パソコンとマウスを使って3DCGソフトを使う3Dモデラーにとって、もっと作業を効率的に、直感的に行いたい!そう思っている人も多いのではないでしょうか?
そんな時におすすめなアイテムが液タブです。
液タブにもいろいろとありますが、今回はXP-Pen社のArtist 12セカンドという液タブの徹底レビューです。
2万円台で買える液タブということでコスパ最強というレビューも多いですよね。
そこで、本記事でも実機を使って、本当にコスパ最強なのか?3Dモデラーとしても機能が十分なのか?などを良い点、悪い点含めて本音レビューしていこうと思います。
液タブ、板タブをまとめていますので参考にしていただければと思います。
以下の記事にもArtist12セカンド以外の3Dモデリングにおすすめのペンタブレットをまとめてありますので参考にしていただければと思います。
XP-Pen社の人気液タブにArtist13.3Proもあります。Artist12セカンドより一回り大きい画面サイズが欲しい人は、こちらも気になっていると思います。
Artist13.3Proのレビューは以下の記事を参考にしていただければと思います。
- Artist 12セカンド レビューの結論
- Artist 12セカンドの特徴
- Artist 12セカンドの実機を使った本音レビュー
- 通常版の中身は必要なものが全部盛りで嬉しい
- スタンドが付属していないので別に買う必要あり
- 4色のカラー展開
- この性能で2万円台という価格が安い
- 上位機種と同じスマートチップ搭載のペン
- コンパクトで軽い
- Windows・Mac・Androidどれでも使用可能
- パソコンとの接続のためにドライバーのダウンロードとインストールが必要
- パソコンとの接続
- Artist12セカンドの電源ON
- アプリの起動
- アプリでの液タブの設定
- アプリでのペンの設定
- カスタマイズ可能は8個のショートカットキー(エクスプレスキー)の設定
- スマホと接続して簡単に使える
- Artist12セカンドでBlenderのスカルプティングをトライ
- フルラミネート加工で視差がほとんどない
- 動画閲覧用のディスプレイとしても使える
- Artist 12セカンドよくある質問
- Artist 12セカンドとArtist 12 proの違い
- Artist 12セカンドとArtist 13セカンドの違い
- Artist 12セカンドの残念なところ
- まとめ
Artist 12セカンド レビューの結論
Artist 12セカンドの総合評価
今回はArtist12セカンドを①ペンの感度、②画面サイズ、③価格、④操作性、⑤サポート充実度、について評価してみました。
評価結果 | |
ペンの感度 | 〇 |
画面サイズ | 〇 |
操作性 | ◎ |
価格 | ◎ |
色表示 | ◎ |
サポート充実度 | 〇 |
操作性については8個のカスタマイズ可能なショートカットキーがあること、色表示についてはAdobe RGB 94%です。
Adobe RGBを簡単に説明すると印刷される色になります。
なのでもしこのAdobe RGBのが低いと画面で描いた絵の色が、印刷すると違う色になってしまうことになります。
Adobe RGBが100%に近いほど、画面の色がそのまま印刷されるということになります。
Artist12セカンドはAdobe RGB 94%なので、初めて液タブを導入する人には問題ないのではと思います。
それにしても前作のArtist12がAdobe RGB 72%だったので、比べ物にならないぐらいパワーアップしました。
Adobe RGB 94%という点、価格については、これだけの機能で価格が2万円台ということで、それぞれ◎をつけました。
3Dモデラーにもバッチリ使える
液タブというとイラスト作成などペイント系ソフトに使うものでしょ?って思われる人もいるかもですが、いやいや3Dモデリングにもバッチリ使えます!
