個人で無料で使える3DCADとして有名なものにFusion360があります。
最近は3Dプリンターの普及により趣味目的でちょっとした小物やアクセサリーなどを3DCADでモデリングして、3Dプリンターで印刷しているという人も増えていますね。
そんな時に重宝するのがFusion360で、無料で使えますし、3Dプリンターに読ませるデータの出力も簡単、ネットにノウハウも豊富にあるということで人気です。
アメリカの大手CADベンダーであるAutodesk社が開発しているCADなので、急にソフトが消滅するなんてこともないですしね。
Fusion360を使うために必ず必要になってくるのがパソコンです。
これからFusion360を始めたいと思っている人や、Fusion360のためにパソコンを新しく買おうと思っている人は、いったいどんなパソコンが良いのか?迷っている人も多いのではないでしょうか?
Fusion360はハイエンドCADではないので、趣味目的であれば、そこまで高スペックなパソコンは必要ないです。
そこで、今回はに、Fusion360に絞ったパソコンの選び方や、おすすめのノートパソコンやデスクトップパソコンを価格帯別にご紹介します。
在宅での運動不足解消と生産性向上には昇降式デスク(スタンディングデスク)がおすすめです。
公式ホームページから見るFusion360の動作環境や推奨パソコンスペック
まず以下がAutodesk社公式ホームページに載っているFusion360の動作環境および必要なパソコンスペックになります。
Autodesk Fusion 360 の動作環境 | |
オペレーティング システム | 【Mac OS】 macOS Sonoma、macOS 13 Ventura、macOS 12 Monterey、macOS 11 Big Sur 【Windows】 |
CPU の種類 | x86 ベースの 64 ビット プロセッサ(Intel Core i、AMD Ryzen シリーズなど)、4コア、1.7 GHz 以上。32 ビットはサポートされません |
メモリ | 4GB(内蔵グラフィックス 6 GB 以上を推奨) |
グラフィックス カード | DirectX 11 以上をサポート VRAM 1 GB 以上の専用 GPU RAM 6 GB 以上の内蔵グラフィックス |
ディスク空き容量 | 8.5GB のストレージ |
画面解像度 | 1366 x 768 (表示スケール 100% で 1920 x 1080 以上を強く推奨) |
複雑なモデリングと処理向けに推奨される仕様 | |
CPU の種類 | 3 GHz 以上、6 コア以上 |
メモリ | 8 GB 以上の RAM |
グラフィックス | VRAM 4GB 以上の専用 GPU、DirectX 11をサポート |
まず上記を考察していきましょう。
OSはMacでもWindowsでもどちらでも良いです。
CPUに関しては、64ビットのみ対応で、インテルのCore iシリーズ、AMDのRyzenシリーズが明記されています。
具体的な機種としては、Corei5以上、Ryzen5以上で問題ないでしょう。
メモリは4GBと書かれていますが、これはあくまでも最低レベルで一般的には8GBは必ず必要で、できれば16GBは欲しいです。
次にグラフィックカードについてです。ここが重要なところで、最低でもDirectX 11以上、複雑なモデリングをする場合はDirectX 12をサポートしたグラフィックカードが必要と書かれています。
このDirectXというのは、Windows上でゲームや動画などのコンテンツを処理させるためにMicrosoftが開発したAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の総称です。
ハイエンドのCADになると、OpenGLというAPIを採用しているところも多く、OpenGLに対応しようとするとNVIDIA社のQuadroシリーズなど高性能のグラフィックカードが必要になります。
ですが、Fusion360は、ミッドレンジクラスの3DCADであり、グラフィックカードもDirectXに対応していれば良いとのことなので、それだけでもグラフィックカードが安価になり、パソコン自体も安くてすみます。
ここまで理解できると、Fusion360にどんなスペックのパソコンが必要になるのかが理解できます。
Fusion360の推奨スペックは、表形式でまとめて後述しますね。
Fusion360の動作環境については、変更があるかもしれないので、詳細は、Autodeskの公式ホームページも参考にしていただければと思います。
Fusion360を快適に動かすための各パーツの必要スペック
Fusion360を快適に動かすために考慮しておくべきパソコンの各パーツは以下のものがあります。
- CPU
- グラフィックボード
- メモリ
- ストレージ
- 画面サイズ
また各部品が3DCADのパフォーマンスに与える影響度は以下の順です。
CPU ≧ グラフィックボード > メモリ > ストレージ
ただ、正直なところ、どの部品にどれぐらいのスペックが必要なのか分かりづらいですよね?
