「CADオペレーターとして働いているけど、このままで将来大丈夫かな…」
「もっと収入を上げたいけど、スキルアップって何をすればいいんだろう?」
「CADとプログラミング、どっちを学ぶのが稼げるんだろう?」
もしあなたが今、こんな風に悩んでいるなら、この記事はきっと役に立つはずです。
結論から言うと、CADスキルを活かして本気でキャリアアップと収入アップを目指すなら、CADプログラミングのスキルを習得することが最強の選択肢です。
なぜなら、CADを使える人はたくさんいますが、その操作をプログラミングで自動化・効率化できる人材は驚くほど少なく、市場価値が非常に高いからです。
例えば、僕の友人にCADオペレーターから一念発起してプログラミングを学んだ人がいます。彼は毎日繰り返していた単純な図面修正作業を自動化するツールを自作しました。その結果、今まで数時間かかっていた作業が数分で終わるようになり、残業はゼロに。空いた時間でさらに新しい技術を学び、今では社内で「業務改善のプロ」として頼られる存在になり、年収も当時から1.5倍以上にアップしたそうです。
もちろん、「プログラミングなんて難しそう…」「CADのスキルだけで十分じゃないの?」と感じる気持ちもよくわかります。確かに、新しいスキルを学ぶには時間も努力も必要です。
しかし、CADオペレーターとしての実務経験があるあなただからこそ、現場の課題を深く理解し、それを解決するための「本当に役立つツール」を作れる可能性があります。CADとプログラミング、この2つのスキルを掛け合わせることで、他の誰にも真似できないあなたの独自の強みとなり、キャリアの選択肢と収入を大きく広げることができるのです。
この記事では、あなたのそんな一歩を応援するために、以下のポイントを詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、あなたの市場価値を高めるヒントを見つけてくださいね。
CADプログラミングの基礎知識|CADオペレーターとの違いとは?

まずは「CADプログラミングって、そもそも何?」という基本的なところから見ていきましょう。CADオペレーターの仕事とどう違うのか、どんなメリットがあるのかを知ることで、学ぶべきかどうかが見えてくるはずです。
そもそもCADプログラミングとは?
CADプログラミングとは、一言でいうと「プログラミング言語を使ってCADソフトの操作を自動化したり、新しい機能を追加(カスタマイズ)したりすること」です。
多くのCADソフトには、「API(Application Programming Interface)」と呼ばれる、外部のプログラムからソフトの機能を呼び出すための「窓口」のようなものが用意されています。
このAPIを利用して、「この図形をここにコピーして」「この部分の寸法を自動で入れて」といった一連の命令をプログラムとして書いておくことで、面倒な作業をコンピュータに任せられるようになるのです。
身近な例で言えば、Excelの「マクロ」や「VBA」をイメージすると分かりやすいかもしれません。あれもプログラミングでExcelの操作を自動化する技術ですよね。CADプログラミングは、そのCAD版だと考えてください。
単純作業を自動化して業務を効率化
CADオペレーターの仕事には、どうしても避けられない単純な繰り返し作業がありますよね。例えば、以下のような作業です。
- 大量の図面に同じ修正を加える
- 決まった形式で寸法を記入していく
- 部品リストや材料表を作成する
これらの作業は、一つひとつは難しくなくても、数が重なると膨大な時間と集中力を奪っていきます。CADプログラミングを使えば、こうしたルーティンワークを自動化するツールを自作できます。
ボタンを一つクリックするだけで、数時間かかっていた作業がほんの数分で完了するようになれば、どうでしょうか?残業が減るのはもちろん、空いた時間をもっと創造的な設計業務や、自身のスキルアップに使うことができます。
カスタムツールを開発して作業精度を向上
CADプログラミングの力は、効率化だけにとどまりません。自社や自分専用のカスタムツールを開発することで、作業の精度を格段に向上させることも可能です。
例えば、「特定のルールに従って自動で配線するツール」や「入力された数値に基づいて最適な部品を自動で配置するツール」などを作ることができます。これにより、人的なミス(ヒューマンエラー)が起こる余地をなくし、誰が作業しても同じ品質を保てるようになります。
設計の品質が安定すれば、会社からの信頼も厚くなり、あなたの評価も自然と上がっていくでしょう。
「CAD」と「プログラミング」はどっちを選ぶべき?

