建築業界で今注目されている技術の一つにBIM(Building Information Modeling)というものがあります。
そのBIMソフトの種類の中でも普及率が高いものにAutodesk社のRevitというものがあります。
このRevitなどBIMの推進を国土交通省がしている中で、Revitを使えるオペレーターや教える講師の不足が深刻化しています。
これに対し、BIMの前身であるCADのオペレーターは飽和状態であり、中でも2DCADのオペレーターは技術の発展と共に仕事が減りつつあります。
そんな中でCADオペレーターが生き残っていくためにもBIMソフトを覚えて人材の市場価値を維持向上させたいと思っているかたも多いのではないでしょうか?
今回は、そういったかたのためにBIMソフトの中でも一番人気なAutodesk社のRevitを無料で独学で習得する方法をご紹介したいと思います。
Revitを無料で独学する方法
私がおすすめするRevitの無料独学方法は、以下の2種類ありどちらもAutodesk社が提供しており、オンラインで独学できます。
Revitの開発元であるAutodesk社が提供しているので間違いないですよ。
- Revitクイックスタートガイド
- Revit Starter Kit 2010
それぞれについてどんなことが学べるか見ていきましょう。
Revitクイックスタートガイドで独学する方法
最初にRevitクイックスタートガイドというオンライン学習サイトから見ていきましょう。
Revitを体系的に学ぶことができますし、動画もあり分かりやすいです。
動画も日本語対応していて分かりやすい
動画のナレーションは英語ですが、以下のように画面右下のCCをクリックすると日本語字幕を選択できます。
でも字幕って変な日本語訳になっていない?と心配になるかもしれませんが、大丈夫です。
以下のようにちゃんとした日本語に訳されています。
Revitクイックスタートガイドの概要
- Revit の主な概念
- ユーザ インタフェースの紹介
- 基本的な作業: MEP
- 基本的な作業: 建築
- プロジェクト管理
- 基本的な作業: 構造エンジニアリング
- ツールと機能
- 基本的な作業: すべてのユーザ向け
サンプル プロジェクト ファイル
Revit の主な概念
Revitのモデル構成、言葉の定義、サイズ、形状、位置、材料などの情報の定義方法などが学べます。
ユーザ インタフェースの紹介
Revitはインターフェースをカスタマイズできます。
Excelのようにリボンやクイック アクセス ツールバーの使用、ショートカットキーなどをお好みに配置し、作業の効率化をはかれます。
基本的な作業: MEP
機械、電気、配管(MEP)システムを作成する際の基本作業について学べます。
建物の冷暖房などの空調システムを作成したり、装置と電気設備をモデルに配置する方法、配管の流量とサイズ設定の計算方法などを学べます。
基本的な作業: 建築
建物要素を作成し、関係者にモデルを提示する方法について学べます。
壁・床・屋根・ドア・窓といった建物要素の作成や、部屋・階段・家具・証明・トイレといった屋内要素の配置、それらを完成形にもっていき、クライアントや関係者と共有するためのプレゼンテーション用にモデルを仕上げる方法を学びます。
基本的な作業: 構造エンジニアリング
建物やインフラストラクチャのプロジェクトに構造要素を追加する方法を学べます。
例えば耐力構造要素を、まず梁と柱から建物モデルに追加したり、建物モデルに、耐震壁、耐力壁、または複合構造壁、構造床を追加するなどができます。
プロジェクト管理
作成したBIMモデルなどの情報を一元管理し、関係者で共有しコレボレーションする方法を学べます。
ツールと機能
Revit特有の便利ツールや機能を学ぶことができます。
BIMモデルの色んなビュー表示方法、モデルの要素選択方法、プロパティを使った各要素のパラメータ修正方法などを学ぶことができます。
いかがでしたでしょうか?