でも大丈夫です。一つずつ確認していきましょう。
CPU
CPUは人間でいう脳にあたります。
高性能なCPUほどパソコンの処理は早くなりますが、上を見ればキリがありません。
今だとインテルのCorei9やAMDのRyzen9があります。
しかし、Fusion360を使うのであればCorei5、Ryzen5ぐらいでも問題ないです。
前述したAutodesk社公式の動作環境だとコア数は4コア、クロック数は1.7GHz以上と書かれていました。
コア数とクロック数とは、CPUの性能を示す数値です。
コア数は、マルチコアプロセッサーというのを聞いたことがあるかもしれませんが、CPUの中にいくつのコアがあるかを表しており、コア数が多いほど同時並行で複数の処理を行うことができます。
クロック数は、クロック周波数とも呼ばれ、CPUが処理する速さで、クロック数が大きいほど、CPUが同じ時間内で多くの仕事を処理できます。
グラフィックボード
グラフィックボードは画面に3Dモデルなどの映像を映すための部品です。
Fusion360用のグラフィックカードを選ぶうえで重要なのは、前述したようにDirectXというにMicrosoftが開発したAPIに対応しているかどうかです。
正直、グラフィックカード内蔵のCPUでもFusion360は動きますし、一応、本記事でもそういったものも後程紹介しますが、できればグラフィックカード単体で搭載されているものをおすすめします。
グラフィックカード単体であれば、NVIDIA社のGeForceシリーズをおすすめします。
ハイエンドCADようにOpenGLのAPI対応だと、NVIDIA社のQuadroシリーズといった高性能グラフィックカードが必要ですが、Fusion360はそこまで必要はありません。
メモリ
Autodesk社の公式ホームページでは、Fusion360のメモリは4GBあれば大丈夫だと言っていますが、これは最低限の数値と理解しておきましょう。
メモリはCAD作業の一時記憶領域です。
この容量が少なく、作業を記憶できなくなると、ハードディスクに書き込みに行くので極端にCADのスピードが遅くなります。
ソフトのシステムダウンにつながることにもなってしまいます。
したがって、8GBは最低限、16GBは欲しいところです。
ストレージ
ストレージの種類は、SSDとHDDがあります。
SSDはHDDに比べて容量あたりの単価が高いので、同じ容量だとSSDの方が高くなります。
ですが、最近は価格差がだいぶ縮まってきました。
SSDだと起動時間が格段に速くなるので、多少の価格差を考えてもSSD一択でしょう。
容量としては、500GBあれば良いです。容量が足りなくなれば外付けのHDDを増設しましょう。
画面サイズ
ディスプレイも4Kなど高性能を挙げればキリがありません。
基本は以下を満たしているものであれば問題ないです。
- 画面サイズはデスクトップ型なら24インチ、ノートパソコンなら15インチ
- フルHD
- IPS液晶パネル
- 非光沢(ノングレア)
Fusion360用パソコンの推奨スペックの表形式まとめ
ここで、上記で説明してきたFusion360用パソコンの各部品の推奨スペックを表形式でまとめておきましょう。
部品 | スペック |
CPU | Corei5以上 or Ryzen5以上 |
グラフィックボード | NVIDIA社GeForceシリーズ |
メモリ | 16GB以上 |
ストレージ | SSD |
画面サイズ | デスクトップ型24インチ、ノートパソコン15インチ |
それでは、上記の必要スペックを踏まえてFusion360用おすすめパソコンを価格帯別にご紹介していきます。
Fusion360のおすすめパソコン(デスクトップ・ノートパソコン)
それでは今まで紹介した必要スペックにあったデスクトップ型パソコンとノートパソコンについて価格帯別におすすめを紹介していきます。
デスクトップ型はCPUやグラフィックボードなどのパーツを交換してグレードアップがやり易い反面、使用する場所が限られます。
ノートパソコンはパーツを交換しにくいですが、軽量なので場所を選ばずに作業することが可能です。
個人的にはノートパソコンをおすすめします。
理由は、パソコンの使用期間を3~5年として場合、最初からある程度の性能のノートパソコンを買っておけば、パーツ交換して性能アップさせる必要はなく、それよりも場所やちょっとした時間でもモデリング作業する方に重きを置いた方が良いと思うからです。
なので、私は趣味目的で、それほど複雑な形状は扱いませんのでノートパソコンを使っています。
