建築設備士2次試験を1年目不合格、そしてなんとか2年目で取得することができました。
本記事では建築設備士の役割や重要性、資格取得のプロセス、二次試験の勉強方法についてご紹介します。
勉強法では、おすすめの過去問やアプリもご紹介します。
一次試験については以下の記事を参考にしていただければと思います。
建築設備士2次試験の出題範囲や難易度
2次試験の出題範囲
試験科目と問題数は、「建築設備基本計画(記述)11問」「建築設備設計製図4問」の2つで構成されています。
また、製図は1問のみ選択式となっており、空調、衛生、電気のいずれかを選択する形となっております。
試験時間は5時間半と長丁場ですが、ギリギリまで時間を使うほどハードです。
ペース配分も気にしながら試験対策が必要となります。
2次試験の合格率・難易度
2次試験の合格率は50%程度とかなり楽な試験のように記述されていますが、受験者のレベルは確実に高いです。
合格率30%の1次試験を合格していますし、2次試験を受験する人の半分以上は、一度2次試験を落ちている人たちであるということを加味すると、1次試験の時と比べ物にならない猛者たちの中で試験をすることになります。
明らかに2次試験の方が1次試験に比べ難易度が上がっております。気合を入れて臨みましょう。
私がやった建築設備士2次試験の勉強方法
2次試験の過去問の解答はどうやって入手する?
2次試験はまず情報収集が大変です。皆さんも調べてみるとわかると思いますが、2次試験対策用の問題集は一般には販売しておりません。
受験元である建築技術教育普及センターのページにも2次試験過去問はありますが、解答はありません。
では、どうしたらいいか…
以下4つの方法により、過去問の解答や勉強用テキストを手に入れることができます。
- 日本設備設計事務所協会連合会の講習を受ける
- 総合資格学院の講習を受ける
- 日建学院の講習を受ける
- メルカリで2次試験対策の資料を売っている方から購入
言ってしまえば、講習を受けることが前提の試験となっているようです。
お財布と相談して、勉強方法を選んでください。
2次試験の勉強は1次試験後すぐに開始
上記内容を踏まえたうえで、私の行った2次試験の勉強方法を説明いたします。
ちなみに私の場合、1年目は不合格で、2年目に合格しています。
1年目にやったことは、1次試験の採点を日建学院のページにて合否の確認をし、2次試験の勉強を開始することに。
合格通知は7月下旬に到着するので、これを待っていると勉強時間が無くなります。
総合資格学院や日建学院などのページで自己採点できるので、1次試験が終わったらすぐ採点しましょう。
テキストの丸暗記では不十分
1年目はあまり考えておらず講習を受ける気がなかったので、とりあえず日本設備設計事務所協会連合会のテキストだけ購入、補助的にメルカリで2次試験対策資料を購入して勉強をしました。
勉強は部分的に、机に迎えるときは製図の模範解答のトレースなど、隙間時間には、記述問題の模範解答を諳んじて覚えるなどしていました。
土日にはまとまった時間が取れたので、過去問の模擬試験をおこなって、内容と時間配分の確認を行いました。
ただ、今となっては、テキストの丸覚えでは不十分だったと感じています。
実際の2次試験では、テキストではカバーしていない分野の問題が出ていました。
試験開始直後にそれを発見して、動揺してしまい試験に集中できなかったことを覚えています。
そこで2年目では1年目の失敗があったので、ゴールデンウイークから勉強を開始し、講習を受けることにしました。
日建学院や総合資格学院といったスクールも活用する
予算の関係で日建学院のオンデマンド講習を選択しました。ネット環境があればどこでも勉強ができたので、洗濯物の最中やお皿を洗う最中に勉強ができたのはとてもありがたかった。
並行して1年目のように机に向かい勉強をしました。
講習を利用するもう一つの利点は、問題用紙、解答用紙、模範解答を提供してくれるところ。
特に解答用紙はA2サイズなので、なかなか手に入らないサイズです。
また、試験前一か月くらいになると、予想問題を提供してもらえました。
ただ、この予想問題はあくまでも予想問題の範囲を超えないので、鵜呑みにせずに勉強の一環として活用するほうが賢明です。
製図対策はCADの活用がおすすめ
製図に限った勉強法になりますが、CADを使用した方法もおすすめです。
本番の2次試験の製図は手書きとなりますが、手書きによる製図は予めレイアウトが決まらないと手を付けられないため、慣れてないと非常に難易度が高いです。
そこで勉強初期はCADを利用して製図をおこなうことにより、全体のバランスをみながら、機器や配管・ダクトなどの配置を検討できます。
解答用紙のサイズは限られているので、納まるようにレイアウトが決められるようになるまで、CADでガンガン作図を行って、感覚をつかんでいきましょう。
CADで書けるようになると、手書きに移行するのはかなり楽になります。ぜひやってみてください。
無料で使える2次元CAD「JWCAD」については以下の記事がおすすめです。
建築設備CADのレブロについて興味のある方は以下の記事がおすすめです。
実際の建物や設備を見学する
私の受けた年度の試験課題は「市街地に建つ図書館」でしたので、国立国会図書館や東京都立図書館などいくつかの図書館に足を運び、実際の建物や設備がどのようなものを採用しているのか見に行きました。
本が劣化しないよう保存する方法や、利用者に振動・騒音を与えない工夫、消火栓の設置場所など、本も手に取らず室内をぐるぐる散策していました。
実際のものを見るのはとても勉強になります。皆さんもやってみてください。
設備の最新動向を調べる
設備のトレンドについても調べました。省エネ方法やZEB、PCB対策など昨今はよく話題に取り上げられます。
