メタバースとは何のこと?
今話題のメタバースってご存じですか?メタバースって最近たまに聞くけどなんぞや?
Facebookが社名を“メタ“にしちゃったけど何か関係あるの?という方も多いはず!
そこで、今回はメタバースと、我々3DCGクリエイターのビジネスチャンスについて私見を交えながら予想、解説していきたいと思います!
メタバースとは
メタバース(Metaverse)とは、いろいろと人によって定義は異なりますが、基本的にインターネット上に3DCGで構築された、仮想空間のことです。
自分の分身となるアバターを使ってその仮想空間に入ることにより、現実世界ではありえない事象を疑似的に体験することができます。
もともとは、1992年、アメリカのSF作家ニール・スティーヴンスンによる著作、『スノウ・クラッシュ』の中に登場した、インターネット上の仮想空間のことで、メタ(Meta-)とユニバース(universe)の合成語です。
ちなみに、日本では『スノウ・クラッシュ』は2001年4月に早川書房から文庫本として出版されていますので、興味のある方は読んでみてくださいね!
メタバースで世界がどう変わるか?
メタバースで一体、何がそんなに変わるの?って思いますよね。
先述した内容でお気づきの方も多いと思いますが、メタバースと呼べるものは実は過去にも多く出てきています。
ではなぜ、今メタバースが熱いのか、解説していきます。
VR技術の進化により仮想空間でのコミュニケーションの円滑化
VRやAR、MRとか、皆さん聞いたことあると思います。
そのVR(Virtual Reality)の技術が実用できるレベルまで進化してきたことが一番大きいのではないでしょうか。
VRが実用化される前は、ヴァーチャルの世界に没入感を出そうと、画質を向上したり、音源を工夫したりとしていましたが、結局のところ視覚情報は平面から得られる二次元のものでした。
そのため、頭を動かし視線を外せば画面に映ったものは見えなくなるように、脳は画面外の空間も同時に認識してしまい、いまいち世界にのめり込むのは難しいものでした。
しかし、VRゴーグルを利用すれば、ヴァーチャル空間以外の視覚、聴覚の情報はほぼ遮断され、さらに頭や体の動きに合わせ、見える情報を変化させることができるようになり、あたかもその空間に入っているように疑似的な体験ができるほど、技術が向上しました。
また、表情や身振りなどを追随してアバターに反映させる技術も進化し、仮想空間内でのコミュニケーションが、現実世界のコミュニケーションと遜色ないものになってきたというのも大きなポイントです。
ブロックチェーン技術の活用によるデータの資産化
仮想通貨のお話でよく出てくるブロックチェーン技術ですが、何も通貨だけの技術ではありません。
ブロックチェーンを用いたNFT(非代替性トークンnon-fungible token)という方式のデジタルデータは、複製されず、唯一のものであるという担保ができるようになったものです。
従来のデジタルデータは原則複製可能で、複製したものはオリジナルとまったく違いはありませんでした。
そのため、唯一性のないデジタルデータの価値は評価されづらいものでありました。
しかし、NFTのデータは、世界に有限であることが担保されているため、そのデータ自体に希少価値が生まれます。
この技術を利用することにより、仮想空間でのデータ(アバターや所持できるオブジェクトなど)が資産価値と認められ、仮想空間でも現実世界のように経済活動が成り立つようになると考えられるようになりました。
例えばNFTを使って認証されているデータの購入者は、そのデータを更に誰かに売る際は、データの作り手にもお金が支払われるなどの仕組みになっています。
新型コロナウイルス蔓延予防をきっかけとした、リモートでのビジネスモデルの浸透
日本国内でも多くの企業が取り組むことになった、リモートワーク。
実際に全員が同じ部屋に行かなくても、Zoomなどを利用してビデオチャットなどで会議や業務を行うスタイルです。
これは日本だけでなく、新型コロナウイルスの影響で全世界で加速したビジネスの形態です。
リモートは普段の業務における会議などだけではありません。
人が集まるコンサートやイベントは、厳しい規制や中止に追い込まれ、今や実際には現場に観客を入れず、インターネット上で配信を行うことも多くなりました。
実際に観に行かないのに楽しめるの?って思う人もいるかとは思いますが、実際ライブとは違うスタイルでコンテンツを提供しているところも多く、満足度的にも、収益的にも成功しているようです。
過去から未来のメタバース事例
「なるほど。メタバースが話題になる理由はわかった!で、実際メタバースってどんな実例があるの?」
それでは、過去から現時点、さらに将来のメタバースの例をご紹介します!
