ストレスも溜まりにくくなります。
派遣のCADオペレーター求人ならリクナビネクストがおすすめ
私はリクナビネクストで、今の仕事を見つけました。
私の場合、派遣でスタートし、今は正社員として働いてきます。
リクナビネクストにはCADオペレーターの人材派遣会社の紹介が多くありました。
私自身もCAD未経験だったのですが、それでも雇ってくれる所も多くあり、入社後も研修があり、あまり不安無く働けました。
リクナビネクストでは人材派遣会社以外の求人情報多数ある為、経験者にもおすすめです。
地方等求人情報が少ない地域に住んでいる場合、自分にあった求人を見つけるのに苦労します。
33歳で設計事務所のCADオペレーター+事務職に転職(38歳女性・正社員)
33歳の時に設計事務所に転職し、主に介護福祉施設などを設計監理する部署に所属しています。
使用ソフトはJWcadで、意匠図面の作成やクロスやタイル、カーテンなどのカラーコーディネート、外壁材などの選定を担当しています。
その他事務作業としまして、確認、完了の書類作成、施主や業者との打ち合わせ議事録の作成、入札に関する書類作成、その他付随する書類作成、電話や来客対応、テナントへの連絡事項など、書類作成を作成する事が多いと思います。
年収は200万円です。
上司が質問しづらいと最悪
上司のタイプによって対応が変わってくるので、上司に合わせるのが大変かなと思います。
分からないことは、その人が一段落したのを見計らってから聞きに行く、など相手の動向を探りながら作業するのも若干苦痛です。
逆に作業中に分からないことがあるとすぐ聞いても良い上司だとやりやすいです。
その他には図面を修正したりもするので、業者から急ぎで修正して欲しい旨の連絡が直接きたりもするのですが、勝手に修正して送ると後々トラブルになる事があるので、必ず代表に確認してから修正などするようにしています。
事務関係では、納期が迫っている図面等がある時でも、電話や来客対応、書類作成などもしなければならず、しかも時間にも追われてパンクしそうになる時もあります。
親ほどの年齢差がある上司には労りの気持ちで接することも
私の場合は上司が自分の親程の年齢なので、労りの気持ち位の感覚で接しています。
そうすると私自身上司に優しくなれますし、何か言われても何クソとは思わず、また老害出てるよ~可哀想に…と上から目線で対処するようにしています。
他にリスク回避として、必ず設計者に確認してから対応をしています。
物件が大きければ大きいほどトラブルが大きくなるので、自己判断で勝手に回答したり進めたりしないようにしています。
納期が迫っているものなどがある場合 は、今自分が抱えている仕事内容を早めに上司に話し、優先順位や猶予時間を相談して進めておます。
図面は最終承認者の責任なのでCADオペの責任は軽い
CADオペの仕事はハローワークや派遣会社のサイトで探しました。
CADオペの仕事を進めるポイントは、図面に対して責任感が無いことです。
トラブルがあったとしても設計者が責任を問われるからです。
しかしダメ上司の場合、図面に不備があった場合はCADオペの責任にされやすいです。
こればかりは会社に入ってみないと分からないので、ダメ上司の場合は、その上の上司にも図面を確認してもらった方が良いと思います。
30代でインテリア系CADオペレーター+事務職に転職(32歳男性・契約社員)
リフォームやインテリア内装を手掛ける建築会社の製図を手掛けるCADオペレーター+事務兼務として働いています。
CADオペレーターの仕事としては、製図なのですが使用ソフトとしては基本的には「VectorWorks」を利用していますが、仕事内容によっては「AutoCAD」などを利用して製図することもあります。
基本的には設計士の図案を元に製図をしていくのですが、図面の作成のみならず図面変更の管理などCAD全般を手掛けています。
年収は500万円です。
インテリアデザイナーを目指したい方は、現役プロが語る、以下の記事もおすすめです。
納期の前倒しによる作業スピードUPが大変
CAD製図で最も辛いのは納期時期に合わせて製図をしていかなければならない点ではないでしょうか。
まだ納期時期が明確に示されているのならまだしも、納期時期が変更になってしまうケースがこの業界では発生します。
既定の納期時期に合わせて作業していたにも関わらず、納期時期が早くなってしまって製図スピードを速めなればならないのはとても辛いです。
しかもCAD製図においてはミスは致命傷になりますから、細心の注意を払って作業せねばならずかなり精神的にも体力的にも辛い面があります。
納期時期が近づいてくると設計士の方もCADオペレーターに対して圧力をかけてきますから、CAD経験が豊富でも納期時期に合わせて仕事する事には慣れていかないのです。
納期前倒しを加味したスケジュール調整とスキルアップが重要
あらかじめ納期時期の前後の時期に余裕を持たせることによって、納期時期が早まった場合にも慌てずに対応することが可能となってきます。
