一級建築士は建築に関する国家資格で、一級建築士試験に合格し、かつ一定期間の実務経験を積んだ人に与えられる資格です。
一級建築士の資格を得ることで、建築物の規模に関係なく設計・監理業務ができるようになります。
一級建築士の仕事は非常に多岐にわたり、設計・監理業務のほか、現場管理業務、建築材料の生産業務などに当たる人もいます。
今回は一級建築士であるワタシが、一級建築士が持つ10個のすごさやメリットを紹介します。
一級建築士になるための失敗しない学校選びや効率的な勉強法については以下の記事にまとめてありますので参考にして頂けると幸いです。
一級建築士が持つ10個のすごさやメリット
他人に自分の技術力を明示できる
一級建築士といえば、建築業界に従事する人はもちろん、そうでない人からも一目置かれる存在です。
一級建築士試験は1次試験と2次試験に分かれており、1次試験では、建築に関わる5つの分野(計画、環境・設備、法規、構造、施工)から問題が出題され、その全ての分野において一定以上の得点を得る必要があります。
また2次試験では、その知識をベースに、当日出される課題に対して4時間半で設計を行い、図面を完成させます。
加えて、一級建築士は一定期間以上の実務経験を積んだ人のみに与えられる資格です。
そのため、建築に関する幅広い知識を持ったエキスパートといえるでしょう。
年収アップ
一級建築士を取得すると、多くの企業で資格取得への報酬金や、資格手当として給与への上乗せがあります。
金額は企業によってまちまちですが、年収アップへつながることが多いです。
専門知識を活かして副業で稼げる
建築士は専門職です。
それを活かして、土日や隙間時間を使って副業しましょう。
実務で身に付けた建築の知識やCADやBIMを使った図面作成、や資格取得アドバイスなどを必要としている人は結構多いと思いますよ。
以下に建築士におすすめの副業や詳しいやり方をまとめてありますので是非参考にしてみて下さい。
転職に有利
一級建築士は、建物の構造や規模に制限なく、すべての建物の設計業務・監理業務を行うことができます。
同じ建築士である、二級建築士や木造建築士には、設計できる建物の構造や規模に制限があるため、業務に制限がない一級建築士は、各企業にとって貴重な人材です。
また一級建築士という資格は、上述した通り、知識や実務経験があることの証明になるため、転職には大きな武器となります。
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一級建築士の偏差値66
様々な資格や試験の難易度を偏差値で表している『資格の取り方』というサイトを参考に、他の資格との難易度を比較してみたいと思います。
各資格や試験は、分野や試験方法もそれぞれ全く異なるため、一概に比較できるものではありませんし、偏差値はサイト独自のものと明記されていますが、非常に多くの資格の難易度を比較しているため、一定の信頼性があると判断しました。
以下の表は、そのサイトからの引用抜粋です。
資格名称 | 偏差値 |
公認会計士 | 77 |
司法書士 | 76 |
税理士 | 75 |
医師 | 74 |
技術士 | 70 |
獣医師 | 67 |
一級建築士 | 66 |
社労士(社会保険労務士) | 65 |
気象予報士 | 64 |
歯科医師 | 63 |
薬剤師 | 62 |
管理栄養士 | 62 |
行政書士 | 62 |
宅建(宅地建物取引士) | 57 |
二級建築士 | 56 |
建築施工管理技士1級 | 55 |
一級建築士の偏差値は66です。
因みに最難関は司法書士で、偏差値は77です。
一級建築士は社労士や気象予報士より少し難易度が高いという位置づけになっています。
同じ建築士である二級建築士と比べると、かなり難易度が高いことが、偏差値から見て取れます。
また、建築施工管理技士は現場管理に関する資格です。
こちらは建築業界でも施工分野に特化した資格であり、主に現場監督として働く人が取得を目指す資格ですが、分野が限られる分、建築士よりは難易度が低いといえるでしょう。
このように、有名な国家資格と比較しても、一級建築士は難易度の高い資格であるといえます。
さらなるステップアップを目指せる
一級建築士は建築業界の最高峰の資格ですので、他の資格試験受験時には、試験科目の免除等の措置が取られていることが多いです。
例えば、図面から工事に必要な材料を読み取り、その数量と金額を計算する積算という業務がありますが、この業務のエキスパートであることを示す「建築積算士」の資格試験では、一級建築士保有者であれば1次試験が免除となります。
また、現場管理に特化した資格である「1級建築施工管理技士」の試験も、一級建築士保有者は1次試験免除となっています。
さらに一級建築士の上位資格として、設備設計一級建築士、構造設計一級建築士という資格があります。
これらは、それぞれ、設備設計・構造設計に特化した一級建築士の資格であり、一定の規模以上の建物の設計には、「設備一級建築士」「構造一級建築士」の関与が必要になります。
これらの資格は、一級建築士取得後5年間、設備設計・構造設計の実務経験を積んだ後、講習を修了した人のみが得ることができます。
