たまにネットでCADオペレーターという仕事が底辺なのかどうか?という議論をしているのを見かけます。
皆さんはどう思いますか?
これからこの仕事に就きたい人も、現役として働いている人も気になるところですよね。
確かに上を見たらキリがないとは思いますが、底辺なのかと言われるとどうなの?と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
そこで、業界20年以上の筆者が、CADオペレーターが底辺と言われる理由は何のか?実態はどうなのか?将来性はあるのか?など正しくお伝えしたいと思います。
今でも多くのCADオペレーターと接している業界20年以上の専門家が解説します。
CADオペレーターが底辺と言われる6つの理由
ネットの投稿では、CADオペレーターが底辺の仕事である理由として以下のように主張していました。
- 派遣など非正規労働者が多い
- 給料が安い
- 単純作業の繰り返しのイメージ
- 設計の小間使いで見下される
- 技術進化に追いつけない恐れ
- 将来性への不安
上記の主張に対して、一つずつ見ていきましょう。
派遣など非正規労働者が多い
派遣社員が多いかというのは、確かにそうかもしれません。
理由は、CADオペレーターの仕事は忙しさに山谷があるため、社員として雇ってしまうとリスクがあると考える会社も多いためです。
建築業界でも機械業界でも製品や部品の出図を行いますが、その間際はCADオペレーターは忙しくなります(=山)が、それが過ぎると暇(=谷)になったりもします。
そういった事情はあるものの、そもそも派遣=底辺は言いすぎな気がします。
あとは派遣の場合、プロジェクト単位での雇用が一般的で、契約が終了すれば次の仕事を探す必要があります。
そういったところに不安定さを感じ、正社員に比べ収入が安定しないと言われたりもします。
派遣のCADオペレータの年収は300~400万と言われています。
国税庁によると令和3年の日本人女性の平均年収は302万円(賞与含む)と発表されていますので、それと比較しても平均同等もしくはそれ以上と言えます。
逆に手に職がある派遣のCADオペレーターは立派なプロフェッショナルと呼べると個人的には思います。
給料が安い
まず給料が安いということですが、CADオペレーターの平均年収は約350~450万円と言われています。
一般的にCADオペレーターは女性が多く活躍している職業ですが、女性全体の平均年収に比べるとこの平均年収は高い方だと言えるでしょう。
派遣社員の平均時給は1,797円、アルバイトの平均時給は1,195円となっています。
平均年収350~450万を月給換算すると29.1~37.5万円となります。
いかがでしょう?これって底辺の収入と言えるでしょうか?
確かに上を見ればキリがないのですが立派に稼いでいると言えるのではないでしょうか?
そもそも底辺と言われる職業の給料ってどれぐらい?という定義も怪しいですが。
単純作業の繰り返しのイメージ
CADオペレーターは設計者の指示を元に、ソフトを使って図面化する仕事です。
日々同じような作業を繰り返すことが多く、単調で創造性が求められないと感じることがあります。
特に、以下のような手順が決まったルーティン作業に多くの時間を割く場合、仕事にやりがいを感じにくいことがあります。
- 図面チェック
- フィレット付け(R付け)
- 線削除
- 図面の見栄えを整える
上記のような作業をパソコン上で繰り返すことで目、肩、腰に疲労がたまり辛いという声をあるは事実です。
ただ現代はどの仕事もパソコンは使いますし、上記のような疲労を軽減する必要性はどの仕事にもあると思います。
設計の小間使いで見下される
CADオペレーターは、設計者の補助的な役割と見なされることが多く、他の専門職と比較して評価が低い傾向にあります。
これは自分で設計するわけではなく、設計者の指示がないと図面が描けない=仕事が先に進まないからかもしれません。
そういった立場から設計者からは言われたことを忠実に、正確にやってくれれば良いとなり、単なる作業者と思われがちです。
図面がないと、モノづくりは先に進みませんし、設計図を正確に作成することは非常に重要な業務でありながら、その重要性が広く認識されていない場合が多いです。
技術進化に追いつけない恐れ
CADソフトウェアや設計技術は日々進化しており、業界では最新技術への対応が求められます。
最近で言えばBIM、CIM、3D図面などでしょうか?
CADオペレーターはこれらの変化に追いつくために、常にスキルを磨き続ける必要があります。
しかし、忙しい業務の中で新しい技術を学ぶ時間を確保するのは容易ではないです。
その結果、スキルが時代遅れになることへの不安が増し、「陳腐化」のリスクが職業全体のイメージを悪化させる要因となるのかと思います。
ただどの職業でも新しい技術は出てくるので、それを上手くキャッチアップしていかなければ人材価値としては下がってしまうと思います。
将来性への不安
AIや自動化技術の進化により、CADオペレーターの業務が一部自動化される可能性が指摘されています。
特に、簡単な作図作業や反復的な業務は、AIやスクリプトに置き換えられるリスクがあります。
このため、将来的に仕事が減少するのではないかという懸念を抱く人も少なくありません。
こうした技術革新に対応するためには、新しいスキルの習得が必要ですが、それが負担に感じられることも、将来性に対する不安を助長しています。
確かにAIが発展してきており、仕事がAIに代替されるのでは?という心配がありますよね。
この辺りはCADオペレーターに限ったことではないのと、後ほど、持論を展開したいと思います。
CADオペレーターのキャリアパスと将来性
AIに代替される職業?
