皆さんは、Zbrushというソフトをご存じでしょうか?
Zbrushとは、スカルプティングという粘土をこねるような操作感で使用できる、高機能な3Dソフトです。
このソフト、フィギュアのデジタル原型や、ハリウッドの映画の3Dモデルにも使用されているほど、非常に完成度の高い作品を作ることができるので、興味のある方も多いのではないでしょうか?
しかし、3Dソフトとなると、まず一番初めに立ちはだかるハードルは・・・そう、パソコンのスペック問題。
プロの現場でも使用されるソフトを使用するためには、とんでもなく高いパソコンを買わなくてはいけないのでは・・・?と、心配になる人もいるでしょう。
実は、このZbrushは、見た目とは裏腹にかなりの低スペックなパソコンでも動いちゃうんです!
そこで今回は、Zbrushを動かすために必要なスペックを紹介しつつ、安価に導入できるおすすめの選び方とパソコンを紹介していこうと思います!
Zbrushを動かすためのパソコンスペックは?
Zbrushを動かすだけなら、実は10万円未満のパソコンでも、数年前のパソコンでも余裕で動いちゃったりします。
賢く主要パーツにお金をかけて、必要のない部分は切り捨てることで導入費用を安く抑えちゃいましょう!
Zbrushを動かすための必要最低スペック
Zbrushを動かすために、最小限必要なスペックは以下です。
OS | 64-bit の Windows 7/8/8.1/10 /11(32bitは不可) |
CPU | 第2世代 Intel Core 2 duo もしくは AMD社の同等製品(SSE4対応必須) |
メモリ | 4GB以上 |
ペンタブレット | WacomもしくはWacom互換のペンタブレット |
モニター | 1280×1024 解像度 |
ストレージ | 8GB以上の空き |
注目すべきは、3Dモデリングソフトに必須といわれるグラフィックボード(グラボ、グラフィックカード)が不要なこと!
これはすごいことですよ。グラボは、パソコンの中でもかなり高価なパーツです。
グラボが必要ないということで、非常に安価にパソコンを調達することができますね。
Zbrushの性能を引き出すためには、それなりのメモリとそれなりのCPUさえあれば、あとはほとんどの市場に出回っているパソコンが実はクリアしています。
ほかの3Dソフトように20万も30万もパソコンにお金をかけなくていいんですね~!
Zbrushを動かすためのおすすめ最適スペック
Zbrushを動かすために、おすすめの最適スペックは以下です。
OS | 64-bit の Windows 7/8/8.1/10 /11(32bitは不可) |
CPU | Intel Corei5/7/9/Xeon もしくは AMD社Ryzen/Threadripper 以上のx64 CPU |
グラフィックボード | ZBrush本体は、どのようなタイプでも利用可能。PolyGroupItプラグイン、BevelProプラグイン使用時のみ2008年以降に製造されたビデオカードでOpenGL 3.3および Vulkan 1.1以降をサポートしている必要あり。 |
メモリ | 8GB以上(数億ポリゴンを扱う場合 16GB以上) |
ペンタブレット | WacomもしくはWacom互換のペンタブレット |
モニター | 1920×1200 解像度以上 |
ストレージ | 8GB以上の空き |
いや推奨スペックでも全然低スペック!Corei5が推奨スペックに載ってる時点ですごいですよね。
Excelファイルとか使うサラリーマンが使ってるノートパソコンでも、ちょっと高めのモデルなら下手したらすいすい動いちゃうわけです。ほんとすごいソフトです、Zbrush。
Zbrushにオススメのパソコンパーツ
ここまで話しといてなんですけど、実はメモリとストレージの違い、よく分かってない人いませんか?CPU?GPU?どっちが重要なんだっけ?
推奨スペックは分かったけど、推奨スペックの言ってる意味が分かんないよー!って人は少なからずいらっしゃると思います。
ということ次は、各パーツにおける働きの説明と、おすすめのモデルを紹介しますね。この項を参考にすると、パソコンを選ぶ時の指標ができますよ!
CPU
CPUとは、人間で例えれば脳です。CPUの能力が高ければ高いほど、複雑で高度なデータを処理する能力を有しています。
最小限スペックでは、第2世代 Intel とのことですが、今出ているのは12世代なんですよね・・・。
ぶっちゃけ第2世代 のCPUなんて、化石のような存在で、パソコンショップで探そうとして見つかるような代物ではありません!!
