モノづくりに必要不可欠なツールとなっているCADですが、機械、建築、インテリア、服飾、趣味の世界など様々なシーンで使われています。
そのCADを使う職業としてCADオペレーターがありますが、この仕事は日本だけのものだと思っていませんか?
答えはNoで、海外でも普通にその職業は存在します。
CADオペレーターの中には海外で働きたい、海外に転勤することになったなど、何かしらの理由で海外に行くことになった人もいるでしょう。
そんなかたのために、CADオペレーターが海外で働き、収入を得て、活躍する方法についてご紹介します。
筆者が実際に行ったアメリカでのCAD実務経験を元にご紹介します。
CADオペレーターが海外で働くケース
冒頭で少し触れましたが日本でCADオペレーターとしてバリバリ活躍していたかたが何かしらの理由で海外に行くことになるケースがあると思います。
- 本人が海外へ転勤
- 旦那さんが海外へ転勤
- 海外で働きたい
- 海外に留学したい
- 人とは違うキャリアを積んで自分の価値を高めたい
想像できる中でも上記のようなものがあるでしょう。
自身がいた業界(機械、建築)でCADソフトを使うことは、専門的スキルで誰にでもできるものではありません。
こういったスキルを海外に行くからといって捨てるのはもったいないですよね?
筆者が見てきたケースでは、CADオペレーターとしてバリバリ働いていた女性が、旦那さんの海外転勤のために会社を辞めることになってしまい、自分の存在意義や社会との繋がりという点で悩んでいたのを目の当たりにしました。
また海外で人とは違う経験を積んで自分の価値を高めたいという人もいるでしょう。
後述しますが、そういった方には、比較的日本と近いアジアなどでのCAD・BIM求人のニーズもあります。
筆者も経験あるのですが海外にいくと日本ほど知り合いもいないので、否応なく自分の時間が増えます。
身に付けたスキルを海外でも活用して、自分らしく活躍する、更にはそれで収入まで得られたら申し分ないと思います。
海外のCADオペレーター事情
実際に海外でのCADオペレーター事情はどんな感じなのでしょうか?
まず海外でも機械、建築、インテリア、服飾、趣味の世界など様々な業界でCADが使われており、海外でもCADオペレーターの仕事が存在し、かなりの就業人口がいます。
例えばアメリカの自動車産業でいうとデトロイトに集まっていますが、そのデトロイト周辺にはGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)といったアメリカ企業をはじめ、トヨタ、ホンダ、日産やヒュンダイなどの海外の自動車メーカーも集まっています。
またそれに紐づくかたちで部品メーカーも集まります。
もちろんそれぞれの企業にはCADオペレーターが不可欠で、それがゆえにデトロイトには多くのアメリカ人、インド人、中国人のCADオペレーターが働いています。
CADに特化した学校も多いとローカルメンバーから聞いたことがあります。
上記は自動車の例ですが、建築や電気などの業界でも、業界のリーディングカンパニーの拠点のある都市で同様の事情があると思います。
海外CADオペレーターの働き方
よりスペシャリスト指向を求められる
海外、特に欧米などでは仕事の役割や責任の所在がはっきりしています。
したがって日本のようにCADオペレーターでありながら事務などの他の仕事を兼任することも少ないですし、良くも悪くも変に他人の仕事を手伝うなどもあまり無いです。
自分の任された仕事をキッチリこなす事を求められ、人の仕事のテリトリーを犯して、仕事を取るようなことはないです。
なので、CADオペレーターであれば、その仕事に集中しスペシャリストを目指すことができます。
ワークライフバランス重視
日本でCADオペレーターというと残業が多いイメージがあるのではないでしょうか?