CADオペレーターは将来なくなってしまう職業なのでしょうか?
確かに最近はAIも進化している中でこの仕事は、「人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業」の一つに挙げられています。
ただ、CADオペレーターの仕事は以下のように多岐にわたります。
そのいくつかは確かにAIなどで自動化されるのは確かだと思いますが、すべてがAIに代替されることはないと思っています。
- 図面作成、図面チェック
- 設計者とのコミュニケーション
- 部品間の整合性チェック
- 製造工程の織り込み
AIに代替される、されないの議論は、その職種全体について語るより、その職種のタスクまで分解して、代替される、されないの議論をすることが重要だと思っています。
新しい技術を習得できれば希少価値間違いなし
CADの技術は、2Dから3Dに移行しています。メタバースという世界に3Dは不可欠です。
それだけでなく、建築ではBIM、土木ではCIM、機械では3D図面、といって3Dモデルに様々な付加情報を持たせ、それにより後工程の自動化を目指す技術も出てきています。
BIMや3D図面については以下の記事に詳細がありますので参考にして頂ければと思いますが、業界の動向に合わせ、既存のCADオペレーターも新しい技術を覚えて存続していく必要があります。
古い技術のままでは淘汰される可能性は否定できません。
逆に言えば、新しい技術はこれらの新しい技術はまだまだ使える人は少ないので、今から身に付けておけば希少な人材にあるのは間違いありません。
CADオペレーターの将来性ついては以下に詳細に書いてあるので参考にしていただければと思います。
副業と相性バッチリで稼げる可能性大
CADオペレーターが素晴らしいのは手に職があるため副業と相性が良いです。
企業内で技術を磨いたら将来的には副業しましょう。稼いでいる人も多いですよ。
最近は家のパソコンでも問題なく動くCADも多いので、副業もやりやすいです。
更にクラウドテック、クラウディア、クラウドワークスといったクラウドソーシングというサービスの浸透で、個人でも簡単に副業案件を探し、仕事を受けることができます。
私の周りでもCADの副業で月5万稼いでいる人は結構います。月〇万円も。。。
副業で稼ぐコツは、依頼主から信頼を勝ち取ることで継続して依頼してもらえるようになります。
そうなると報酬も安定してきますよ。
以下にも、副業のやり方などを詳細に書いてあるので参考にしていただければと思います。
最終的には年収1000万だって不可能ではないですよ。
以下には具体的に年収1000万円を目指す方法についてまとめてあります。
CADオペレーターとして成功するためのスキルと心構え
成功している人、向いている人の特徴
筆者が多くのCADオペレーターと接してきて感じている「向いている人の特徴」をざっと挙げると以下のような感じです。
- 集中力がある人
- 地道な作業が好きな人
- モノづくりが好きな人
- コミュニケーション能力・提案力
特に設計者でも気づいていない、周辺部品との不整合や隙干渉問題などを提案してくれる方は非常に重宝されます。
そういった意味でもコミュニケーション能力や提案力が必要で、会話が苦手であったり、人と会うのを避けるといった一般的に言われるコミュ障だとトップレベルになるのは厳しいとは思います。
以下にも、どんな人がこの仕事に向いているのか?を詳細に書いてあるので参考にしていただければと思います。
資格取得やスキルアップをする
CADオペレーターとして長く活躍するためには資格取得やプラスαのスキルが必要です。
資格も働く業界によっても代わってきますし、必要なスキルも代わってきます。
不必要な資格やスキルを身に付けてしまっては時間の無駄ですよね。
以下の記事にCADやBIMの資格、プラスαのスキル、それらの勉強方法などをまとめてあるので、参考にしていただければと思います。
転職を成功させるにはコツがある
今まではCADオペレーターが底辺の職業ではないということを解説してきました。
これからこの仕事に就こうとしている人も、現役の方も自信を持って良いと思います。
最後にCADオペレーターの転職を成功させるためのコツを紹介して終わろうと思います。
人生は長いようで短いです。
好きでもない仕事や職場で多くの時間を費やすほど不幸なことはありません。
現状の仕事に満足していない場合は転職を考えてはどうでしょうか?
転職はタイミングが大事なので、まずは仮の転職活動としてでも一歩を踏み出すことが大事だと思います。
以下の記事に転職を成功させるために転職サイトや転職エージェントの違いや活用方法、全国のおすすめの派遣サイトなどをまとめてあります。
転職を成功させるコツは、記事内の転職エージェントなど複数に登録することです。
それにより以下のようなメリットがあります。
- 複数のキャリアコンサルタントのアドバイスや業界動向を聞ける
- 複数に登録することで自分に合った会社に出会える確率が高くなる
上記を参考にして頂き、キャリアアップや年収アップに向けて是非、動いて頂ければと思います。
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