なので雑な言い方すると、Zbrushを動かすだけなら新品はどれかってもOKって感じではありますね。
とはいえ、CeleronなどおすすめできないCPUも多々ありますので、ここでは最小限スペックで導入しようとしている人にもわかりやすいように、具体的なCPUのモデルを上げていきます。
なお、基本的にCPUの性能は、アルファベットの後の数字が大きければ大きいほどスペックが高いものです。それに比例するように値段も上がっていきます。
最小限スペックでのおすすめCPU
どうせパソコンを新調するのであれば、Core iシリーズにしておきましょう。
これよりも安いCPUはたくさんありますが、Celeronなどはクリエイティブな作業には向いていません。
最小限スペックがいくらハードルが低いからと言って安いだけのCPUに飛びつくと後々後悔しますので、せめてCore iシリーズのエントリーモデル、Core i3にしておきましょう。
最適スペックでのおすすめCPU
CPUは上を見れば見るほど高い高性能なものがありますが、Zbrushにそこまで高性能なCPUは必要ありません。
第11世代のCore i7-11800Hレベルがあれば、十分快適に制作をすることができますよ。
もちろん、これより上位のCorei9などにすれば、より扱えるポリゴン数も増えて余裕が出てきますので、予算が許す人はもっと高機能のものを導入してもいいです。
ただ、このあたりがコスパが一番いいラインだとは思います。
メモリ
メモリとは、例えるなら、作業スペースの広さ。作業スペースが大きければ大きいほど、効率よく、大きなものを作業できるのですが、メモリにはそのような働きがあるのです。。
大きければ大きいほど、パソコンの扱えるデータが増えます。Zbrushでいえば、扱えるポリゴン数が増えていきます。
このメモリというのは、よく記憶領域のストレージとごちゃごちゃになっちゃう人がいますね。
メモリという名前もよくない上に、さらに単位がGBととかいうストレージと同じものを使うので無理はないですね。メモリはデータを保存するものではありませんので注意してください。
Zbrushを使うためには4GB以上必要なのですが、2万とか3万とかで買える怪しい格安パソコンみたいなの以外であれば、最近のものはほぼ4GB以上は積んであります。(というかスマホでも4GBくらいは普通にある)
なので、最小限スペックは意識しなくともクリアしていると思います。
しかしメモリはパソコンの快適性を左右する大きな要素なので、できれば優先的に8GB、もしくは16GB以上にしていきましょう。
グラフィックボード(グラフィックカード)
通称グラボは、Zbrushは実はあまり必要としていません。
これはディスプレイに3Dモデルなどを表示するためのパーツなのですが、これが要らないってどういうことなんでしょうね?謎です。
しかし、一部のプラグインでは使用しますので、下のモデルは積んでいたほうがいいと思います。
最小限スペックでのおすすめグラボ
GeForce GTX 1050 TiはNVIDIA社のエントリーモデル。
正直、グラボの中ではあまり高性能ではありませんが、これで全機能使えちゃうんで、十分っちゃ十分なんですよね。ほんとに。
最適スペックでのおすすめグラボ
GeForce RTX 3060もNVIDIA社のグラフィックボード、ハイエンドクラスの性能を持つグラボです。
さらに上には上がいますが、Zbrushのためにグラボ積むのであれば、もうこれ以上は要らないんじゃないですかね・・・?これでもやりすぎかなって気はします、はい。
コスパよくないのでZbrushに関してはグラボにお金かけなくていいです。
ストレージ
ストレージは、パソコンのデータを保存する記憶領域でよくHDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)の二種類の表記であらわされています。
これはわかりやすいですよね。数字が大きければ大きいほどたくさんのデータを保存できます。
しかし、外付けのHDDなどにデータを保存することでパソコン自体に内蔵するものはそこまで大きくなくても代替できますので、このパーツも優先順位的には低いですね。
最小限スペックでのおすすめストレージ
出来上がるモデリングデータは、やはり3Dなのでそこそこの容量があります。そのため、せめて256GB以上の容量のあるものを選びたいですね。
256GBでは将来的にすぐ不足すると思いますので、早めに外付けHDDなどを導入する必要が出てきます。
最適スペックでのおすすめストレージ
できれば、SSDをお勧めします。HDDに比べて、書き込み、読み込み速度が段違いですので、SSDにするだけで性能がぐっと上がります。
その分価格差がありますが、保存の時だけではなく、パソコンの起動、アプリケーションの起動などあらゆる動作の速度に影響するため、可能であればSSD搭載のものを選びましょう。
SSDを256GB、HDDを500GB積むデスクトップパソコンなどもあり、こういうモデルはSSDにOSやアプリケーションを入れ、制作物をHDDに保存することで高いコストパフォーマンスで快適な操作性が得られるのでお勧めです。
Zbrushにおすすめのデスクトップパソコン
それでは、具体的に各価格帯でおすすめのデスクトップパソコンとノートパソコンを紹介していきます。
安さ重視モデル
安さを求めるならレノボ ThinkCentre M60e Tinyです!
Zbrushは3Dソフトなのに、7万円台のPCでも普通に動かせるのがすごいところですね。
安さを重視しているので、グラボはオンボードですので、一部機能は使用できませんが、それでも普通の使い方はできますよ。
とにかくお金をかけずに始めたい!という人にはこのあたりから買ってみるのがいいかもしれません。
快適スペックモデル
Zbrushを快適に動かすためのおすすめデスクトップパソコンは、レノボのLegion Tower 5i Gen 8エントリです。
CPUはインテル® Core™ i5-13400F、グラボをNVIDIA® GeForce RTX™ 3050を積み、すべての機能を使用できるスペックになっています。
デフォルトの構成でも、メモリが16GBなので既に快適に使用できるレベルです。
もちろん、色々とカスタマイズで高スペックにもできますよ。
予算に余裕があるのなら、1年間引き取り修理などのサポート期間を延長するなどしてみると良いと思います。
シェアトップレベルのレノボなので、色んなサポートが充実してますね。
余裕スペックモデル
余裕スペックモデルのおすすめデスクトップパソコンは、ツクモのAdobe Creative Cloud 推奨スペックPC ~for Movie~ AA7J-C213/ZTです。
第12世代のCore i7を搭載し、メモリも32GBと大きく積んでいます。
グラボも高性能なものを入れていますので、Zbrushであればすべての機能がサクサク動くことと思います。
ストレージも1TBの大容量なため、作品をたくさん作っても余裕で保存ができるのもいいところですね。
Zbrushとマルチタスクでほかのソフトも動かす余裕があるので、Zbrushとほかの3Dソフトを開きながら使用するなんて離れ業もこのモデルなら可能です!