ここで多くの人が悩むのが、「結局、CADとプログラミング、どっちを極めるのがいいの?」という問題です。
結論から言うと、お金を稼ぐ、市場価値を高める、という観点であれば「プログラミング」のスキルを掛け合わせるべきです。
もちろん、CADのスキルを極めて設計者としてトップを目指す道も素晴らしいキャリアです。しかし、一般的なCADオペレーターという職種で考えると、残念ながら供給が多く、単価が上がりにくいという現実があります。
一方で、プログラミングができる人材は多くの業界で求められており、平均年収も高い傾向にあります。
そして、ここが最も重要なポイントですが、「CAD操作を深く理解していて、なおかつプログラミングでその操作を自動化・効率化できる人材」は、本当に希少な存在です。このニッチな領域では、あなたは「替えの利かない人材」になることができます。需要があるのに供給が少ないわけですから、その価値が高くなるのは当然ですよね。
だからこそ、「どっちか」ではなく「両方」のスキルを身につけることが、あなたのキャリアを飛躍させる鍵になるのです。
大事なのは後述もしますが、どちらを先にやるべきか(経験すべきか)?という順番で、私は、CADの仕事をやった後にプログラマーをやった方がキャリアアップがやりやすいと思っています。
これは現場を20年以上見てきて思った答えになります。
CADプログラミングでできることの具体例
「自動化」や「効率化」と言われても、まだピンとこないかもしれません。ここでは、CADプログラミングで実現できることの具体例をいくつかご紹介します。
- 自動作図・モデリング: 数値データや設計ルールを元に、図面や3Dモデルを自動で生成する。
- 定型業務の自動化: 図面枠の作成、表題欄の記入、レイヤー設定、印刷設定などを一括で処理する。
- データ連携・変換: Excelの部品表から情報を読み取って図面に反映させたり、異なるCADソフトのデータを一括で変換したりする。
- 設計チェックの自動化: 設計基準に合わない箇所を自動で検出し、エラーとして表示する。
- シミュレーションとの連携: 設計したモデルを元に、強度解析や熱解析などのシミュレーションを自動で実行する。
これらはほんの一例です。アイデア次第で、あなたの業務を劇的に楽にする様々なツールを作ることが可能です。
CAD/CAMとプログラミングの関係性
製造業、特にものづくりの現場では、CADと対になる「CAM(キャム)」というシステムが使われます。CAMは、CADで作られた設計データ(図面)を元に、工作機械を動かすためのプログラム(NCデータ)を作成するソフトウェアです。
このCADからCAMへのデータ連携や、NCデータ作成のプロセスにおいても、プログラミングは非常に重要な役割を果たします。例えば、特定の加工方法に合わせたNCデータを自動で生成するプログラムを組むことで、加工時間の短縮や品質の安定化を図ることができます。CADとCAM、そしてプログラミングの知識を併せ持つ人材は、製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上で欠かせない存在と言えるでしょう。
3DCADにおけるプログラミングの重要性
近年、建築や製造の現場では2DCADから3DCADへの移行が急速に進んでいます。そして、この3DCADの世界では、プログラミングの重要性がさらに増しています。
例えば、寸法や形状の関係性を定義して設計変更に強くする「パラメトリックモデリング」の自動化、数千・数万点にも及ぶ部品で構成される「大規模アセンブリ」の効率的な管理、建物の情報を一元管理する「BIM」とのデータ連携など、複雑な3Dデータを扱う上でプログラミングの知識は強力な武器となります。
3DCADのスキルだけでも価値はありますが、そこにプログラミングが加わることで、大規模で複雑なプロジェクトにも対応できる高度なスキルを持ったエンジニアとして活躍の場が広がります。
CADプログラミングを学ぶメリット・デメリット
最後に、CADプログラミングを学ぶことのメリットとデメリットをまとめておきましょう。
メリット
- 年収アップが期待できる: 希少価値の高いスキルで、高い報酬を得やすくなる。
- キャリアの選択肢が広がる: CADオペレーターだけでなく、社内SE、ツール開発者、コンサルタントなど多様な道が開ける。
- 単純作業から解放される: 面倒な仕事はプログラムに任せ、より創造的な仕事に集中できる。
- 問題解決能力が身につく: プログラミング的思考を通じて、論理的に物事を考える力が養われる。
デメリット
- 学習コストがかかる: スキル習得には、時間やお金の投資が必要。
- 常に学び続ける必要がある: IT技術の進化は早いため、継続的な学習が求められる。
- すぐに結果が出るとは限らない: 基礎を学んでから、実務で使えるツールが作れるようになるまでには時間がかかる。
デメリットも確かにありますが、それを上回る大きなリターンが期待できるのがCADプログラミングの魅力です。
CADプログラミングの始め方|おすすめ言語から求人情報まで

「CADプログラミングの魅力はわかったけど、じゃあ具体的にどうやって始めたらいいの?」
ここからは、そんな疑問に答えるために、学習のステップやおすすめの言語、そして気になる求人情報について解説していきます。
CADプログラミングでよく使われる言語とは?
