年々需要が高まっているBIMオペレーター。
BIMオペレーターの技術を活かして収入をアップするチャンスが増えています。
また、中には、BIMオペレーターから建築士へのキャリアアップを考える方もいるかもしれません。
この記事では、BIMオペレーターとして収入をアップする方法と、建築士資格取得を目指す方法を紹介いたします。
1級建築士の資格を持ちゼネコンで設計者として働いている立場で色々とお話しさせて頂きます。
BIMオペレーターが年収をアップさせる方法
BIMオペレーターとしての収入をアップさせる方法
BIMオペレーターの需要は年々高まっています。
BIMは2020年頃から大手設計事務所・大手ゼネコンで開発・導入が進められており、各社とも優秀なBIMオペレーターを探している状況です。
そんな今こそ、技術を認められ、BIMオペレーターとして大手設計事務所・大手ゼネコンに引き抜かれることで収入がアップするチャンスとなります。
また、各社でBIMのソフトやシステムの開発を行っている段階ですので、BIMの豊富な知識や技術を活かして開発側の人材として大手ゼネコンなどに転職することも一つの収入アップの方法です。
BIMオペレーターから転職する場合
オペレーターではない仕事への転職を考える場合、BIMソフトの講師などが一つの選択肢となります。
BIMはまだ普及が進められている段階で、設計事務所などでは社員にBIM講習を受講させていますので、講師の需要も高まっています。
また、BIM業務の事務所の運営も一つのキャリアアップの方法です。
中国や東南アジアを中心に、海外のオペレーターを雇ってBIM業務を受託する業者も増えてきており、大きなビジネスチャンスと言えるでしょう。
高収入のBIMオペレーターの業務内容
ここでは収入アップのために設計事務所やゼネコンに勤めることになった場合の具体的な業務内容を紹介いたします。
設計部のBIMオペレーター
設計事務所・ゼネコンの設計部でのBIMオペレーターの主な業務内容は以下となります。
- 設計者の二次元の図面からBIMのモデルを作成する
- 他の設計者のモデルを自分のモデルに統合する
- 統合したモデルで部材が干渉していないかなどの検討を行う
設計部では設計者の指示のもと、BIMモデルを作ることが大きな役割となります。
設計者は意匠設計者、構造設計者、設備設計者に分かれており、三者のモデルを統合して干渉チェックを行うこともBIMオペレーターの役目です。
設計者にデザイン提案などをすることもできるので、一緒にデザインを楽しみたい方には向いているでしょう。
工事現場のBIMオペレーター
工事現場でのBIMオペレーターの主な業務内容は以下となります。
- 設計図書を基にBIMのモデルを作成する
- メーカーのモデルを受領してBIMモデルに統合する
- BIMのモデルを使って施工に必要な図面を作成する
工事現場では実際にモノを作っていくためのBIMモデルを作ることが大きな役割です。
設計部署でのBIMモデルとの違いはモデルの詳細度になります。
設計部署でのBIMモデルはこの辺に幅900、高さ2100のドアを置く、くらいまでしかモデル化しませんが、工事現場のモデルでは1mm単位で位置をモデル化し、形状も精緻になっていきます。
設計者からBIMモデルが提出された場合は、そのモデルを現場で使えるようにアップデートさせていきます。
建設業ではプロジェクトに数十社の業者が関係するので、各業者の情報を統合して整理することが大切です。
柱、壁、ドア、エアコン、配管、などのモデルを各専門業者から受領し、一つのBIMモデルに統合していくことで、建物のBIMモデルを実際に作る建物と同じものにしていき、完成形を全員で共有します。
作ったときの見え方や、実際に作ることができるか、などをBIMモデルを使って確認しながら建物を作っていきます。
事務所の外では実際に建設が進んでおり、自分のモデルが実際に完成したのを見ることができるので大きな達成感を感じられるでしょう。
BIM開発部の担当者
現在はまだBIMのソフトやツールの開発も各社で進められている段階です。
BIMに関して豊富な知識、高い技術を有している方であれば、BIMのツールなどの開発担当者として企業に所属することも可能です。
業務内容は多岐に渡りますが、以下のようなものがあります。
- BIMモデルを統合するシステムのアップデート
- ソフトのインターフェースのアップデート