上記はクイックスタートなので必要な学習項目に絞っていますが、それぞれのコンテンツには関連コンテンツもレコメンドされており、気になる項目は追加が学ぶことができます。
しかもこれらも無料です。
いろんな独学コンテンツに手を出すのではなく、まずはAutodesk社のものから始めるのが良いと思います。
Revit Starter Kit 2010で独学する方法
続いてRevit Starter Kit 2010というオンライン学習サイトを見ていきましょう。
Revit Starter Kit 2010は、Revitを初めて操作する人から、Revitで設計業務を始めたい人を対象にしています。
企画設計業務(ボリューム検討)の手順に合わせて、解説ムービー、マニュアル、サンプルデータを使って操作方法を学べます。
2日間で学習完了できるようにカリキュラムが組まれており、最初から順番に学んでいっても良いですし、自分の気になるところを選択して学ぶことも可能です。
Revitを有料で学ぶ方法
もし独学でRevitを学ぶことが難しいと思うのなら有料でスクールに通う方法もあります。
やはりBIMのことを誰かに教わりたい、体系的な教育環境で学びたい、質問できる人がそばにいてほしい、と思う場合はお金を出してもスクールを通うほうが良いでしょう。
以下におすすめスクールを挙げておきます。
ヒューマンアカデミー
建築3Dモデリングコースというのがあり、Revit(ArchiCADコースもあり)の使い方を学ぶことができます。
それだけでなく、モデリングしたものを3Dプリンターを使い模型を出力するところまで教えてもらえます。
このコースでは建築に関する用語理解、図面理解を徹底し、建築設計の基礎をマスターしながら、初心者でも習得しやすい『3Dマイホームデザイナー』というソフトを使い、最終的にはRevitまで使っていきます。
講座修了後は、グループの人材紹介会社である「ヒューマンリソシア」が就職・転職活動をバックアップしてくれ、希望の会社があれば直接企業に連絡して交渉も可能のようです。
ただ受講費が結構かかります。
入学金:33000円(税込み)
受講料:704000円(税込み)
期間:12カ月、全180時間、3時間×60回
時間あたりにすると約4000円/時間という計算です。
これを高いとみるかどうかだと思いますが、いずれにせよ、自分で納得して判断するためにもまずは無料相談や資料請求などしてみると良いでしょう。
Winスクール
BIMの基礎からRevitによる作図手法までを習得することができます。
実際の講義内容は、BIMとは?から入り、Revitの画面構成と基本操作を学んだあとで、2Dデータ作成、3Dモデリング、ファミリの作成、図面化、BIMデータとしての活用、
総合演習と流れていくのでRevitについてバッチリ学ぶことができます。
費用については以下です。
- 受講料:195,000円(税込214,500円)
- 入学金:18,000円(税込19,800円)
- 教材費:6,000円(税込6,600円)
またWinスクールはライフスタイルに合わせて通学とオンライン、それらのハイブリットなど受講スタイルを選択することができます。
ReCADemyスクール
このReCADemyの講座ではRevitの概念を理解し、ツールの実行方法、設定、入力の基本などが勉強できます。
講座としては以下の3種類が用意されています。(ArchiCADコースもあり)
全てオンラインとなっています。
- Revit講座
- BIMオペレーター養成コース(Revit+Jw_cad)
- BIMオペレーター養成コース(Revit+AUTOCAD)
受講料 | 受講期間 | |
Revit講座 | 136,620円 | 5か月 |
BIMオペレーター養成コース(Revit+Jw_cad) | 237,600円 | 6か月 |
BIMオペレーター養成コース(Revit+AUTOCAD) | 265,760円 | 12か月 |
こちらはオンラインだけにだいぶ受講料は抑えられている感じです。
気になる方は無料体験レッスンや無料カウンセリングなどもできるそうです。
CADやBIMのスクールについては以下のサイトにもまとめてありますので参考にして頂ければと思います。
Revit無償版のダウンロード
RevitはAutodesk社の公式ホームページから30日無償版をダウンロードできます。
もしどんなものか気になる方は、ダウンロードして使って見るのも良いでしょう。
ちなみにRevitの価格は以下のようになっています。
¥1,098,900/3年ごとのお支払い
¥407,000/1年ごとのお支払い
¥50,600/1ヵ月ごとのお支払い
まとめ
いかがでしたでしょうか?
世界的に見てもBIMへの移行は進んでいますし、日本でもその傾向は変わりません。
BIMソフトの中でも人気の高いAutodesk社のRevitを今のうちから使えるようになっておくことで、CADオペレーターとしての将来が開けるのではないでしょうか?
出費をできるだけ抑えたい場合は、今回ご紹介した無料での独学方法を試すところからスタートすることをおすすめします。
またCADやBIMの資格について取得を考えているかたは以下の記事も参考にして頂ければと思います。
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