「本業の給料だけじゃ少し物足りない…」
「将来のために、何か専門的なスキルを身につけておきたいな」
「BIMオペレーターとしての経験を活かして、在宅で収入を増やせないだろうか?」
こんな風に考えているあなたに、BIMの副業という選択肢はまさにピッタリかもしれません。
建設業界のDX化が進む今、BIMスキルを持つ人材の需要は右肩上がりで、副業でも十分に稼げるチャンスが広がっています。実際、私の周りでも、会社員として働きながら土日の時間を使ってRevitやArchiCADのスキルを活かし、在宅で月に5万円以上の収入を得ている人がいます。
ただ、そうは言っても「BIMの副業って、専門的でなんだか難しそう…」「未経験からでも本当に挑戦できるの?」といった不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
確かに、誰でも簡単に始められるわけではありませんが、正しい手順でスキルを身につけ、案件の探し方さえ間違えなければ、BIMの副業で安定した収入を得ることは十分に可能です。
この記事では、あなたのそんな疑問や不安を解消し、「BIMの副業、私にもできそう!」と思っていただけるように、具体的な始め方から案件の獲得方法、そして注意点まで、網羅的に解説していきます。
注目度上昇中!BIMの副業を始める前に知っておきたい基礎知識
まずは、「BIMの副業って、そもそも何?」という基本的なところから見ていきましょう。言葉は聞いたことがあっても、具体的な仕事内容や将来性については、まだよく知らないという方も多いかもしれません。ここでは、BIM副業の全体像を掴むための基礎知識を解説します。
そもそもBIMの副業とは?
BIM(ビム)とは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略です。単なる3Dモデルを作成するだけでなく、建物の資材やコスト、管理情報といった、さまざまな「情報」を詰め込んだデータベースとして活用できるのが大きな特徴です。
このBIMの技術や知識を活かして、本業とは別の仕事で収入を得ることを「BIMの副業」と呼びます。働き方の多様化が進む現代において、専門スキルを活かせる副業として、非常に注目を集めています。
より詳しいBIMの概要については、以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
BIMの副業が今、求められている理由
なぜ今、これほどまでにBIMの副業が注目されているのでしょうか。その背景には、建設業界が抱える課題と、国を挙げた大きな動きがあります。
最大の理由は、建設業界全体でBIMの導入が急速に進んでいることです。国土交通省は、公共事業においてBIM/CIM(※)を原則適用する方針を打ち出しており、これが民間企業にも大きな影響を与えています。
(※CIM:Construction Information Modeling/Managementの略。主に土木分野で使われる。)
しかし、業界全体でBIM化が進む一方で、BIMを扱える専門人材はまだまだ不足しているのが現状です。多くの企業がBIMオペレーターや設計者を求めているため、BIMスキルを持つ人材は非常に価値が高く、引く手あまたの状態。その結果、企業に所属しないフリーランスや、副業としてスキルを提供する人材にも多くの仕事のチャンスが巡ってきているのです。
BIMの将来性や需要について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
副業で募集されている主なBIMの仕事内容
BIMの副業と一言で言っても、その仕事内容はさまざまです。ここでは、実際にクラウドソーシングサイトなどで募集されていることが多い、代表的な3つの仕事内容をご紹介します。
3Dモデリング作成
最も代表的な仕事が、RevitやArchiCADといったBIMソフトを使い、2Dの図面から3DのBIMモデルを立ち上げる作業です。建築物の意匠、構造、設備など、さまざまな分野のモデリング案件があります。
単純な形状の建物から、複雑な意匠を持つ大規模な建築物まで、プロジェクトの規模によって難易度や報酬は大きく変わります。まずは小規模な案件から実績を積み上げていくのがおすすめです。
各種図面の修正・作成
BIMモデルから切り出した平面図や立面図、断面図などの各種図面を修正したり、新たに作成したりする仕事です。設計変更に伴う朱書き修正や、各種申請用の図面作成など、細かいながらも正確性が求められます。
BIMソフトの基本的な操作に加えて、建築図面に関する知識が必要となるため、BIMオペレーターとしての実務経験があると有利に進められるでしょう。
BIMパーツ(ファミリ・オブジェクト)作成
BIMモデル内で使用する、窓やドア、家具、衛生器具といった3Dパーツを作成する仕事です。「ファミリ」(Revitの場合)や「オブジェクト」(ArchiCADの場合)と呼ばれ、建材メーカーなどから依頼されるケースが多いです。
寸法や情報を正確に埋め込む必要があり、専門性が高い分、高単価を狙いやすいのが特徴。地道な作業が得意な方に向いている仕事と言えるでしょう。