- メーカーの製作機械にBIMモデルを取り込ませるシステムの開発
もし自身がプログラミングスキルも有している場合は、BIM作業を効率化するツールなどを開発することも可能です。
もともとCADとプログラミングは相性が良いので、プログラミングスキルを持っていると人材としてかなり重宝されると思います。
また、デジタルファブリケーション(デジタルデータを基にモノを作ること)へのBIMモデルの適用などが求められています。
3Dプリンターで模型を作ることを行ったり、試験段階の試みとしてはBIMモデルを製作機械に取り込み、木材の加工を行う事などが行われています。
BIMオペレーターから目指す建築士
設計者と毎日仕事をしている中で、設計の業務もやってみたいと思う方もいるでしょう。
設計者へのキャリアアップの際に必要になるのが建築士資格です。
また、BIMオペレーターとしても建築士資格を取得していると大きな強みとなります。
BIMオペレーターの業務は図面を基にモデルを作成するのが基本となりますが、図面に全ての情報が書かれていることはほとんどなく、「建築的なセオリー」を踏まえてモデルを作成することが必要となります。
建築士資格を所有しているBIMオペレーターは「建築的なセオリー」や建築の基本知識を有しているBIMオペレーターと見られ、とても重宝されます。
受験資格を満たせる方はぜひ目指してみましょう。
建築士資格の種類
建築士資格は、一級建築士・二級建築士・木造建築士があり、扱える建物規模が異なります。
二級建築士の受験資格は主に以下のいずれかとなります。
- 大学などにおいて特定の課程を修めて卒業した者
- 7年以上の実務経験者
一級建築士の受験資格は主に以下のいずれかとなります。
- 大学などにおいて特定の課程を修めて卒業した者
- 二級建築士の資格所有者
二級建築士受験資格の実務経験にCADオペレーターやBIMオペレーターの業務は含まれないとされているので、オペレーターとして実務経験を積めるのは稀なケースでしょう。
したがって、基本的には大学の建築学科を卒業した方が受験資格を有しているということになります。
建築士資格取得に必要な費用と時間
建築士の試験はマークシート形式の学科試験と、製図試験があり、両方に合格する必要があります。
資格学校の講習に通った場合、以下が費用の目安となります。
- 学科:20万円程度/年
- 設計製図:50万円程度/年
学科試験の学習に関してはテキストを入手して独学で学ぶ方も多いですが、設計製図試験に関しては資格学校に通う方がほとんどなのが実情です。
また、必要な勉強時間は二級建築士で700時間程度、一級建築士で1200時間程度とされています。
スキマ時間など、勉強する時間を確保する準備が必要です。
建築士資格取得に向けた勉強のアドバイス
何よりも継続して勉強時間を確保することが大切となります。
朝の1時間、夜の1時間、通勤時間、昼休憩など、1日1日の時間を無駄にせず勉強を進めましょう。
学科試験はテキストを一通り読んだ後は過去問題に取り組みながら分からない部分をテキストで復習していくのがオススメです。
科目が多いのでテキストを全て記憶するのは難しいですが、過去問題に多く触れることで、出やすい問題の傾向が見えてきます。
出やすい項目を重点的に勉強しましょう。
製図試験は課題文をしっかりと読み、条件の取りこぼしをなくすことが重要です。
建築士試験特有の課題文の表現をしっかりと学び、条件整理の仕方、最後の確認の仕方を意識しながら勉強を進めましょう。
スキマ時間を有効活用しながら、建築士の勉強をスマホを使ってやりたい人はスタディングの建築士講座がおすすめです。
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まとめ
BIMオペレーターとして収入をアップする方法、収入がアップする業務内容、BIMオペレーターから目指す建築士資格についてお伝えしました。
BIMオペレーターは需要が年々高まっている職業であり、今は収入をアップするチャンスと言えます。
大企業からの引き抜きも活発になっている職業ですので、オペレーターの技術を活かして収入をアップさせたいと考えている方は、技術をアピールしてキャリアアップを目指しましょう。
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