私は3DCGソフトのZbrushやBlenderを使うのですが、粘土細工をする感覚で直感的に3Dモデリングするスカルプティングなんかには本当に重宝しています。
XP-Penさんはペンタブレットを開発していて、日本だとワコム社に次いで2番目にシェアを持っています。
格安のペンタブがそろっているので個人的にも注目しています。
Artist 12セカンドの特徴
Artist 12セカンド豪華版と通常版の違い
Artist 12セカンドには日本限定で豪華版というのがあります。
通常版との比較は以下の表にありますが、クリエイティブに進んでいる日本に合わせて細かな点にも配慮してくれているのがうれしいところですね。
ただ価格が豪華版の方が3000円高くなるので、以下の表の違いも考慮して、私は通常版を購入しました。
通常版 | 豪華版 | |
価格(円) | 29980 | 32980 |
液晶ペンタブレット | 〇 | 〇 |
X3 Eliteスタイラスペン | 〇 | |
X3 Eliteスタイラスペン (デジタル消しゴム付き) | 〇 | |
3 in 1 USBケーブル | 〇 | 〇 |
延長コード | 〇 | 〇 |
替え芯抜き | 〇 | 〇 |
替え芯10本 | 〇 | 〇 |
クリーニングクロス | 〇 | 〇 |
2本指グローブ | 〇 | 〇 |
クイックガイド | 〇 | 〇 |
保証書 | 〇 | 〇 |
専用USB Type C-Cケーブル | 〇 | |
ペンケース | 〇 | |
ペーパーライク保護フィルム | 〇 | |
フィルム貼りツールパック | 〇 |
Artist 12セカンドの実機を使った本音レビュー
通常版の中身は必要なものが全部盛りで嬉しい
それでは実際にArtist 12セカンドの中の同封物を見ていきましょう。
以下のものが入っています。
- 液晶タブ本体
- X3 Eliteスタイラスペン
- 3 in 1 USBケーブル
- 延長コード
- 替え芯抜き
- 替え芯10本
- クリーニングクロス
- 2本指グローブ
- クイックガイド
- 保証書
クイックガイドも日本語があります。
替え芯が10本以上入っているような。。替え芯と替え芯抜きを拡大すると以下の感じです。
スタンドが付属していないので別に買う必要あり
Artist12には残念ながらスタンドは付属していません。
XP-Penから以下のようなArtist12用スタンドが2種類出ていますので、別途購入が必要です。
出典:XP-Pen公式ホームページ
4色のカラー展開
出典:XP-Pen公式ホームページ
Artist 12セカンドは上記のように4色カラー展開なので、自分の好みの色を選ぶことができますよ。
ちなみに私は飽きのこない黒を選びました。
この性能で2万円台という価格が安い
これは私の周りのArtist 12セカンドの購入者で一番多い意見が、「初めての液タブで、この性能で購入しやすい値段」というもの。
XP-PenもArtist 12セカンドよりも上位機種はありますが、初めて液タブを購入する人には確かに値段的にも手が出しやすく、性能もちょうど良いですね。
上位機種と同じスマートチップ搭載のペン
出典:XP-Pen公式ホームページ
Artist 12セカンドには上位機種と同じX3スマートチップが搭載されています。
これにより、アナログ画材を使っているようなリアルな感覚で描くことができつつ、電磁信号を素早く、正確に感知してくれるため、あまり力を入れなくても描けてしまいます。
公式には3g以下の荷重でも動作可能で、筆圧レベルは8192のため繊細な表現が可能ですよ。
充電も不要で、60度まで傾き検知機能があるので、陰影の表現も簡単にできます。
コンパクトで軽い
持った感じの感想は非常にコンパクトで軽いという印象でした。
実際のサイズや重さは以下の通りです。
本体サイズ | 346.2×209×12mm |
作業エリアサイズ | 263.23×148.07mm |
重さ | 880g |
Windows・Mac・Androidどれでも使用可能
Artist 12セカンドはWindows、Mac、Chrome OS、Linux、Androidなど様々なシステムで動作可能です。
各システムの対応機種については公式ホームページでチェックするようにしてくださいね。
パソコンとの接続のためにドライバーのダウンロードとインストールが必要
Artsit12セカンドを使うために、まずやることはドライバーのダウンロードとインストールです。
これをやらずにパソコンとArtsit12セカンドを繋げても使うことはできません。
ダウンロードは以下のXP-Pen公式ホームページから可能です。
ダウンロード後はダブルクリックしインストールを開始します。
以下の画面が出ますので表示されるガイドの通りにインストールし、再起動すればインストール完了です。
パソコンとの接続
私も液タブの一台目を買おうとしていた時に勘違いしていたのですが、あくまでも液タブは入力デバイスなので、単独では使用できません!
