最近、3Dのキャラクターを使って動画配信をするVtuberが増えており、人気を集めています。
いわゆる自分の分身(アバター)を3DCGで作成し、そのキャラクターを使って動画配信する人たちです。
Vtuberは日本発祥の技術であり、人気Vtuberだと登録者数が約300万人となり、今後の将来性に期待されています。
またメタバースというバーチャル空間での各種サービスが当たり前になってくると、そこでもアバターが必要になってきます。
今回は、3DCGデザイナーがVtuberに登場するアバター制作でどれぐらい稼げるのか?とある3DCGデザイナーの副業体験や収入も公開します。
私の副業体験や収入も公開します!
Vtuberやアバターとは
VtuberとはVirtual YouTuberの略語です。
何がバーチャルなのかというと、実際に顔を出さずにアバターとなるキャラクターを操作し、そのキャラクターで動画配信を行うという点で「バーチャル」なのです。
元は2016年にキズナアイさんから始まった文化ですが、その匿名性やコロナウイルスのまん延による影響もあり、現在では爆発的にその数を増加させています。
「ホロライブ」や「にじさんじ」といったいわゆる「大箱」に所属するクリエイターが2020年のスーパーチャットランキングで世界一位を記録したように、現在では日本発祥のコンテンツとして世界に大きな影響力を持つに至っています。
3DCGデザイナーがVtuber用アバターを作る方法
現在Vtuberを動かす技術は2Dと3Dに大きく二分されますが、今回は3DCGを利用した技術について解説します。
まず配信や撮影を行うためには、アバターを作る技術と動かす技術の二つが必要になります。
アバターを作るための3DCGソフト
作る技術の方では3DCGを作るためのソフトが必要になります。
現在ではVRoid StudioやREALITYなど、キャラクター作成を容易にするソフトが公開されていますのでそれを利用する、あるいはモデリングソフトを利用して1からモデルを作ることも可能です。
有名なところだとMaya、3dsMax、Blender、ZBrush、などですね。
まず体となるメッシュ、それを動かす筋肉や骨となるリグを作ってゆきます。
依頼いただいた方との乖離が発生しないよう、時折データを送ってVtuber本人がアバターを正しく動かせるか、また依頼に満足してもらえる形に作業が進んでいるかを確認しつつ進めます。
アバターを動かす技術
Vtuberがアバターを動かす必要があるの?と思われる方もいるかもしれませんね。
動かす方法にはいくつか種類があるのですが、基本的にはWebカメラで自分の姿を撮影する方法が主流です。
その撮影した内容から瞬きや口の開きなどの表情、腕の動きなどを読み取り、Vtuberを動かすソフト(VMagicMirrorやLuppetなどが有名です)でアバターに同じ動きをさせる、というものなのです。
Vtuberモデリングの特色として「依頼者側に確認する必要がある」というのは、上記のように依頼者本人の表情をもとにアバターに表情を取らせるため、口をどの程度開けるか、驚いたときにどの程度目を見開くか、などを実際のアバターを利用して確認しつつ、一人ひとり違う表情の取り方にあわせてアバターを作る必要があるのです。
アバターに表情を入れる技術
データが完成してFBX形式のモデルを出力できたら、次にUnreal EngineやUnityを利用した動作、発色や光の調整です。
アニメ調のキャラクターであればアウトラインを表示させたり、本人がとった表情に合わせてどの程度キャラクターの表情を動かすかなど、詳細な情報の設定をします。
もちろんこのステップでも、依頼者と画面共有しつつ動作の確認が重要になります。
配信をする際に口をどの程度開くか、プリセットの表情データをどのように使うかは人によって異なるので、その需要に合わせ提案やデータ修正を繰り返すことで、最終的にVRM形式のアバター、バーチャル環境で操作可能なアバターが完成します。
最近はUnityよりUnreal Engineの使い手の方が需要があります。
Unreal Engineで転職を考えている人は以下の記事がおすすめです。
3DCGデザイナーのフリーランスの収入は?