CADプログラミングで使われる言語は、使用するCADソフトによって異なります。代表的なものをいくつかご紹介します。
AutoCADなら「AutoLISP」「.NET」
業界シェアNo.1のAutoCADでは、古くから使われている「AutoLISP」という専用言語があります。比較的習得しやすいのが特徴です。また、より本格的な開発を行いたい場合は、Microsoftが提供する「.NET(ドットネット)」プラットフォーム(主にVB.NETやC#という言語を使用)が使われます。
JW_CADで使えるプログラミング言語
無料で使えることで人気のJW_CADには、残念ながらAutoCADのような公式のAPIは用意されていません。しかし、有志が開発した外部ツールを使ったり、他のプログラミング言語から間接的にデータを操作したりすることで、ある程度の自動化は可能です。
汎用性の高い「Python」「C++」
特定のCADソフトに依存せず、幅広い開発に使われるのが「Python(パイソン)」や「C++(シープラスプラス)」といった言語です。
特にPythonは、文法がシンプルで学びやすく、近年多くのCADソフトがAPIをサポートしているため、最初の学習言語として非常におすすめです。AI(人工知能)やデータ分析など、他の分野でも広く使われているため、将来的な応用の幅も広いのが魅力です。
未経験からCADプログラミングを習得する3ステップ

プログラミング未経験者が、いきなりCADプログラミングを始めるのは少しハードルが高いかもしれません。ここでは、着実にスキルを身につけるための現実的な3つのステップをご紹介します。
Step1: CADオペレーターとして実務経験を積む(2年程度)
これが最も重要なステップです。なぜなら、現場で「何が面倒で、何を自動化すれば喜ばれるのか」という課題を見つける力がなければ、いくらプログラミングができても宝の持ち腐れになってしまうからです。
まずはCADオペレーターとして最低でも2年ほど実務を経験し、「この作業、毎週やってるけど自動化できないかな?」「ここの入力ミスが多いから、チェックする仕組みが欲しいな」といった、具体的な課題意識を持つことが大切です。
もう少し補足すると、一般的に企業内ではCADオペレーターとプログラマーの仕事が分かれていて、自動化する案をプログラマーがCADオペレーターにヒアリングし、ツール作成します。
しかし、プログラマーはCAD操作をメインでやったことがないので、CADオペレーターの気持ちになりきれないというか、潜在的なニーズまで感じ取ることが難しいのです。
これは起こりがちなツールの仕様決めの際の問題です。
結果、出来上がったCAD操作自動化ツールが使い物にならない、使い勝手が悪いなどの問題が起こります。
もしプログラマーがCAD操作の非効率なところを知っていれば、簡単に自動化ツールのアイデアが浮かんでくることでしょう。
1番良いのはプログラマーが少しでもCADオペレーターの実務経験を持つことです。
Step2: プログラミングの基礎を学ぶ
現場の課題が見えてきたら、次はいよいよプログラミングの学習です。前述したように、まずは汎用性の高い「Python」から始めるのがおすすめです。Progateやドットインストールといったオンライン学習サイトや、入門者向けの書籍などを活用して、変数、条件分岐、繰り返しといった基本的な文法をマスターしましょう。
Step3: CADのAPIを使って簡単なツールを作ってみる
プログラミングの基礎が固まったら、いよいよ実践です。自分が使っているCADソフトのAPIドキュメント(説明書のようなもの)を読み解きながら、まずは「図形を10個、等間隔に並べる」といった簡単なプログラムから作ってみましょう。
最初はエラーの連続でくじけそうになるかもしれませんが、Step1で見つけた「解決したい課題」をモチベーションに、小さな成功体験を積み重ねていくことが上達への近道です。
CADプログラミングの学習におすすめのソフト
個人で学習を進めるなら、無料で使える、あるいは安価にライセンスが手に入るCADソフトを選ぶのが良いでしょう。
- Autodesk Fusion 360: 高機能ながら個人利用は無料。PythonやC++のAPIが充実しており、学習資料も豊富です。
- FreeCAD: オープンソースで完全に無料。Pythonを使ってカスタマイズが可能で、世界中のユーザーコミュニティも活発です。
- AutoCAD (学生版): 学生や教育関係者であれば、無償でライセンスを利用できます。対象となる方は、業界標準のソフトで学べる絶好の機会です。
CADプログラミング関連の求人動向と年収の目安
スキルを身につけた後のキャリアがどうなるのか、気になりますよね。ここでは、CADオペレーターとプログラマー、そして両方のスキルを持つ人材の年収の目安を見てみましょう。
まず、一般的な求人情報を見ると、CADオペレーターの年収は350万円〜500万円程度がボリュームゾーンです。一方、一般的なITプログラマーの年収は400万円〜600万円程度と言われています。