逆に仕事ではかなりのハイスペックモデルを使っています。
趣味目的でなく、副業やフリーランスの方で在宅でお仕事される方は、デスクトップ型にしておいても良いでしょう。
安いエントリーモデル(10万円未満)
中々、CAD用パソコンで10万円未満を探すのは難しいのですが、いくつかご紹介します。
やはりグラフィックボードが別体(CPU内蔵でない)の場合、いっきに価格が上がる傾向にあります。
それでもそれほど複雑な形状をモデリングせず、たまに使う程度なら、CPUに内蔵のグラフィックカードでも問題ないです。
ちなみに以下でご紹介する一番上のIdeaPad Slim 550iは私がCAD以外でも使っているものですが、Fusion360を動かしても普通にモデリングできます。
ミドルモデル(10~20万円未満)
エントリーモデルだと不安な方はミドルモデルを選択するのをおすすめします。
ここまでのスペックあれば、急に複雑な形状をモデリングしたくなってもサクサク動くと思います。
ハイスペックモデル(20万円以上)
ハイスペックモデルはFusion360で複雑な形状をモデリングする人向けです。
モデリングだけでなく、大規模なデータを使ったり、CAEやレンダリングなども頻繁にやりたいという人は以下の記事も参考にしていただければと思います。
Fusion360に限らず、3DCADに対するおすすめのデスクトップパソコンやノートパソコンを紹介しています。


Fusion360のスキルアップ方法
これから体系的にFusion360を学びたいという人は、以下のようなアビバが開催しているセミナーがおすすめです。
今まで知らなかった機能を知ると、自己流でやっていたCAD作業が格段に効率化されますので、一度、体系的に学ぶことをおすすめします。
アビバのセミナーの特徴は以下です。
- 無料体験可能
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- Fusion360のよく使うコマンドをしっかり学習
- 学習が続くカウンセリングあり
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以下の記事に更に詳しくFusion360を勉強できる教材を紹介していますので参考にしていただければと思います。
Fusion360を使う上でのおすすめ情報
ここでは、パソコンも手に入れてFusion360を使いこなせるようになった後で、次なるステップアップとして知っておくべきおすすめ情報を紹介します。
3Dプリンター作品集
Fusion360を始める人の中には3Dプリンターを使いたかったから!という人も多いと思います。
まずは3Dプリンターでどんなものが作れるのかをご紹介します。
ちなみに筆者は釣りに使うハンドメイドルアーを作っています。
Fusion360におすすめの3Dプリンター
3Dプリンターには大きく2種類ありまして、溶解積層方式(FDM)と光造形式があります。
ここでは、これら2種類それぞれについておすすめをご紹介します。
それにしても3Dプリンターも自宅で個人でも使えるものもすごく安くなりました。
溶解積層方式(FDM)3Dプリンター
初心者で扱いやすいのはこのFDM式でしょう。
特殊なものを作るのでなければこのFDM式でほとんどがまかなえてしまいます。
私も以下で紹介しているEnder3 V2を持っています。
光造形式3Dプリンター
先に特殊なものと言ったのはフィギュアなどを作りたい人は、この光造形を使う人がほとんどです。
表面が非常に滑らかに作れるためです。
Fusion360で副業する方法
今はFusion360など3DCADを使った副業も盛んに行われています。
各社とも副業規制を緩和し、老後資金の準備に備えよ!ということでしょう。
Fusion360の副業は、クラウドソーシングというサービスを使って仕事を探すこともできますし、そこにプロフィールを登録しておくことで仕事の依頼がくることもあります。
依頼主からの信用が得られれば、継続して仕事が入ってきますよ。


まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はFusion360に絞って、おすすめのパソコンをデスクトップ型とノートパソコンそれぞれでご紹介しました。
これからは人生100年時代とも言われています。
自分で3DCADや3Dプリンターを使えるようになることで趣味の幅を広げたり、副業してみるのも楽しいものです。
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