Vtuber用アバター制作の難しいところではありますが、3DCGを利用したビジネスの中でも生まれたてのものであり、これといった適切な相場というものがありません。
私の場合はVtuberの表情変化を増やす「パーフェクトシンク」の実装に1体4000円、服や小物の制作に1点2500円で対応しております。
使用しているソフトはBlender,Unityです。
1から作る場合、1万円台から20万円程度まで、市場内でかなり幅広い価格設定が存在します。
安すぎる価格設定は業界の発展のためにもよくないので、自分のスキルに見合った適切な価格設定が必要です。
その他、ランサーズなどクラウドソーシングでVtuber用の3DCG作成案件は以下のようなものがあります。
結構、高額な収入になりますね。
3DCGデザイナーがアバター制作をやるメリット・デメリット
メリット
まずメリットとして挙げられるのが、VRやARにより空間が拡張した世界での将来性です。
今後セキュリティが重視されてゆく中で人間の顔というのは最大級の個人情報であり、その流出への対応手段がアバターの利用となります。
現状アバターをコミュニケーションツールとして利用できるのはYoutubeなど画面の中だけではありますが、先に挙げた空間拡張技術が発展した世界では、アバターを体としてコミュニケーションをとることが可能になります。
そうなった際、高性能なアバターを作る技術の需要が高まることが考えられます。
2021年8月に入ってから「メタバース」という言葉が大きく広まり始めましたが、そういった面では未来で必要な仕事、と言えるかもしれません。
デメリット
次にデメリットとして、すぐに収入を得る手段としては非効率的であるということです。
モデル制作はそのほとんどが個人向けのビジネスであるうえに始まったばかりのビジネスであるため市場もまだ小さく、収入を得ることを考えるならば部屋や家具などのVR向け、もしくはゲーム用のオブジェクト制作など、現在3DCGの主な用途として利用される手段をとる方が収入は上がると思われます。
3DCGデザイナーがアバター制作で年収アップするために必要なこと
Vtuberのアバター制作で収入を上げるために必要なことは、最新技術にどん欲に食いついてその情報を発信することでしょう。
現在、モデルの規格の統一に向けた「VRM1.0」、表情の幅を広げる「パーフェクトシンク」など、視覚的にわかる魅力的な進化が日々進んでいます。
対して先述したように市場の規模が小さく、先端技術の共有が十分に行われていない環境であることも現状としてあります。
そのため、最新の魅力的な技術に対応できるようにすることで業界から求められる存在になることが重要であると言えるのではないでしょうか。
規模が小さいことの利点として、その技術を求める人の目に触れやすく、依頼につながりやすいという点もメリットとなります。
またそういった技術にアンテナを張っておくことで、次の技術が出てきた際に敏感に察知して対応できるようになります。
より早く、より新しくを目指していくことをおすすめします。
より簡単な手段としては、基礎的なCGの技術を身に着けるためにイラストやCGのスクールに通うというのも一手です。
最新技術を取り入れるための土台となるような基礎となるような能力を高めることができるでしょう。
3DCGデザイナーがアバター制作を受注する方法
知りあいから仕事をもらう
私の場合は友人にVtuberがおり、その依頼を受けたことが始まりでした。
またその後、実装後のモデルを見た人からお声をいただき次の仕事へ、というふうに仕事を増やしました。
SNS経由で仕事をもらう
SNS等でポートフォリオとして実績を発信したり、実装に苦労した点、その技術を適用することによるモデルの変化などを共有することも重要です。
SNSマーケティングという点でも有効ではありますが、それを見た3DCGソフトの開発者さんがノウハウやFAQなどをを整理して公開してくれたりなど全体にとって有益なことでもあるのです。
開発者の方がTwitterでエゴサーチしている場合が多いので、そうしたフィードバックから次回アップデートをしてくれたり、よくある問題と解決方法などサイトを更新してくれたりするので他の利用者、ひいては業界にとってもいいことがあったりもします。
クラウドソーシングで仕事をもらう
また個人向けのビジネスであることから、以下のクラウドソーシングで仕事を見つけることができます。
クラウドソーシングにも色々とありますが、基本は以下の3つに登録しておけば間違いないです。
稼ぐコツは複数のクラウドソーシングに登録し、プロフィールやポートフォリオを充実しておくことです。
プロフィールの内容やポートフォリオを依頼主が見てコンタクトしてくれる場合もありますし、自分から売り込むことも大切です。
登録は無料です。
あとはSkebというサービスもあります。
Skebに関しては、創始者のなるがみさんがVRChatなどのサービスを頻繁に利用していたり、「ポリゴンテーラー」という個人対個人のアバター制作依頼サービスを計画中であったりと、そちらの方向に力を入れている、という印象からオススメしています。
そうしたサービスの出品内容から料金相場やスケジュール感を理解しておくことにより、依頼する側、受ける側双方にとって有益な取引ができるのではないでしょうか。
3DCGデザイナーのフリーランスに強いサイトに登録する
クラウドソーシングで仕事を見つける方法も良いですが、3DCGデザイナーのフリーランスに強い仕事紹介サイトで見つける方法もあります。
今回は3つのサイトをご紹介します。
どれも登録は無料なので、まずは登録し専門のコンサルタントに相談するところから始めましょう。
3DCGデザイナーとして副業をやっている方だと、その先に独立ということをイメージされている人も多いと思うので、将来の備えとしても準備しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、3DCGデザイナーがVtuber案件でどれぐらい稼げるのか?とある3DCGデザイナーの副業体験や収入も公開しご紹介しました。
今回の内容をまとめると以下になります。
- 今後Vtuberの将来性はある
- 3DCGデザイナーはVtuber案件で稼げる、将来はもっと伸びる
- 稼ぐためには最新技術の習得が必要
- 3Dキャラクターのポートフォリオを情報発信する
- 仕事はココナラ、Skeb、Skimaでももらえる
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