3Dプリンターは敷居が高いように感じるかもしれませんが、レンタルしてくれる場所も増え、家庭でも購入できる価格のプリンタも増えてきました。
実際に使用してみると、自分がモデリングしたものが実物になる喜びはひとしおです。
今回は本サイトの編集長や記事執筆者が、それぞれ持っている3Dプリンターで作成した実用品を写真付きでご紹介します。
使用した3Dプリンターや3DCADの情報もセットでお伝えします。
3Dプリンターで印刷するために2種類のソフトが必要
3Dプリンターが敷居が高いと感じてしまう要因に、3Dプリンターをやっている人は当然知っていることですが、3Dプリンターの使い方以外にも覚えることがあることです。
代表的なものに3Dプリンターで印刷するために以下の2つのソフトを覚える必要があります。
- 3DCADソフト
- スライサーソフト
3DCADソフトは3Dプリンターを印刷するための3Dデータを作成するソフトで、スライサーソフトは、3Dモデルデータを3Dプリンターで出力できるデータに変換するソフトです。
どちらもフリーのものがあるので、それで十分です。
本体の使い方と同様に慣れるまでは使い方を調べながらやることになりますが、今はインターネットに様々なノウハウが公開されていますので、少し勉強すれば問題なく使えるようになります。
3DCADソフトとスライサーソフトを比べると、3DCADの方が覚えるのに時間がかかります。
それは形状にもよりますが、3DCADの機能を覚えて作りたいものの形状をパソコン上で作る必要があるからです。
まずは簡単なものから何個も作成してみて、頭でイメージしたものを3Dデータで作成できるように繰り返し練習することが大切だと思います。
私がおススメする3DCADは無料で使えるAutodesk社のFusion360です。
3Dプリンターの全体像や種類、おすすめについては以下の記事も参考にしてみてください。
3Dプリンターでイヤリングを作成した事例
今日はこれを造形。イヤリングだけどバラには見えないかな?#3Dプリンター #ender3v2 pic.twitter.com/kLjc6A4cyD
— ドロバカ日誌 (@fpv_enjoy) February 7, 2021
妻に頼まれてイヤリングを3Dプリンターで印刷しました。
元の3Dデータは以下のThingiverseというサイトで無料でダウンロードしました。
このイヤリングをベースに妻がちょっとした金属系のものを組み合わせてオリジナルなイヤリングとして使っています。
3DプリンターはEnder3 V2を使用
さー何作ろうかな?#ender3 v2 #3dプリンター pic.twitter.com/2DeGzJWrVz
— ドロバカ日誌 (@fpv_enjoy) January 31, 2021
3Dプリンターは人気のEnder3 V2を使いました。イヤリングの印刷時間は10分ぐらいでした。
このEnder3 V2は組み立て式なのですが、なんといっても2万円ちょっとで買うことができるので、おすすめです。
組み立てかたも今は以下のようなサイトにノウハウが掲載されているので、組立が面倒でない人には楽しめるでしょう。
もちろん、すこし価格は上がりますが、Adventure3のような組み立て式でなく完成版の3Dプリンターもあります。
3Dプリンターで子供用名前スタンプを作成した事例
保育園への登園用に子供のおむつへ記名する名前スタンプが必要になり、3Dプリンターで作成してみようと挑戦してみました。
はっきりと記名できるよう、市販されているスタンプよりも大きめで、スタンプ作業がしやすいように握りやすい手のひらほどのサイズ感でデータを作成していったところ、3Dでのプリント時に想定以上の時間がかかりました。
シンプルな形状だったため、1時間くらいでプリント作業は終わるかと予想していましたが、結局倍以上(2時間程)の時間がかかりました。
3Dモデルは3DCADのライノセラスでモデリングしました。
カインズホームでダヴィンチ1.0 Pro 3in1をレンタルし使いました
ダヴィンチ1.0 Pro 3in1はカインズホームのカインズ工房にてレンタルしてもらえます。
人気の3Dプリンターなので個人で持っている方も多い機種です。
カインズホームではPLA樹脂代込みで30分350円と安価に使用できます。
プリンターに接続済のパソコンも使用出来るので、データを持参すればすぐに使用できます。
3Dプリンターが欲しいけれど、まずは試してみたいという方にはおすすめです。
プリンター自体は大きいですが、稼働中の音はさほどうるさくありません。
3Dプリンターでクッキー型を作成した事例
子供のためにクマのクッキーを作った事例です。
こちらもカインズホームの3Dプリンターを使った事例です。
CADはライノセラスを使用しています。
上記の画像のようにクッキーの方をライノセラスを使ってモデリングし、その後、クッキーの生地を流せば完成です。
初めてでも問題なくできるとのことで、以下に詳しい作り方などは掲載してあります。
3Dプリンターで壁掛けカメラホルダーを作成した事例
子供が生まれて家の中でも家族写真を撮る機会が増えました。
家具の上に置いても丁度良い構図(視野角)にならないので、カメラを壁掛けして狙った向きに固定できるホルダーを作りました。
カメラの形状やサイズに合わせた形にすること、カメラが狙った向きになるように微調整できる構造に設計することが苦労しました。
3DプリンターはAdventurere3を使用
FLASHFORGE社Adventurere3の良い点は以下です。
- 組み立て式ではなく直ぐに使える
- 比較的トラブルが少ないので初心者にオススメ
- 他社製フィラメント使用可能
- 印刷の詳細な条件設定も選べるので中級者も満足に使える
悪い点は、ステージの水平出し調整が難しい、フィラメントが500gの専用リールしか入らないので1kgで使いたい場合は別途にフィラメントホルダーが必要なところです。
3Dプリンタがあれば、今回のように世の中にありそうで無いもの、自分の好きなようにカスタマイズしたいものを、複雑な形状でも簡単に作れるのが最大のメリットだと思います。