このように、一級建築士保有者は他の資格試験の受験に有利であったり、さらに専門性の高い資格の要件であったりするため、さらなるステップアップを目指すことができます。
業務の幅が広がる
建築士であっても、二級建築士や木造建築士の場合、設計できる建物の構造や規模に制限がありますが、一級建築士にはこれらの制限がありません。
住宅であれば、二級建築士でも設計・監業業務が行えるため、ハウスメーカーなどでは業務の幅の広がりは感じられないかもしれませんが、設計事務所やゼネコン勤務の場合、自分の名前・資格において行うことのできる業務の幅が広がります。
より大きな建物に携わることができることは、建築業界で働く中でのやりがいとなる人も多いですから、業務の幅が広がることは一級建築士取得の大きなメリットといえます。
手描きの図面が描ける
建築業界で働いていれば、図面を見る機会がない人はいないでしょう。
設計に限らず、現場監督であっても、仕事を進める上で、ほかの人とのコミュニケーションに図面を使用します。
図面作成はCADと呼ばれるソフトで行うのが主流ですが、打ち合わせの場で、手描きの図面をサッと描いて相手に伝えるというシチュエーションも珍しくありません。
一級建築士試験の2次試験は、設計製図の試験です。
この試験では手描きで図面を作成しなくてはなりません。
試験時間4時間半で設計~作図までを行うため、2~3時間ほどで図面を描き上げる必要のある、かなりハードな試験です。
一級建築士はこのような試験の合格者ですから、手描きの図面を描くスピードも速く、かつ綺麗で見やすい人がほとんどです。
手描き図面の速さ・美しさは、試験で求められるスキルの一つですが、実務においても大きな強みとなります。
設計者として名前が残る
一級建築士でなければ設計できない規模の建物を設計する場合、図面をはじめとした設計図書に、一級建築士資格の保有者の名前が明示されます。
一級建築士資格を得る前は、他の一級建築士の設計補助として設計業務に携わる人が大半でしょうから、設計図書に自分の名前が明示され、自分の資格の元に設計に当たることができることは、非常に誇らしいことであるといえるでしょう。
建築業界で働く上で一つの区切りとなる
一級建築士は、他の国家資格と同様に、資格保有者でなければできない業務があります。
そのため、一級建築士資格の取得は一つの目標ではありますが、そこがゴールではなく、資格を得た時に初めてスタートラインに立ったといわれるような資格です。
しかし、上述したように難易度の高い試験であることや、資格取得には、試験に合格するとともに、学歴等に応じて最低でも2年の実務経験が必要であることから、建築業界に身を置く中で、一級建築士資格を得ることが一つの区切りであると考える人が多いです。
一級建築士は、他者からの評価はもちろん、自分にとっても一定のレベルに到達できたと自己評価できる資格です。
知識や技術の更新
建築業界の環境は日々変化しており、法令も改正されますし、新しい材料や技術も出てきます。
そのため、建築士は常に最新の知識や技術を持っている必要があります。
そのため設計事務所に所属する建築士は、3年ごとに定期講習を受講する必要があり、そこで建築士の技術や知識の更新をしています。
建築に関わるエキスパートとして、常に最新の知識と技術を持って業務に当たっています。
一級建築士の合格率や難易度は?
一級建築士試験は、毎年25,000~30,000人程度が受験しています。
以下に国土交通省の情報から直近5年間の受験者数と合格率を示します。
| 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |||||
学科 | 製図 | 学科 | 製図 | 学科 | 製図 | 学科 | 製図 | 学科 | 製図 | |
実受験者数(人) | 25,878 | 9,251 | 25,132 | 10,151 | 30,409 | 11,035 | 31,696 | 10,499 | 30,007 | 10,509 |
合格者数(人) | 4,742 | 3,827 | 5,729 | 3,571 | 6,295 | 3,796 | 4,832 | 3,765 | 6,289 | 3,473 |
合格率(%) | 18.3 | 41.4 | 22.8 | 35.2 | 20.7 | 34.4 | 15.2 | 35.9 | 21.0 | 33.0 |
総合合格率(%) | 12.5 | 12.0 | 10.6 | 9.9 | 9.9 |
一級建築士試験には、1次試験(学科試験)と2次試験(設計製図の試験)があります。
学科試験の合格率は例年20%程度、設計製図の試験の合格率は例年30~40%程度です。
総合合格率では10~12%程度とかなり低く、その難易度の高さが見て取れます。
まとめ
一級建築士は難易度の高い資格であると同時に、そのメリットやすごさも多くあります。
建築業界最高峰の資格ですから、資格を得ることで建築業界でより有利に働くことができる資格であるともいえます。
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