Second Life
Second Life(セカンドライフ)はアメリカのLinden Lab社が運営している仮想空間です。
2003年からサービスは開始され、2005年ごろ日本でもブームになりました。
アバターを作って仮想世界を歩き、世界各国から接続しているプレイヤーたちとコミュニケーションをとることができます。
セカンドライフのすごいところは、リンデンドルというセカンドライフ内の通貨で物の売買が現実世界のようにでき、中には土地などの売買をすることで日本円にして1億円以上稼ぐユーザーまで現れたことです。
現在は全盛期のような盛り上がりもなく、人もまばらになってしまったようです。
しかし、一時期より新型コロナウイルスの影響で、また少しアクティブユーザーが回復したという話もあるようですよ。
あつまれどうぶつの森
ご存じ任天堂が開発、発売、運営しているニンテンドースイッチの大ヒットゲームです。
え?これメタバースに加えるの!?って思いましたか?考えてみてください。
“ヴァーチャルの空間“に”アバター“を利用して入り込み、物品の売買をし、生活をし、コミュニケーションをとる・・・まんまメタバースですよね!?
どうぶつの森シリーズをあまり知らない方に説明をいたしますと、プレイヤーは人語をしゃべるどうぶつ達と村(シリーズによって島だったりもする)を発展、開発させていくゲームです。
プレイヤーには家が与えられ、家具をそろえたりお気に入りの音楽を流したりすることができます。
最近のシリーズでは服のデザインなどもできるようになり、作成したデータはほかのプレイヤーと交換することまでできるようになりました。
Minecraft(マインクラフト)
マインクラフトは、日本では通称マイクラなんて呼ばれ方をしているゲームです。
人気YouTuberたちがこぞってこのゲームの配信をしていることもあり、子供たちにも人気があります。
このゲームはマルクス・ペルソンとMojang Studiosの社員が開発したゲームで、ブロックで構成された広大な世界でサバイバルを楽しんだり、採取した種類の違うブロックを利用して、建築などを楽しむことができます。
様々なプラットフォームでの提供をされており、2019年5月には売り上げ一位だったテトリスを抜き、世界で最も売れたゲームとなりました。
Horizon Workrooms
Horizon Workroomsは、Facebook(Mata)が開発した、ビジネス会議用VRシステム。
まるで現実世界で会議室にあつまり、面と向かって会議をするように、仮想空間内で同じテーブルに座り、離れた場所にいながら一緒にいるような感覚で仕事ができるVRワークスペースを提供するソフトです。
VRゴーグルを使用して使うことで、本当にその場に集まっているような感覚になることができます。
すげえ!・・・けどVRゴーグルを利用したら、手元のキーボードも見えないからメモも取れないし、会議でしゃべって喉乾いても水飲めないじゃん!!
て僕は思ってたんですけど、パススルー表示を設定することで現実世界のデスクの部分だけ自分には見えるように設定できるので、喉乾いてもどこにコップが置いてあるかわかります。
うわー。これは未来ですね!
ただ、アバターの設定がある程度できるみたいなので、現実世界の顔とアバターの設定がうまくマッチしてればいいけど、変な風に解離していたら、そっちが気になって真剣に話を受け止められないかもね・・・。
The Sandbox
The Sandboxは、前述したマインクラフトのように仮想世界の中を自由に行動して楽しむゲーム・・・なのですが、これの一番の特徴はイーサリアムブロックチェーンを活用したNFTゲームということです。
ユーザーが独自に作成したアイテムなどをNFTとして価値があるものとすることができ、NFTマーケットプレイスに出品して収益を得ることができます。
無料ツールを利用することでThe Sandbox内にアートやゲームを作ることができ、それを有料で提供することもできる、まさに現実世界での経済活動を仮想空間内でもできるようになったゲームです。
また、The Sandboxの中での通貨“SAND”は仮想通貨として取引され、日本国内での取引所はまだありませんが海外ではBINANCEやFTXなどの大手取引所でSANDを売買することが可能です。
今後メタバースになっていきそうなもの
フォートナイト
Epic Gamesが2017年から販売・運営するオンラインゲームです。
同時に100人とプレイでき、バトルロワイアル方式で戦闘をし、最後に生き残った一人が勝利するゲームです。
よくあるバトルロワイアルゲームとの大きな違いは、ユーザーが独自のコンテンツを作れるクリエイティブモードを提供していること。
これにより、ユーザーオリジナルのゲームを作ることができるようになりました。
現時点ではまだまだメタバースというにはフィールドの広いゲームといったところですが、Epic Games CEOのティム・スウィーニー氏はフォートナイトをメタバースへと昇華させることに意欲的です。