さらに先日の地震なども受けて、災害対策や耐震対策などもこれから取り上げられるようになるでしょう。
設備の基本計画だけでなく、時事的な情報も集めておくと対応の幅が広がります。
建築設備士2次試験におすすめのスクール
ここでは建築設備士2次試験におすすめのスクールや講習の内容について、ご紹介いたします。
日本設備設計事務所協会連合会
日本設備設計事務所協会連合会の講習は、受講料25,000円。
丸々1日の講習で、空調・衛生・電気の講義をする内容となっております。
日程・定員は限られていますが、札幌、東京、大阪、福岡の4か所で講習が予定されています。
ただ、募集が始まるタイミングが1次試験日程よりも前であるため、1次試験後では定員に達してしまう可能性が高いです。
救いとしてはテキストのみの販売も行っているので、講習が受けられなくても、テキストを購入して勉強ができます。
日本設備設計事務所協会連合会の建築設備士2次試験準備講習会ページはこちら(募集日近くになると更新されます)
総合資格学院
総合資格学院の講習は、勉強する期間や項目によりコースがいくつかありますが、ここでは建築設備士設計製図中期必勝コースについて記述します。
受講料は360,000円で試験の前年の12月から動画の講義により過去問の勉強があり、6月の1次試験後から先は、毎週1日(水曜または日曜)に8時間の講習がお住まいの近くの総合資格学院の学校であります。(受講しなかった場合は後からテキストが送付されてくる)。
6月以降の講義内容は、設備の基礎や作図方法、当年度の試験課題分析や対策講義、想定問題を解く模擬試験などとなっております。
正直、受講料は高いですが、勉強内容はとても充実しており、講習が日曜にあるので、平日忙しい会社員でも、十分2次試験対策が可能です。
また、同じ目的意識を持った人達と一緒に勉強することにより、モチベーションを維持したまま試験に臨むことができます。
日建学院
日建学院の講習(2次試験対策)は、受講料が100,000円で、動画による講義のみとなります。
テキストは特になく、過去問と解答用紙、模範解答が郵送されてきます。
メリットといえば動画なので、ネット環境と端末があれば、どこでも勉強ができるところです。
一応、質問フォームがあり、問題の解答について疑問点があれば質問ができます。
受講の申し込みは随時可能ですが、7月以前に申し込んだ場合、見られる動画は一昨年までの過去問の講義と解答のみとなります。
7月以降は去年の問題の講義と解答が見られるようになり、8月上旬に本年度の試験対策講義が見られるようになります。
また、各タイミングで問題と解答用紙、模範解答が郵送されてきます。
講義の内容は、設備の解説と過去問の解答、あるいは想定問題の解答です。
総合資格学院ほどサポートはありませんが、2次試験対策としては十分機能します。
ただ、基本的に過去問及び想定問題の解答のみなので、そこから外れた問題が出た場合対応が効かなくなりますので、他の方法で情報収集し、対策する必要があります。
メルカリで試験対策資料を購入する
メルカリによる2次試験対策資料の取得については、数千円、数百円で資料を購入することができます。
安いですが、個人がまとめた資料ですので、カバーしている範囲、信頼性に欠けます。
正直おすすめできません。2次試験勉強開始直後に購入してみましたが、内容は補助的な資料といった感じでした。これだけですと勉強には不十分です。
講習についてのまとめ
個人としてのおすすめは、日建学院の講習を受けながら日本設備設計事務所協会連合会のテキストを購入し、いろいろな視点の解答を総合的に勉強することにより、予期しない問題が出てもある程度対応できる力をつけるという方法です。
総合資格学院のサポートは最高だと思いますが、如何せん投資額が高いので、上記のような作戦で行くのがベターかと思われます。
講習は受けなくてもよいですが、最低限日本設備設計事務所協会連合会のテキストを購入しましょう。
私の周りではこのテキストだけで合格している人もいます。ただ、そのような方は、普段から幅広い設備に係る仕事をしている方でしょう。
建築設備士2次試験の試験前日の準備
筆記用具(シャーペン芯の太いものと通常のもの)、定規、三角定規、電卓(関数電卓不可)、受験票、飲み物などを忘れずに準備してください。
製図はフリーハンドでもよいとされていますが、適宜定規を使用して作図するほうがきれいで早い場合があります。
シャーペンは製図用に太目の芯のものを用意することをおすすめします。
きれいに作図することよりも、多少雑でも分かりやすく、時間を掛けないようにすることが重要です。
長丁場なので飲み物は必須です。蓋つきのペットボトル飲料がおすすめです。
食事に関しては試験中にできますが、時間のかからないものにするか、持ち込まない方が賢明です。
とにかく時間がギリギリなので、時間対策の準備が一番必要かもしれません。
まとめ
思いが詰まりすぎて、ついつい長文になってしまいました。
最後まで読んでいただいて本当にありがとうございます。いかがだったでしょうか?
正直、建築設備士試験の難易度は高いと思います。忙しい中で勉強する時間を確保しなくてはなりませんし、モチベーションを保ち続けなくてはなりません。
時には家族の協力も必要になるでしょう。でも、対策を立てて計画的に勉強すれば絶対合格できます。頭の良さは関係ありません。私でも合格できたんですから。
この記事を読んで、建築設備士受験できそうかもと思っていただけたらとてもうれしいです。まだまだ、この資格を持っている方は多くありません。
ぜひ建築設備士試験挑戦してみてはいかがでしょうか?
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