またタイトな納期スケジュールであっても、ある程度の経験や知識があれば対応してくることも可能となってくるのです。
また製図の不明点などを設計士の方に質問しながら調整していくのですが、これが意外と時間が掛かってしまう事があるので、予め不明点をまとめておき設計士の方に聞いておくと納期時期に間際に焦らずに済むことができます。
CADオペレーターの求人は多いが経験者が求められている
私の場合にはリクルートの転職サイトで見つけた求人に応募して採用されましたが、CADオペレーターの求人は多いのであまり他サイトと比較して優位かどうかは分かりません。
CADオペレーターの求人は基本的に経験者を多く採用しているケースが非常に多いので、CADオペレーター未経験者の方は該当する求人を見つけるのに苦労するかもしれません。
30代でアンテナ設計の2DCADオペレーターに転職(31歳男性・派遣社員)
携帯電話のアンテナ設計のCADオペレーターをやっています。使用ソフトは2DCADのJWCADです。
年収は300万円です。
主なCAD作業は以下になります。
- DOCOMOの携帯5Gアンテナの設計図面において新設する個所の撤去、交換をする箇所の色を変える作業
- 上記に伴うマンション、敷地内の製図作業や、その図面のチェック、直し
- 工事に伴う仮設図また足場を使用する際は足場の図面作り
- 新設するマンションに対しての施工、工事案内
- オーナー様への打ち合わせ資料作り
派遣としてCADのスペシャリストを求められる
設計の分野はとても広いので、派遣社員といえども多くの事を知っていなければならず、色々聞かれる事が多く、答えられないと、コイツらダメなやつと周りからは思われてしまう。
それにも関わらず、また会社にもよると思いますが、CADオペレーターは簡単な仕事と周りに思われがちなので嫌みを言われたり、雑用をさせらる事も多いです。
現場の作業者からの理解が得られにくい
1日中座り仕事なので腰、肩、首を痛める事が多いのですが、痛いと言うと、現場の人間の方が重い荷物を運び、熱い中やっていると言われる。
クーラーのかかっている涼しい室内で作業しているというイメージなのでしょう。
設計事務所だと現場との距離があるのかもしれませんが、現場が近い会社のCADオペレーターは上記のような悩みもあると思います。
また派遣社員だとあまり建築やモノづくりの現場に出る機会がなく、そのあたりの対応等が難しいときがあります。
建築士など資格を取りキャリアアップを目指す
色々と理不尽なこともありますが、それらを改善していくための良い方法の一つに建築士などの資格を取る事があると思います。
設計の会社でも建築士の資格を持っている人は少なく、持っているだけで給料も上がり、出来るやつと思われます。
後は正社員になる事も良いかもしれません。ただ責任やCAD以外のこともやる必要が出てくるので、それを耐えきれるなら正社員でもいいと思います。
ただ会社によっては、CADオペレーターの正社員でもボーナスがない会社、給料が上がらないこともあるので気を付ける必要があります。
転職サイトdodaでCADオペの仕事を見つけました
dodaでCADオペの仕事を見つけました。男でも出来るオフィスワークを探しており、楽そうな仕事を探していました。
CADオペレーターは未経験でも出来、基本的に定時で帰れる仕事だと思います。
会社にもよりますが、土日勤務することはほとんどありません。
気を付けるポイントは前述しましたが、昇給があるかどうか?どうやれば昇給できるのか?ボーナスはどれくらいか?は、面接時に確認しておくことが大切です。
dodaはCADオペ案件が多く、当サイトの執筆者たち一押しです。登録して放置でOK!
CADオペレーターの転職のやり方は?
CADオペレーターとして転職する方法は色々とあります。
人生100年時代の30代はまだまだ若いです。色んな可能性があります。
雇用形態で考えても正社員、派遣社員、フリーランスもありますし、全く異業種に転職することも考えられるでしょう。
CADオペレーターの正社員として転職する方には以下の記事がおすすめです。
派遣社員として転職する方には以下の記事がおすすめです。
異業種に転職する方には以下の記事がおすすめです。
最近はCADだけでなくプログラミングもできると人材としての幅が広がります。
CADに必要なプログラミングを学んだり、転職したい人は以下の記事がおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
CADオペレーターの仕事は、業界や会社によってレベルが様々です。
未経験でもできる内容から、経験者でないとできない内容、技術レベルも様々です。
まずは自分の希望とする技術レベルや仕事内容などをある程度イメージし、その後、転職エージェントなどに具体的に相談してみると良いでしょう。
転職エージェントの中でもCADに強いところを選ぶことでミスコミュニケーションが減ります。
CADは専門職なので自分の経験ややりたいことを転職エージェントのコンサルタントに理解してもらうことが転職の第一歩です。
コメント