もちろんアメリカでも忙しい時は残業や、場合によっては休日出勤もあり得ますが、基本はワークライフバランスが重視され、仕事よりも家族を中心に考えます。
これはマネジメントも率先してその考えを重視します。
それが故にワークライフバランスが保たれないと会社を辞めていくケースが多いです。
オンとオフがはっきりしている
日本と違い、アメリカの場合、大型連休はクリスマス休暇ぐらいしかないので、それ以外で自分の業務負荷に合わせて大型連休を取得します。
クリスマス休暇はさすがにどこも混みますが、それ以外は日本の大型連休のように混む事はないのでゆったりと旅行先などで家族と過ごす事ができます。
海外でCADオペレーターとして活躍する方法
ここでは日本人が海外でCADオペレーターとして働く場合、どんな活躍ができるかを書きたいと思います。
日系企業の海外支社でCADオペレーターとして働く
欧米やアジアなど様々な国に日本の企業が進出しています。
アメリカ、欧州、中国、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアなど様々な国に自動車、電機、建築関係の海外支社があると思います。
その海外支社でCADオペレーターとして働くのが一つ目のやり方です。
海外支社といっても日本企業なので、日本からの指示で動く場合も多く、ほとんどが日本で開発した製品を現地ようにアレンジして販売するケースが多いので、日本のやり方を横展開するといったイメージになります。
したがって、日本側の設計部署やCAD部署と連携しながら仕事を進めるケースがほとんどで日本語がわかる人材は重宝されると思います。
日系企業の海外支社で日本と海外のパイプ役として働く
続いては同じく日系企業で働きつつも、慣れてきたら日本と現地のCADオペレーターとの橋渡しをする、いわばマネジメント的に働くことも可能でしょう。
時差の少ないタイ、ベトナムやミャンマーでは、ZoomやTeamsといったCAD画面の共有ツールを使って、設計者とやり取りしながらモデリングしています。
現地のCADオペレーターが日本語が分かれば良いですが、なかなか難しいと思います。
そこをマネジメント的な立場で橋渡しをしてあげるニーズもあると思います。
アメリカなどは日本と時差が12時間あったりするので、日本と昼と夜が反対ですので、打合せやZoomなどでのコミュニケーションは難しいでしょう。
したがって、コミュニケーションはメールやドキュメントになりますが、日本の設計者も忙しいですし、皆が英語ができるとも限りません。
そこも日本語が分かると人材として現地との橋渡しが求められるでしょう。
アメリカなどの場合、日本とのコミュニケーションが上手くいけば、1日24時間フル稼働している状態になるので生産性向上につながります。
海外の現地企業でCADオペレーターとして働く
これは英語がペラペラな必要がありますが、日系企業ではなく、海外の現地の企業でCADオペレーターとして働くケースです。
海外の企業によっては、日本企業でバリバリCADオペレーターとして働いていたノウハウを知りたいと思っているところもあるかもしれません。
そういったこともアピールできると現地企業でも採用されることでしょう。
海外で個人事業主として働く
これは会社に属することなく個人として企業などと契約して働くケースです。
またアメリカなど日本以上にクラウドソーシングが盛んな国もありますので、そこでCADの仕事を探して、自分の好きな時間に好きな案件をこなして収入を得ることが可能です。
中には海外からクラウドワークスなどで仕事をもらって収入を得ているケースもあるようです。
CADオペレーターが海外で働くメリット
- 国によっては日本より給料が高いこともある(欧米など)
- 他の仕事も兼務させられることはない=CADの仕事に集中できる
- ワークライフバランスが保たれている
メリットはいろいろとあると思いますが、まずは上記を挙げてみました。
そもそも物価や医療費が高いというのもありますが、アメリカなどでは給料が日本よりも断然高くなります。
CADオペレーターが海外で副業収入を得る方法
海外で日本人向けにセミナーなどを開催しCADを教えて収入を得るというやり方もあります。
CADだけだとそれほどニーズがないかもしれないので、例えば3Dプリンターもセットで趣向品を作るようなセミナーを開催するのも良いでしょう。
対象も大人だけでなく子供も教えるのも可能です。
海外赴任をしている親は子供の教育に熱心なのもありますし、海外にいる間に教育が遅れのを恐れます。
なので、子供を対象にしてセミナーを開催するニーズはあると思います。
前述した通りデトロイトには日系企業が多数進出しており、海外赴任者も多いです。