将来的には、フォートナイトの世界でもっと自由度の高い体験ができるようになるのかもしれません。
メタバースにおける3DCGデザイナーのビジネスチャンス
メタバースが浸透した世界で、ビジネスができる要素はたくさんあります。
現時点での現実世界の金銭でのデータの売買例
仮想空間での生活が楽しいもの、便利なものだと認識した人は、より快適なものにするためにそのデータにお金を払うようになるのは自然なことですね。
例えば、ゲーム内であれば強いアイテム、見た目が美しいアイテムに対して、現実の通貨で売買をして入手することはRMT(リアルマネートレード)と呼ばれ、インターネットゲームが生まれたころからありました。
メタバースの例でも挙げた「あつまれどうぶつの森」は、amiiboカードと呼ばれる、どうぶつの住人のデータが書き込まれたカードが販売されています。
入手困難なため、人気の住人のカードはユーザー間で数万円での価格で取引をされることも珍しくありません。
NFTによるブロックチェーンを利用したCGデータ取引
The Sandboxの例で挙げたように、メタバースの中に経済活動を組みこむために、メタバース開発者はNFTデータの取り扱いができるようにプラットフォームを作成するものが多く出てきます。
自分で作成した3Dデータがメタバース内のアバターやオブジェクトNFTとして売買できるようになれば、私たち3DCGデザイナーは一般のユーザーたちよりビジネスという面では大いに優位な立場で参入することができますね。
NFTの仕組みを知るために少しでいいので身銭を切って勉強しておくことをお勧めします。
試しに口座を作って、今のうちに取引に慣れておくことが、今後の大きなアドバンテージになることでしょう!
日本でNFTを売買するならコインチェックがおすすめです。
VRゴーグルでメタバースを実感してみる
3Dデザイナーとしてメタバースを勉強するには、やはりVRゴーグルでメタバース空間を経験するところから始めるのが王道でしょう。
おすすめのVRゴーグルはMeta Quest2です。
こちらは以下のツイッターの通り値上げが予定されているなどで現在入手しづらい状況のようですがこのメタバースの波に乗り遅れないように何とか手に入れたいものです。
Metaは、長期的にVR業界を発展させるための投資を継続して行っています。2022年8月1日より、Meta Quest 2の価格を税込59,400円 (128GB)、税込74,400円 (256GB)に改定します。
詳しくはこちら:https://t.co/j6BcJGm4fr
— Meta Quest Japan (@MetaQuestJapan) July 26, 2022
3Dモデルの需要急増による求人の増加
Facebookをはじめ、多くの企業が仮想空間の構築に積極になってきた今、求められる人材は質のよい3DCGが作成できる人間です。
3DCGモデルの需要が増えれば増えるほど、3DCGデザイナーの求人は増加することは間違いありません。
3DCGデザイナーのメタバース求人サイト
転職サイトや求人サイトでも最近、急激にメタバースの求人が増えてきましたね。
新しい分野だけに未経験でも働ける可能性もあるかもしれません。
メタバースは新しい分野なので、早めに動いて先行者利益を得るのがポイントです。
また将来性がどうか分からないことも多いと思いますので、今のうちから複数の転職サイトや転職エージェントに登録し、セカンドオピニオンやサードオピニオンを得ながら、情報収集をスタートすることがおすすめです。
私がおススメするメタバース関連の転職サイトや転職エージェントは以下です。
23年12月現在のメタバースの求人数も表に書いておきました。
サイト | メタバースの求人数 | 探しやすさ | サポート | 強み |
doda | 483 | ◎ | ◎ | スカウトサービスが痒い所に手が届く、素晴らしい完成度 |
ギークリー | 183 | 〇 | 〇 | 利用者の年収UP率75%を誇る驚異のマッチング精度 |
マイナビクリエイター | 54 | 〇 | ◎ | ポートフォリオ作成サービスが超魅力的! |
レバテッククリエイター | 17 | 〇 | 〇 | 言わずと知れた大手!今後どんどんメタバース案件増えていきそうです。 |
G-JOBエージェント | 11 | 〇 | 〇 | ゲーム運営企業ならではの現場直の求人に強い! |
以下の記事も参考にしていただければと思います。
まとめ
仮想空間、メタバース・・・なんだかかっこいい未来な響きですが、実はもうすでに身近にあるものだったってことがわかりますね。
僕たちが日夜磨いている3DCGの技術は、これからの新しい世界を構築するうえで必ず必要になり、収益を生み出せるものなので、常に最新情報を取り入れ、乗り遅れないようにしましょう!
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