3DCGソフトで有名なものは、Maya、3dsMax、Blender、ZBrushなどがあると思います。
その中でも無料で使えるものはBlenderだけになります。
本記事では、Blenderのまず覚えておくべき機能は何か?それらのベストな独学方法は何か?それらの機能を使ってどんな3DCGが作れるか?などをご紹介したいと思います。
Blenderとは
Blenderとは、3DCGを作成するための統合環境アプリケーションです。
そもそも統合環境アプリケーションとは何か、というと、3DCGに関する作業がすべてできるソフトということです。
スカルプト(彫刻のように形を変形させて作る手法)に特化したZBrushと対比するとわかりやすいかもしれません。
他にも大きな特徴として、オープンソース(完全無料)のソフトである点も挙げられます。
Maya、ZBrushなどのソフトウェアは体験版や学生用ライセンスのみ無料というのはありますが、完全版を無料で利用可能なモデリングソフトはBlenderのみです。
そんな良い点ばかりのBlenderですが、欠点を挙げるとすると機能が多すぎるところです。
無料という点で、3DCGを初めて学ぶという方には適したツールである反面、闇雲に機能を覚えていくと途中で挫折する人も多いです。
したがって、多くの機能の中からまず覚えておくべき基本機能を見極め、まずはそこを完璧にマスターするところから始めるのがおすすめです。
それでは、その覚えるべき基本機能について、次に見ていきましょう。
最初に知っておきたいBlenderの4つの機能
Blenderには様々な機能がありますが、まず最初に知っておくべき機能をここでは4つご紹介したいと思います。
ポリゴンモデリング
「3つ以上の点の間に面を貼る」モデリング手法です。
レトロゲームでよく使われるカクカクのモデルがいい例です。
3DCGモデルというのは全てポリゴンの集合で作られていますが、中でも建物や無機物といった、平面が多く面の数が少ないモデルを作る際に重宝される手法です。
スカルプト
モデルを削ったり膨らませたりと、粘土細工をするように行うモデリング手法です。
皮膚の皺や顔の表情等を正確に描写することができ、最新ゲームで用いられるリアルな人間のモデルや、フィギュアを制作する際にも利用されます。
実際の業務、特に映像やゲームなど生物が動くCG映像を作る際には必須の機能なのですが、ポリゴンモデリングなどを理解しなければ難しいため、初心者が触るべき基本機能とは言えないと考えています。
アニメーション
モデリングしたキャラクターを動かせるようにします。
事前に「リギング」という作業を行って骨や関節を作っておき、それを動かすことによってモデルの体を動かすことができるようになります。
マテリアル制作
モデルの肌に色や質感をつける作業です。
作ったモデルの材質を決める作業、と考えるのがわかりやすいかもしれません。
例えば球体のモデルを作る時、透明にしてガラス玉としたり、光の反射を調節して金属球にしたりといった作業です。
色を変更するのはもちろんですが、そのモデルがどの程度光を反射するか、どの程度透明か、どの程度凹凸がついているか(実際に凹凸をつけるのではなく陰影で調整する)など、かなり複雑な表現まで可能です。作品事例にも実例を載せています。
今回紹介した技術はあくまで一例であり、Blenderでは他にも2Dのアニメーション作成や動画編集など、3DCGモデリングソフトの範疇を超えた使用方法も可能です。ぜひ試してみましょう。
Blenderで作れる3DCGモデル
Blenderは統合環境と言われるもので、ポリゴンモデリング、スカルプト、アニメーション、物理演算シミュレーション、レンダリングなど、3DCGに関する一通りのことはできてしまいます。
参考に、以下に作品の事例を載せます。
作品事例1
この画像はマテリアルがどのようについているか、といった紹介のための作品です。
このような金属っぽい表現、木の表現など、それらしい質感を簡単につけられるため、製品や部屋などのサンプルを作る際にも利用できます。
作品事例2
こちらはクレイアニメーションを意識して作った作品です。
輪郭に温かみを与えるためにサブサーフェスという技術を使ったり、光の当て方に工夫を加えました。
トイストーリーなど、3DCGでつくられたアニメーション作品も最近はよく見かけますね。
作品事例3
こちらは素材として公開されていたものですが、3DCGで用いられる基本的な技術が一通り使われていますね。
画像の空の部分はダイナミックスカイというアドオン(外部製の機能追加)で作れますし、壁や石柱のような凹凸をマテリアルで表現することも可能です。
Blenderは誰におすすめ?
結論から言うと、3DCGに興味を持った方はすぐBlenderを始めてみましょう。
以前のBlenderは「仕事用ではないが3DCGの基礎を知るのにちょうどいい」といった立ち位置の3DCGアプリケーションでしたが、現在では商用作品を作る際にBlenderを利用する企業も増えており、実作業の経験としても使えます。
またMaya等の現在主流となっている3DCGソフトを利用する企業への就職・転職を目指す際にも3DCGの基本的な用語を理解できることやポートフォリオを作れることなど、多くのメリットがあります。
Blenderの動画を使ったおすすめ独学方法
Blenderは無料であるためユーザー数がかなり多く、初学者向けの情報も充実しています。
もちろん学習用の書籍も充実していますが、基礎を学ぶのにはインターネットの情報やYoutubeの動画で学ぶのでもまったく問題ないでしょう。
以下では参考になるYouTube動画をご紹介いたします。
Blenderの操作を一通り覚えたい人におすすめの動画
ML/Chさんのクー助と始める3DCGシリーズです。
Blenderに触れるのが初めてで、一通りの操作を覚えたいという方におススメです。
背景、キャラクター、アニメーションなど、CGモデリングの基礎的な部分を網羅しているチュートリアルです。
3DCGモデルを作って動かしたい人におすすめの動画
沼地辺境伯zenさんの、ワニでもできるBlender+VRChatシリーズです。
こちらは、簡単なキャラクターモデルを作って動かし、それを操作してVR空間で動かすことを目標とした動画です。
このシリーズではキャラクターモデルを利用するために必要なUnityについての知識も身に着けられ、「ひとまず体を作って動かしたい」という方におすすめします。
人の形をしたモデルの作り方について学びたい人におすすめの動画
mmCGチャンネルさんのCharacter Modeling Tutorialsシリーズです。
こちらは上二つと比較すると難しい内容ですが、人の形をしたモデルの作り方について詳しく学べます。
基本的な内容を学び終え、より専門的な技術まで身に着けたいという方にお勧めの内容です。
Blender独学のおすすめ本
Blenderの独学本を探すならDMMブックスがおすすめです。
以下のようにツイッターでもつぶやかれてますね。
Blenderのしっかりした電子書籍が売られているのでためになる事間違いなしです。
Blenderの将来性
Blenderの将来性は極めて高いと言えます。
理由としては、最近の傾向としてBlenderを開発ツールとして利用している企業が増えている点ですね。
有名なところだと、ゲーム『アサシンクリード』など世界的人気作を出すゲームメーカー、Ubisoftが開発ツールとして利用し始めたり、映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のCGアニメーションがBlenderで作られたりしています。
またもう一点、多くの巨大企業が揃って資金援助をしていることも挙げられます。
EpicGames、Unity、AMD、Intel、Ubisoft、Microsoft、Facebook、Amazon、Googleなどなど、挙げ始めるときりがない程多くの企業が援助しており、Blenderサイドも高頻度でアップデートを繰り返し、日々機能が向上しています。
また将来性のあるソフトだけにBlenderを使った副業で稼げる事例も増えてきました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は無料で使えるオススメの3DCGソフトのBlenderについて、その独学方法を中心にご紹介しました。
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