BIM副業の気になる収入・単価相場
副業を始める上で、やはり一番気になるのが「どれくらい稼げるのか?」という点ですよね。BIM副業の収入は、スキルや経験、案件の内容によって大きく変動しますが、一般的な相場観は以下の通りです。
案件の種類 | 単価相場 |
時給制の案件 | 2,000円~4,500円 |
図面の簡単な修正 | 5,000円~30,000円/件 |
小規模な建物のモデリング | 50,000円~200,000円/件 |
BIMパーツ作成 | 3,000円~15,000円/個 |
経験の浅い方や未経験(CADや図面作成の経験ある方)から始める場合は、まず時給2,000円前後の案件や、1件数千円程度の簡単な修正業務からスタートすることが多いです。そこから実績を積み、スキルアップしていくことで、時給3,000円以上や、1案件で数十万円といった高単価なプロジェクトにも挑戦できるようになります。
まずは**「土日や平日の夜を使って月5万円」**を目標に設定すると、無理なく始めやすいでしょう。
BIM副業を始めるメリット・デメリット
どんな副業にも良い面と大変な面があります。BIMの副業を始めてから「思っていたのと違った…」とならないように、メリットとデメリットの両方をしっかり理解しておきましょう。
【メリット】
- 専門性が高く高単価を狙える: 専門スキルが必要なため、一般的な事務作業などの副業に比べて報酬が高い傾向にあります。
- 在宅ワークが可能: PCとネット環境さえあれば、場所を選ばずに仕事ができます。通勤時間がなく、プライベートとの両立がしやすいです。
- スキルアップにつながる: さまざまな企業の案件に携わることで、本業だけでは得られない知識や経験が身につき、自身の市場価値を高められます。
- 将来性が高い: 今後さらに需要が拡大していく分野なので、一度スキルを身につければ長期的に安定して稼げる可能性が高いです。
【デメリット】
- 初期投資が必要: 高スペックなPCやBIMソフト(ライセンス料)など、ある程度の初期費用がかかります。
- 学習時間の確保が必要: 特に未経験から始める場合は、BIMソフトの操作や建築知識を学ぶための時間が必要です。
- 本業との両立が大変な場合も: 納期によっては、本業後に作業時間を確保しなければならず、体力的に厳しいと感じることもあるかもしれません。
- 自己管理能力が求められる: スケジュール管理やモチベーション維持など、すべて自分自身でコントロールする必要があります。
未経験から挑戦!BIM副業で稼ぐための具体的な5ステップ
ここからは、いよいよ実践編です。「BIMの副業に挑戦してみたい!」という方のために、未経験からでも着実に稼げるようになるための具体的な5つのステップを、順を追って詳しく解説していきます。ただ未経験と言ってもCADや図面作成の経験もないとなると、BIMの副業で稼ぐのはかなり厳しくなります。
ステップ1:必要なスキルとソフト(Revit・ArchiCAD)を習得する
何よりもまず、BIMを扱うためのスキルを身につけなければ始まりません。特に、BIMソフトの操作スキルは必須です。現在、日本のBIM市場では主に2つのソフトが主流となっています。
- Autodesk Revit(レビット): 世界的にもトップシェアを誇るBIMソフト。意匠・構造・設備の連携に強く、大規模なプロジェクトで採用されることが多いです。情報量が多く、学習しやすい環境が整っています。
- ArchiCAD(アーキキャド): 特に意匠設計の分野で根強い人気を持つBIMソフト。直感的な操作性が特徴で、デザイン性の高い建築物を得意とします。
どちらを学ぶべきか迷うかもしれませんが、副業案件の数で言えばRevitの方が多い傾向にあります。まずはRevitの基本操作をマスターし、余裕があればArchiCADも触ってみる、という進め方がおすすめです。
学習方法としては、書籍やYouTubeでの独学、オンラインスクールやセミナーの受講などがあります。未経験であれば、体系的に学べるオンラインスクールが効率的でしょう。


ステップ2:実績をアピールできるポートフォリオを作成する
スキルを身につけたら、次はそのスキルを証明するための「ポートフォリオ」を作成します。ポートフォリオとは、あなたの作品集であり、クライアントに「この人なら安心して仕事を任せられる」と思ってもらうための、いわば名刺代わりの重要なツールです。
実務経験がない場合は、架空の小さな建物を一つ、自分で設計からモデリング、図面化まで行ってみましょう。その際に作成した3Dモデルの画像や、各種図面をまとめてポートフォリオにします。
【ポートフォリオでアピールすべきポイント】
- モデリングの正確性や丁寧さ
- 図面の分かりやすさ、見栄えの良さ
- どれくらいの時間で作成できたか(作業スピード)
クオリティの高いポートフォリオは、経験の有無をカバーしてくれる強力な武器になります。
ステップ3:BIMの副業案件を探す方法
準備が整ったら、いよいよ実際の案件を探し始めます。BIMの副業案件を探す主な方法は、以下の3つです。
副業・フリーランス専門のエージェントを活用する
