二級建築士の資格取得を検討する方の中には、独学で挑戦したいけど合格できるのか不安という方もいると思います。
今回は、独学で合格できるのか?その独学の勉強法はどのようなものかをご紹介します!
二級建築士を取得している筆者が自分の体験を通して得たノウハウも含めてお伝えしますね。
二級建築士の独学の合格率や難易度は?
二級建築士試験の合格率は学科約40%、製図約50%、総合約25%です。
合格率からわかるように決して簡単な資格ではないですが、効率的にしっかりと勉強すれば取得可能です。
学科は100点中60点以上で合格です。
建築計画、建築法規、建築構造、建築施工の4科目に分かれており、全科目で13点以上取らなければならないため、満遍なく勉強しなければ合格できません。
製図は手書きで時間内に全ての図面を完成させなければならず、難易度が高い試験となっています。
私は学科試験を独学で合格、製図試験は資格学校に通い二級建築士を取得しました。
学科は独学でも十分合格できます。しかし、製図試験は独学だとかなり難しいです。
ただ、可能性が0というわけではないため、自分に合った対策法を見つけるために今回の記事を役立てていただければと思います。
二級建築士の独学の期間や勉強時間は?
独学で学科試験に合格するには、建築を学んでいても半年は必要と聞いたことがあるかもしれません。
しかし、残り3〜4ヶ月となっても効率よく勉強すれば合格基準に十分到達することができるでしょう。
私も学科は3月末から勉強を始め、学科試験に合格することができました。
平日は1.5時間〜2時間程度、休日は5〜6時間程度勉強し、試験前は勉強量を増やしていきました。
もちろん勉強のペースは人それぞれあるため、余裕を持って勉強時間を確保することがベストですが、6ヶ月前から勉強していないから合格できないということはないので、諦めず資格取得に向け頑張ってみてください。
製図試験も独学で挑戦する方は、作図に慣れていないと学科試験後に試験対策を始めるのは厳しいスケジュールとなるでしょう。
下記で詳しく説明しますが、環境がそろってないと独学での合格はかなり難しいので、早くから対策することが必要です。
二級建築士の独学方法とスケジュールは?
製図(実技)は独学で大丈夫?
製図は独学だと難易度がかなり上がります。
なぜなら失格事項があるからです。
製図試験は、時間内に図面が完成しているか・法規違反をしていないか、この2点を重視して採点されます。
作図スピードは練習を行えば、独学でも短時間で仕上げられるようになると思います。
しかし、本番では早く丁寧に仕上げた図面でも重大な法律違反をしていたら、即失格となってしまいます。
そのため、練習の段階から建築を熟知した設計士の方に採点してもらうことがとても重要となってきます。
そのような協力者が周りにいる場合や、建築業界に長く在籍しており法規も大丈夫だという方は独学で挑戦してみても良いと思います。
製図(実技)と学科(筆記)の独学順番はどちらを先にすべき?