もし3Dモデリングに自信が無くても(英語も含めて)検索すれば、自分と同じようにカスタマイズしたい人が作った3Dモデルを公開してくれている事が結構あるのでダウンロードして3Dプリントする事も可能です。
3Dプリンターでサムターン回し防止カバーを作成した事例
空き巣の手口にサムターン回しというやり方がありますが、それを防止するためのカバーを3Dプリンターで作りました。
サムターン回しとは以下のように玄関のドアに穴を開け、特殊な器具を使って鍵を開ける犯罪の手口です。
3DプリンターはVoxelab Aquilaを使用
私がサムターン回し防止カバー作成に使った3Dプリンターは、Voxelab Aquilaというものです。
おすすめなところは、とにかくコストパフォーマンスが良い。
最大印刷サイズが 220 * 220 * 250mmとさほど小さくはないのに2万円ほどで購入出来ました。
あと、音が静かです。
ベット(土台)の水平出しが大変
これは安価な3Dプリンターに共通して言えることですが、ベット(土台)の水平出しが大変です。
材料を噴射するノズルとベットの距離がどの位置でも一定でないと上手く印刷できません。
大きいものを製作しようとすればするほど調整がより正確に必要になります。
ちなみにその水平出しのやり方は取扱説明書に十分な解説がありません。
また取扱説明書が英語です。なんとなく絵が書いてあるので全く英語が出来なくてもなんとかなりますが、英語が得意な人の方がスムーズに組み立てられます。
3Dプリンターでフィギュアを作成した事例
3DCGソフトのZBrushを使用して、フィギュアを作っています。
上記は、少し前にニュースで話題になった、屋根に刺さったアライグマのフィギュアです。
色々なところに刺さったように見せかけておけます。
3DプリンターはPhrozen sonic mighty 4kを使用
このプリンターは光造形式で、比較的大きなプラットフォームですが安価できれいに出力できるのがおすすめです。
更にフィギュアの場合、表面がより滑らかなほうが良いので、熱溶解積層方式(FDM方式)より光造形式がおすすめです。
そこでZbrushにおすすめの3Dプリンターとして、私はPhrozen sonic mighty 4kを使っています。
露光時間は2秒と短いので巷では爆速などと言われて売られてましたが、2年前のanycubic photon(露光8秒)とくらべてアームの動きが遅いので結果時間がかかるのが困る点ですが、品質は満足しています。
光造形式を使用するなら、水洗いレジンを使用することをおすすめします!
通常レジンに比べて印刷後の処理や後片付けがかなり簡単なため、3Dプリンタを使用することが面倒になりません!
ZbrushとPhrozen sonic mighty 4kを使ったフィギュア作成については以下の記事も参考にして頂ければと思います。
3Dプリンターでエンブレムを作成した事例
Fusion360で2輪車用のエンブレムをモデリングし、3Dプリンターで印刷しました。
このエンブレムはエンジンスワップした2輪車に使うもので、車体に取り付けた時のサイズ感、車体とのバランスやマッチングを想像しながら製作するのが大変だった。
CAD上で見てるサイズ感と、実物とはすこし違いがあり、特に文字や数字はボケてしまうことが多いので、サイズを大きめにしたり、くっきりとしたフォントを選んだり、押出量を調整するなどの工夫をしました。
3DプリンターはAnycubic Mega Sを使用
3Dプリンターは、Anycubic Mega Sを使用しました。
Amazonにて、4万くらいで購入しました。
安価ながら多種なフィラメントに対応でき、設定次第では精度の高いものが作れます。
少し調べると改造などの情報も豊富で、スイッチとモーターによるシンプルな構造なのでカスタマイズしてる方も多いです。
シンプルゆえ耐久性も高く、今のところ、故障もなく作動しています。
オープン型なので、テーブルと雰囲気温度の安定に一工夫必要だが、PLAやPETGのように温度の許容があるものは、ABSほど気を使わずとも使えるところも敷居が低い。
製作サイズが割と大きく、分割せずとも作れるのも嬉しいところです。
3Dプリンターでロボットアームを作成した事例
RaspberryPiやサーボモーターと組み合わせてロボットアームを作りました。
アームのデザインを検討するときに、サーボモーターとアームをどうやって取り付ければきれいにできるのかを考えるのに時間がかかりました。
ネットにはロボットアームの3Dデータがいくつも転がっていたので、それらをダウンロードして利用するという手もありましたが、勉強のためにすべて自分でデザインしてみました。
さらに、土台部分は水平に回転させたかったのですが、上に乗っているアームをサーボモーターだけで支えると、アームの前方の重心が大きくなって傾いてしまいました。
そのため、回転部分と土台部分を別の部品にして歯車を介して動力を伝えることで、傾きをある程度は解消できました。
3DCADは無料で使え初心者向けのDesignSpark Mechanicalを使いました。
年齢50歳、3DCAD未経験の私でも上記をモデリングするのに半年ぐらいでできました。
3DプリンターはEnder3を使用
Ender3のおすすめなところは、以下です。
- 組み立てが簡単(説明書の通りに組み立てることができました)
- 値段がお手頃
- メジャーな機種なようで、ネットに使い方などの記事が豊富
このEnder3の上位機種としてEnder3 ProやEnder3 V2があります。
私はEnder3 V2を持っています。
組立式ですが、2万円ちょっとで買え、性能も申し分ないです
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は3Dプリンターで作った実用的な作品集をご紹介しました。
3Dプリンターや3DCADが使えると趣味の範囲も人がりますし、副業などで稼ぐことも可能です。
気になる方は是非挑戦してみてください。
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