スキルや経験に自信がある方、高単価な案件を狙いたい方におすすめなのが、専門のエージェントに登録する方法です。エージェントがあなたのスキルや希望に合った案件を紹介してくれ、面倒な単価交渉などを代行してくれる場合もあります。
- エンジニアデータバンク: IT・Web・ゲーム業界に特化したエージェントですが、CADオペレーターやBIM関連の案件も扱っています。非公開案件が多いのが特徴です。
- ランサーズ テックエージェント: 大手クラウドソーシングサイト「ランサーズ」が運営するエージェントサービス。週2〜3日の稼働やリモート案件など、柔軟な働き方ができる案件が豊富です。
クラウドソーシングサイトで探す
未経験の方や、まずは小さな案件から実績を積みたいという方に最適なのが、クラウドソーシングサイトです。多くの企業や個人が仕事を依頼しており、BIM関連の案件も多数掲載されています。
- クラウディア: Web・デザイン・ライティングなど多岐にわたる案件が掲載されており、BIMやCAD関連の仕事も見つかります。手数料が比較的安いのが魅力です。
- クラウドワークステック: クラウドワークスが運営する、IT・Web系のフリーランス向けサービス。在宅・リモートでできる案件が90%以上を占めており、BIM関連の専門的な案件も探せます。
SNSや知人からの紹介
意外と見過ごせないのが、SNS(特にX)や、以前の職場の上司・同僚といった人脈からの紹介です。
日頃からSNSでBIMに関する情報発信をしたり、学習の過程を投稿したりすることで、「BIMができる人」として認知され、思わぬところから仕事の依頼が舞い込んでくることがあります。また、信頼できる知人からの紹介は、好条件の案件につながりやすいというメリットもあります。
ステップ4:案件に応募し、条件交渉を行う
気になる案件を見つけたら、いよいよ応募です。応募の際は、これまでに準備したポートフォリオを必ず添付し、自分のスキルや熱意を伝えましょう。
クライアントは多くの応募者の中から依頼先を選ぶため、定型文ではなく、その案件に対して「なぜ自分が貢献できるのか」を具体的に書くことが重要です。
無事に採用の連絡が来たら、契約前に必ず業務内容、納期、報酬、修正回数の上限といった条件を細かく確認しましょう。特に、後から「話が違う」とならないように、書面やメッセージで記録が残る形でやり取りすることが大切です。
ステップ5:質の高い納品で継続案件につなげる
単発の仕事で終わらせず、安定した収入を得るためには、クライアントから「またこの人にお願いしたい」と思ってもらうことが何よりも重要です。
- 納期を必ず守る
- こまめに進捗を報告する(報連相を徹底する)
- 丁寧で迅速なコミュニケーションを心がける
- 指示された以上のクオリティを目指す
こういった基本的なことを徹底するだけで、クライアントからの信頼度は大きく上がります。一つの案件で高い評価を得られれば、継続して仕事を発注してもらえたり、別のクライアントを紹介してもらえたりと、次のチャンスに繋がっていくはずです。
BIM副業を行う上での注意点
最後に、BIMの副業を安全に、そして長く続けていくための注意点を3つお伝えします。
- 本業の就業規則を確認する: 会社によっては副業が禁止されている場合があります。トラブルを避けるためにも、副業を始める前に必ず就業規則を確認しておきましょう。
- 確定申告を忘れずに行う: 副業での所得(収入から経費を引いた金額)が年間20万円を超えた場合は、確定申告が必要です。必要な知識を身につけ、期限内に必ず申告しましょう。
- 情報漏洩に細心の注意を払う: 業務で扱う図面やデータには、機密情報が含まれていることがほとんどです。データの管理方法やセキュリティ対策には万全を期し、絶対に外部に漏らさないようにしましょう。
まとめ:自身のスキルを活かしてBIM副業で収入アップを目指そう
今回は、注目度が高まっているBIMの副業について、その魅力から具体的な始め方、注意点までを詳しく解説しました。
【記事のポイントまとめ】
- BIMの副業は、業界の人手不足を背景に需要が高く、将来性も非常に明るい。
- 仕事内容はモデリングや図面修正が中心で、スキル次第では在宅や土日だけでも月5万円以上を十分に稼げる。
- 未経験からでも、正しいステップ(スキル習得 → ポートフォリオ作成 → 案件探し)を踏めば挑戦可能。
- 案件探しは、自分のレベルに合わせてエージェントやクラウドソーシングサイトを使い分けるのが効率的。
建設業界での経験がある方はもちろん、全くの異業種からでも、コツコツとスキルを身につけていけば、BIMの副業はあなたのキャリアにとって大きなプラスとなるはずです。RevitやArchiCADといった専門的なツールを使いこなし、時間や場所に縛られずに収入を得る。そんな新しい働き方を、あなたも目指してみませんか?
この記事が、あなたの新たな一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
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