OSやソフトもインストールされておらず、PCにつないで初めて使用できるものなのです。
なので、パソコンが不要?パソコンなしでも使える?と期待するかもしれませんが、それは間違いなので注意しましょう。
パソコンとArtist12セカンドとの接続方法は、付属のケーブルを使い、以下のように接続します。
Artist12セカンドの電源ON
上記のようにパソコンとArtsit12セカンドを繋げると自動で使えるようになると思うかもしれませんが、間違いです。
以下のようにArtist12セカンド側面にある電源をONにして初めて使えるようになります。
電源を入れると電源ボタンのとなりが青く点灯します。
アプリの起動
電源がONになったらパソコンのデスクトップ上にある以下のショートカットをダブルクリックで起動させます。
これは前述のドライバーのインストール時にできたショートカットです。
アプリでの液タブの設定
アプリを起動させると以下のような画面が表示されるので各種設定に入っていきます。
まずはエリア(ディスプレイ)の設定を以下の順番(画像内の赤枠部)でやっていきます。
- エリアの設定
- 作業エリアの設定
- 画面エリアの設定
- 保存
作業エリアの設定では、作業エリアのサイズの変更、縦横比、ディスプレイ状の色濃度の設定などができます。
画面エリアでやるのはキャリブレーションぐらいです。
これは初期設定の場合だとペン先とポインターの位置がずれていることもあるので、そのずれを正しい位置に直す作業です。
アプリでのペンの設定
次はペンの設定で、以下の順番(画像内の赤枠部)でやっていきます。
- ペンの設定
- ボタンの設定
- 筆圧感度の設定
- 保存
ペンのボタンではデフォルトでは「ペン消しゴム」と「右クリック」に設定してありますが、これらをカスタマイズすることが可能です。
続いて筆圧感度調整もお好みに柔らかい~硬いまで調整可能です。
設定したら忘れずに保存しましょう。
カスタマイズ可能は8個のショートカットキー(エクスプレスキー)の設定
最後にショートカットキーの設定です。
Artist12セカンドの表面の左側にカスタマイズ可能は8個のショートカットキーがありますので、以下の順番(画像内の赤枠部)でやっていきます。
- エクスプレスキーの設定
- 8個それぞれに設定
- 保存
②の赤枠内で「すべてを表示」を押すと、3つ目以降のショートカットキーの設定画面が現れます。
Blenderなどお使いの3DCGソフトで良く使うコマンドをショートカットとして登録して作業を効率化しましょう。
スマホと接続して簡単に使える
対応デバイスの詳細はこちらで確認できます。
以下のような配線でandroidスマホと接続して簡単に使うことができます。
スマホの画面をもう少し大きくして動画などを見たいという場合、Artist12セカンドとつなげることでディスプレイとして活用することができます。
ただしスマホとつなぐ場合は、USBタイプCケーブルが必要になります。
出典:XP-Pen公式ホームページ
Artist12セカンドでBlenderのスカルプティングをトライ
Artist12セカンドでBlenderのスカルプティング機能を使って簡単な形状を作ってみました。
普通にスカルプティングできましたよ。
Blenderは3DCGソフトですが、ペイントソフトで有名どころのアイビスペイントやCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でも普通に使えました。
子供に渡したらのめり込んでArtist12セカンドが私のもとに戻ってこなくなりました(笑)
フルラミネート加工で視差がほとんどない
Artist12セカンドはフルラミネート加工がディスプレイ表面に施されているため、視差がほとんどないです。
視差とは液タブの画面にペンを当てた際に、描画がペン先とずれて表示されることをいいます。
視差が大きいと作業がやりづらくストレスに感じる方が多いので、その点でもArtist12セカンドなら問題ないです。
いろんな方のレビューを見ていてもArtist12セカンドの視差の小ささを推している人は多いですよ。
動画閲覧用のディスプレイとしても使える
Artist12セカンドは液タブエントリーモデルですが、もし液タブを使いこなしもっと画面サイズが大きい上位機種が欲しいとなった場合、Artist12セカンドをディスプレイとして使い続けることも可能です。
なので上達しても購入したことが無駄になることはないですよ。
メルカリなどで中古として売っても良いですしね。
Artist 12セカンドよくある質問
Artist12セカンドは充電が必要?
Artist12セカンドは充電不要です。
前述しましたとおりArtist12セカンドはパソコンと繋げて使うものなので、パソコンと繋げることで電源ONすることができます。
つなげずに単体で電源ボタンを押しても通電しませんのでご注意を!
ディスプレイがつかない?No Signal?
私は経験したことはありませんが、たまにパソコンのディスプレイにNo Signalというメッセージが表示されることがあるようです。
この原因のほとんどは、ケーブルの緩みや接続不良が考えられるようです。
なので、ケーブル接続をまず確認してみましょう。
万が一の時は保証やサポートも充実
デジタル機器なので故障したり、使い方が分からない時もあると思います。
XP-Pen社ではカスタマーサービスも充実していますので、困ったときは活用してみましょう。
Artist 12セカンドとArtist 12 proの違い
Artist Proシリーズというのもあり、Artist 12セカンドとの違いを気になっている人も多いのではないでしょうか?