まずは学科を優先して勉強すべきだと思います。
勉強時間が多く必要なのは学科です。
また、学科に合格しなければ製図試験を受ける事もできません。
さらに製図試験で必要になる法規の知識は学科で勉強する内容と重なる部分があるため、製図を行う際に役立つでしょう。
しかし、製図試験も独学で挑戦しようとする方は、学科試験は7月、製図試験は9月で、学科試験が合格してからの準備期間が2カ月しかないため、指導者がいるなど環境が整っていないのであればその期間だけでは合格レベルに達するのはかなり厳しいと思います。
資格学校に通っていても時間内に完成できる作図スピードになるには、試験日前ギリギリです。
そのため、学科試験の勉強に余裕がある方は、製図の練習を行い、手を動かすことに慣れておくと安心です。
製図(実技)の独学方法とスケジュール
製図試験は時間との戦いです。
時間内に要求図面を完成させなければ、失格となってしまいます。
効率よく図面を仕上げるにはかなりの練習量が必要となります。
自己採点で学科に合格した方は、7月中旬ごろには製図の練習を始めることをおすすめします。
まずは、教材などを用いて、試験課題に沿った図面をひたすらトレースして作図に慣れていきましょう。
動画サイトなどで短時間で作図を仕上げている様子を公開してるので、そういった物を参考に、早く作図する方法を身に着けていくとよいでしょう。
8月からはエスキースを行い、課題で要求される部屋を上手く配置できるように練習していきます。
出来たプランは設計士の方などに見てもらい、構造や法規違反していないかなど採点してもらうことが重要だと思います。
繰り返し対策問題を行い、試験までに15枚程度の図面を手掛けられたら理想です。
学科の独学方法とスケジュール
学科試験は出題範囲が広く、計画的に試験対策を行わなければなりません。
効率的な試験対策は過去問を覚えるほど何度も解くことです。
解説付きの過去問題集を購入し、最低でも5年分の過去問を4〜5回は解いてみてください。
何度も間違える問題は覚えるまで解き、過去問をほぼ100%覚えるくらい繰り返してみましょう。
1回目は時間がかなりかかって大変だと思いますが、3〜4回目になるとすらすら解けるようになってきます。
そこまで勉強しきれば、合格できる可能性は非常に高いです。
各科目のポイントをご説明します。
建築計画の独学のポイント
建築計画は新出問題がよく出ますが、それほど多く出ないため、新出問題の対策よりも過去問をより多く解き、試験で同じ問題が出た時に確実に正解できるようにすることをおすすめします。
建築法規の独学のポイント
建築法規はまず過去問の解答を見ながら該当する条例を法令集でひきます。
そして、ポイントとなる点や〜を除くと書かれているところに線を引いて、どのようなことが書かれているのか理解していきましょう。
最初はどこを見たら良いか分からず不安になると思いますが、何度も過去問を解くと同様の問題が出てくるため段々とわかるようになると思います。
法令集の独学のポイント
法令集の線引きは過去に出た問題だけで十分だと思います。
インデックスも最低限あればよいので、時間をかけて法令集全てに線引きを行うより問題を多く解くことを優先するとよいと思います。
建築構造は構造力学の独学のポイント
建築構造は構造力学の問題が難しいです。
どの問題も全て同じ1点のため、時間もかかる力学の問題は、全て捨てる(勉強しない)という受験者もいます。
しかし、私は初めの数問全て解けないと本番で精神的にダメージがあると思ったため、基礎の問題を解けるように勉強しておきました。
試験でも力学問題の半分は取れたので、構造力学の勉強を少しでもやったことがある方は挑戦してみてください。
建築施工の独学のポイント
建築施工も他の科目同様、過去問を解くと出題されやすい問題が分かるようになると思うので、答えを覚えるくらい何度も解いてみてください。
専門的な知識ばかりですが、ネットで調べると工法など詳しく載っているので、活用するとよいでしょう。
二級建築士の独学におすすめのテキスト(参考書)や過去問
私が実際に使用した過去問は令和5年度版 2級建築士試験学科過去問スーパー7です。
過去7年分の問題が詳しい解説とともに載っており、勉強を始めたばかりの方にもわかりやすい内容となってます。
製図試験対策は令和5年度版 2級建築士試験 設計製図課題集がおすすめです。
その年の問題に沿った課題が出されているため、作図練習に役立ちます。
二級建築士の独学におすすめのアプリ
建築士を取得するには、いかに勉強時間を確保するかがポイントとなります。
学科試験は過去問を何度も繰り返し解くことが重要で、製図試験はなるべく多く作図し、時間内に図面を完成させる作図力を身につける必要があります。
そこでスキマ時間に学べる『スタディング』をご紹介したいと思います。
通学の必要もなく、スマートフォンなどのモバイルデバイスがあれば移動時間や外出時にも手軽に勉強できるため、効率よく学ぶことができます。
価格も資格学校より安いため、独学は心配という方や大手の資格学校では金額面が厳しいという方などは、まずは無料講座を試してみても良いと思います。
以下から無料講座を確認することができます。
まとめ
二級建築士の勉強は長期的でかなり大変です。独学だとさらに難易度も上がると思います。
しかし、取得できれば転職や就職に役立ち、自分の自信にも繋がります。
この記事が、独学で挑戦しようと頑張る皆さまのお役に立てれば幸いです!
コメント