では、「CADプログラミング」ができる人材はどうでしょうか。求人の数は限られますが、その専門性の高さから年収500万円〜800万円以上といった好条件の募集も少なくありません。特にBIMや3D関連のスキルが加わると、さらに高い年収が期待できます。
実際にどのような求人があるか、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」で確認してみるのも良いでしょう。ここでは、様々な職種の仕事内容や平均年収、求人情報などを客観的なデータで確認できます。
外部リンク: job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
このように、プログラミングスキルを掛け合わせることで、CADオペレーターから大幅な年収アップを実現できる可能性が十分にあるのです。
CADプログラミングが学べるスクールおすすめ
独学でのプログラミング学習に不安を感じる方や、効率的にスキルを身につけたい方には、プログラミングスクールの活用がおすすめです。
残念ながら、「CADプログラミング専門コース」を設けているスクールはほとんどありません。しかし、汎用性の高いPythonなどの言語をしっかり学べるスクールはたくさんあります。基礎をスクールで固め、それをCADに応用していくという流れが現実的です。
ここでは、実績のあるおすすめのスクールを3つご紹介します。
テックアカデミー
完全オンラインで完結できる、人気のプログラミングスクールです。現役エンジニアのメンターが週2回のマンツーマンメンタリングで学習を徹底サポートしてくれます。チャットサポートも毎日対応しているので、分からないことをすぐに解決できるのが魅力。
CADプログラミングを目指すなら、「Pythonコース」や「はじめてのプログラミングコース」で基礎を固めるのが良いでしょう。短期間で集中して学びたい方におすすめです。
DMM WEBCAMPエンジニア転職
手厚い転職サポートで有名なスクールです。未経験からのエンジニア転職に特化しており、専門のキャリアアドバイザーが自己分析から企業紹介まで徹底的にサポートしてくれます。条件を満たせば転職できなかった場合に受講料が全額返金される「転職保証制度」があるのも安心ですね。
チーム開発など実践的なカリキュラムが豊富なので、プログラマーとしての総合的な実力を身につけたい方に向いています。
ディープロ
「本気でプログラマーを目指す人のための」を掲げる、実践重視のスクールです。卒業後も活躍できる即戦力人材の育成に力を入れており、課題解決型のカリキュラムが特徴。受講生同士で教え合う文化も根付いており、切磋琢磨できる環境です。
未経験からでも、腰を据えてじっくりと実力をつけたいという覚悟のある方におすすめのスクールです。
プログラミングスクール比較
3つのスクールの特徴を比較表にまとめました。あなたの目的やライフスタイルに合ったスクールを選んでみてください。
| スクール名 | 特徴 | 学習形式 | サポート体制 | おすすめな人 |
| テックアカデミー | 短期集中、オンライン完結、マンツーマンメンタリング | オンライン | 週2回のメンタリング、チャットサポート | 働きながら効率的に学びたい人 |
| DMM WEBCAMP | 手厚い転職サポート、転職保証制度 | オンライン/オフライン | キャリアサポート、チャットサポート | 未経験からエンジニア転職を目指す人 |
| ディープロ | 実践的なカリキュラム、即戦力育成 | オンライン/オフライン | 課題レビュー、コミュニティ | 本気でプログラミングを仕事にしたい人 |
まとめ:CADプログラミングで市場価値の高い人材を目指そう
今回は、CADオペレーターからのキャリアアップとして、CADプログラミングという選択肢を深掘りしてきました。
最後に、この記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- CADプログラミングとは、CAD操作を自動化・カスタマイズする技術のこと。
- 単純作業の効率化や、作業精度の向上に絶大な効果を発揮する。
- 稼ぐという点では、CADスキルとプログラミングスキルを掛け合わせるのが最強。
- 「CADが分かり、プログラムも書ける」人材は非常に希少で、高い年収が期待できる。
CADオペレーターとしてのあなたの経験は、決して無駄にはなりません。むしろ、その経験があるからこそ、プログラミングを学ぶことで何倍もの価値を生み出すことができます。
もちろん、新しいことを学ぶのは簡単ではありません。しかし、日々の単純作業に追われる毎日から抜け出し、自分の手で業務を改善していく面白さ、そして市場価値の高い人材として評価される喜びは、学習の苦労を乗り越えるだけの価値が十分にあります。
この記事が、あなたの新しい一歩を踏み出すきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。



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