実際に日本人の子供向けプログラミング教室を現地企業に働いている日本人が行ったりしていました。
海外で働くには当たり前ですが現地語スキルは必要
ここまで海外でCADオペレーターとして働く方法をご紹介してきましたが、日系企業で働くからといって日本語だけでは通用しません。
現地の言葉もしくはグローバル言語である英語を話せる必要があります。
今ではネットで英語を学ぶことができますが、私のおすすめはAQUESです。
あのメンタリストDaiGoさんも実際に受講していることで有名なマンツーマンオンライン英会話。
科学的かつ効果的な方法でカリキュラムがしっかりと体系立てているから、効果が実感できますよ。
海外でのCADオペレーターに強い転職エージェントランキング
まずは海外案件に強い転職エージェントに登録し情報収集から始めましょう。
当サイトは多くの現役CADオペレーターに書いてもらっていますが、一番苦しいのは転職の一歩が踏み出せず、迷っている時間だったということです。
実際に動いてみると、あの時の悩みは何だったのか?と思うケースがほとんどです。
今はそれほど転職に本気になれない場合も仮の転職活動をやるだけで気持ちが楽になります。
これは多くの方が実感しているので、まずは一歩を踏み出すことをおすすめします。
ベトナムのCADの仕事におすすめな転職エージェント「べとわーく」
日本経済の停滞や、日本社会の閉塞感から海外、アジア転職する方が増えています。
その中で、CADの仕事で言えば、ベトナムも熱い国の一つです。
人口約1億人、毎年6-7%前後のGDP成長率を誇り、キャリアのチャンスも多く、海外転職としては魅力的な国の一つです。
そこでご紹介するのは、ベトナムに特化した転職エージェント「べとわーく」です。
ベトナムで唯一、日系企業に特化したローカル人材会社で、ベトナム情勢に詳しい現地在住のコンサルタント(日本人)が無料でサポートしてくれます。
実際にCADやBIMに関する仕事の一例としては以下のようなものがあります。
いやー夢があります!
ベトナム+CAD・BIMといった人材になれば希少価値間違いなしですよ。
数年ベトナムで経験し、日本に戻ってきたらキャリアップ、年収アップ間違いなしでしょう!
「べとわーく」への登録は無料です。
べとわーくの詳しい内容は以下の記事でも紹介していますので参考にして頂ければと思います。
一般的な海外案件に強い転職エージェント「doda」
続いて海外全般に強い転職エージェントをご紹介します。
以下のdodaで日系企業の海外支社勤務を条件に探してみることをオススメします。
dodaはCMでもお馴染みの大手の転職エージェントで日本企業がどの国に海外支社を持っていて、どんな求人があるかを把握しているところが多いです。
ハイキャリアな海外案件に強い転職エージェント「JACリクルートメント」
ハイキャリアな海外案件を狙う場合は、それに特化した以下の転職エージェントがおすすめです。
エージェントに無料登録後に、カウンセラーに色々と相談しながら情報収集すると良いでしょう。
CADプログラマーを目指す
CADの操作をプログラミングを自動化する取り組みは以前から行われています。
これは海外でも同様です。
CAD操作だけでなく、プログラミングも習得していれば、海外でも貴重な人材になることは間違いなしです。
プログラミング知識がない人でもオンラインスクールに少し通えば対応は可能です。
以下にもCADプログラミングにおすすめのスクールをまとめてありますので参考にしていただければと思います。
海外で働く場合の注意点
海外で働くためには就労ビザが必要になります。
また就労ビザを持っていても事前に就労条件を確認しておくことをオススメします。
クラウドワークスやココナラなど日本のクラウドソーシングサービスを使って海外で働く場合は、現地で仕事をしているとはみなされず、問題にならないこともあります。
いずれにせよ、不安な部分がある場合は、現地の日本人大使館に相談してみるのが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は今まで経験してきたCADオペレーターというスキルを活かし、海外でも働き、収入を得る方法についてご紹介しました。
海外でも少しでも時間を見つけて働くことで、日本に帰国した際もブランクなく復帰することもできますし、海外での仕事の経験を活かし、さらなるキャリアアップも見込めるでしょう。
もちろん、海外での生活を謳歌するために海外旅行して普段行けないところに行くことも重要です。
それと共に、海外で仕事で活躍することも海外生活を楽しむ重要なポイントだと思います。
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