主な使用の違いを以下の表にまとめておきました。
ディスプレイサイズ(読取可能範囲)はArtist12セカンドの方が大きく、重さも70gも軽いです。
Artist12 Pro | Artist12 セカンド | |
価格 | 31980円 | 29680円 |
サイズ(mm) | 351.52 x 225.38 x 12.9 | 346.2 x 209 x 12 |
本体重量(g) | 950 | 880 |
読取可能範囲(mm) | 256.32 x 144.18 | 263.23 x 148.07 |
ペン技術 | EMR技術 | X3-Smart-Chip |
筆圧感知 | 8192 | 8192 |
ペン先の沈み込み(mm) | 0.6 ± 0.2 | 0.6 ± 0.2 |
解像度 | 5080 LPI | 5080 LPI |
ペンボタン | 2 | 2 |
色域(Adobe RGB) | 72% Adobe RGB | 94% Adobe RGB |
またArtist 12セカンドとArtist 12 proの違いの大きな違いは以下のようにタッチバーかリングホイールという違いがあります。
Artist12 Proではリングホイールを時計回りや反時計周りに回すことで、ブラシサイズやキャンバスサイズといった機能を素早く切り替えることができます。
もちろんリングホイールに様々な機能を割り当てカスタマイズすることも可能です。
出典:XP-Pen公式ホームページ
上記のようなことからリングホールはより作業の効率化を実現することが可能です。
Artist 12セカンドとArtist 13セカンドの違い
Artist12セカンドの読取可能範囲(ディスプレイサイズ)が小さいと感じる人は、ワンサイズ大きいArtist13セカンドがおすすめです。
画面サイズが大きくなる分、重量も重くはなり、価格も6000円ほど高くなりますが、画面サイズには代えられないという人にはおすすめです。
以下が主なスペック比較です。
Artist13 セカンド | Artist12 セカンド | |
価格 | 35980円 | 29680円 |
サイズ(mm) | 378.0 x 225.0 x 11.99 | 346.2 x 209 x 12 |
本体重量(g) | 1002 | 880 |
読取可能範囲(mm) | 293.76 x 165.24 | 263.23 x 148.07 |
ペン技術 | X3-Smart-Chip | X3-Smart-Chip |
筆圧感知 | 8192 | 8192 |
ペン先の沈み込み(mm) | 0.6 ± 0.2 | 0.6 ± 0.2 |
解像度 | 5080 LPI | 5080 LPI |
ペンボタン | 2 | 2 |
色域(Adobe RGB) | 96% Adobe RGB | 94% Adobe RGB |
Artist 12セカンドの残念なところ
ここではArtist12セカンドの残念なところ、デメリットについて書きたいと思います。
ただ、ここまで読んで頂いた方は感じていらっしゃるかもしれませんが、そんなにデメリットが見当たらないんです。
なんせ、この価格なので。
唯一というか、これを言うと、この価格ではなくなってしまうのですが、あえて言うとスタンドが付属していると最高というところでしょうか。
実際に液タブ使う際は、少し角度を持たせて使うと思うので、現状だと前述したように別売りのスタンドを購入するか、机と液タブの間に何かものを挟んで角度をつけるかだと思います。
とういうことで、価格帯を考慮した上でArtist12セカンドの残念なところやデメリットは見当たらないというのが筆者の感想です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はXP-Pen社のArtist12セカンドをレビューしました。
私以外の方もレビューしているようにArtist12セカンドは性能も十分で価格も安いということで、液タブのエントリーモデルだと思います。
それはもちろん、3DCGソフトを使っているキャラクターモデラーや背景モデラーの方で液タブを導入したいと思っている人にも同様で、エントリーモデルとしてベストバイだと思います。
まとめると以下の点でArtist12セカンドはおすすめです。
- 液タブエントリーモデル
- 2万円台で買えるコスパ最強モデル
- 3Dモデラーにもおすすめ
もしXP-Pen社の液タブの購入を考えている方は、購入前に無料で機器を試すことができる無料貸し出しプログラムがあります。
試せる期間は2週間と、もう至れり尽くせりですね。
プログラムの対象機種などは以下の公式ページでご確認いただければと思います。
ちなみにArtist12セカンドは対象機種に入っていますよ。
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