Zbrushにオススメのノートパソコン
安さ重視モデル
Zbrushにおすすめのノートパソコンで安さ重視モデルは、レノボのIdeaPad Slim 5i Gen 8です。
最低限の動作スペックで、とにかく安いノートパソコンがいい!という方はこちらがお勧めです。
CPUはCorei5ということで、そこそこの能力はあります。
しかし、グラボに関してはオンボードのものを使用しているため、PolyGroupItプラグインや、BevelProプラグインは使用できませんが、スカルプティングができればOKであればこちらでも動かすことは可能です。
快適スペックモデル
Zbrushにおすすめのノートパソコンで快適スペックモデルはレノボのIdeaPad Gaming 370i – オニキスグレーです。
薄型で16型のディスプレイモニターを搭載しているため、もち運びと大画面を両立したモデルです。
CPUも高性能で、グラボもNVIDIAのGeForce RTX™ 3050を積んでいるため、すべての機能を使用することができます。
実はこのモデルは、筆者もサブ機として所有していますが、非常に使い勝手がよく、コスパのいいノートパソコンです。
これに小型の板タブを接続して使用していますが、快適に製作ができていますよ!
余裕スペックモデル
Zbrushにおすすめのノートパソコンで余裕スペックモデルは、レノボのThinkPad P16s Gen 2です。
CPUはインテルCore i5、メモリは大容量の16GB、グラボもしっかりNVIDIAのRTX A500を積んでいますので、スペック的には余裕で動かせるスペックを持ったノートパソコンです。
ノートパソコンによくある16型で、解像度も一般的な1920 x 1200ドットなので、デスクトップに慣れた人であれば少し画面が小さく感じるかもしれませんね。
しかしまあ、これだけ高性能なパーツを積んでいれば、Zbrushで今後アップデートが来ても数年は使用できると思います。
Zbrushにオススメのペンタブレット
パソコンの話ばかりしていましたが、実は、Zbrushを快適に使用するためには、もう一つ必須なアイテムがあります。
それは、ペンタブレット!
ペンタブレットとは、マウスの代わりにペンでカーソルを動かすことができるパソコン用のデバイスです。
これのすごいところは、筆圧感知機能があるおかげで、ペンの筆圧により、スカルプトするブラシの強さに強弱をつけられること!
マウスでは一辺倒な操作しかできず、Zbrushの能力は全く生かせません。Zbrushは、ペンタブありきのデザインをされたソフトですので、必ずペンタブレットを利用しましょう!
おすすめの板タブ
Zbrushにおすすめの板タブは、Wacom Intuos Pro Mediumです。
ペンタブレットの王様Wacomの代表的な板タブ、Intuos Proの中くらいのサイズです。
板タブというのは、オーソドックスなタイプのペンタブで、パソコンのディスプレイを見ながら、筆圧を感知する板の上を専用のペンで操作するタイプのペンタブです。
ペンタブが初めてな人は、まずはこういった板タブを導入しましょう。
特に、このモデルはWacomのテクノロジーが詰まった完成度の高いモデルなので、迷ったらまずこれを買っておけば公開することはありませんよ!
おすすめの液タブ
Zbrushにおすすめの液タブは、Wacom Cintiq Pro 16です。
液晶付きの板の上を、ペンでなぞって操作するのが液晶タブレット、通称液タブです。
板タブと違って、ペン先に操作するオブジェクトが表示されているのでより直感的な操作が可能です。
最近では液タブも安価なものが増えてきていますが、品質に間違いがないのは、やはりWacom のCintiq。
ペンタブレットの第一人者ともいえるメーカーなので、安心して使用することができます。
高価なデバイスなので、下手するとパソコンより高くつきますね・・・。
しかし、その分操作性は抜群で、効率アップは間違いなしです。
3Dモデラーにおすすめのペンタブは以下の記事にもまとめてありますので参考にしていただければと思います。
まとめ
あんなに無限にポリゴンが増えていくようなスカルプティングができるZbrushが、意外と安価なパソコンで使用できるのは意外ではなかったでしょうか?
CPUとメモリさえしっかりしていれば、ビジネス用のパソコンでもなんとかなったりしますので、この記事を参考に初めてみてくださいね!
それとパソコンではありませんが、最近個人的にイチオシなのは、昇降式デスクです。
このおかげで在宅勤務しながら、運動不足解消になっています。
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