皆さんは3DCADでモデリングをするときに、どんなパソコンを使っていますでしょうか?
ほとんどの人がデスクトップ型のパソコンを使っているのではないでしょうか?
ですが、ノートパソコンでも普通にモデリングできるんです。
ノートパソコンにすることで、カフェや自宅のソファーでくつろぎながらなど場所や時間に縛られることなくモデリングすることができます。
今回は、そんな超便利な3DCAD用ノートパソコンを価格帯別おすすめや、選び方のコツをご紹介したいと思います。
3DCAD用ノートパソコンの各部品の推奨スペックを表形式でまとめて、見やすく後述しています。
3DCAD用デスクトップ型パソコンをお探しの方は、こちらの記事もおすすめです。

AutoCADやFusion360など個人で使えるCAD含め、最近のCADはノートパソコンでも十分動くようになってきました。
3DCAD用ノートパソコンを選ぶ時のコツ
ノートパソコンは、デスクトップパソコンと違って、パーツを交換することができないものばかりです。
なので、最初からある程度スペックの高いものを選んだほうが長持ちします。
またノートパソコンはデスクトップに比べて放熱やスペースの制約があるため、性能がワンランク下がりがちです。そのため、余裕をもってCPUはハイエンド寄り、GPUもできるだけ高性能なものを選ぶのがおすすめです。
画面サイズについてはデスクトップパソコンほど大画面は見込めませんが、それでもモデリングは画面が大きい方が作業効率が上がるのは周知の事実ですよね。15.6インチ以上を選びましょう。
3DCAD用ノートパソコンは一般のノートパソコンより高性能である必要があります。
それは、3D形状を生成するために内部で複雑な計算をしていますし、形状が複雑になるほど、その計算も複雑になるためです。
このパソコン性能に影響するパーツは以下があります。
- CPU
- グラフィックボード
- メモリ
- ストレージ
- 画面サイズ
この中でも特に、CPU ≧ グラフィックボード > メモリ > ストレージの優先順位で3DCAD用ノートパソコンを選ぶの最も重要なコツです。
3DCAD用ノートパソコンに必要なスペック
ここでは、それぞれのパーツについて、3DCAD用ノートパソコンに必要なスペックについてみてきましょう。
CPU
CPUは人間でいうところの脳みそになります。したがって、より高性能なCPUほどパソコンの処理時間が早くなります。
私のおすすめはインテル社製のCore i7以上のものです。
デスクトップパソコンだとCore i5以上でも後でCPUを交換することも可能なので、良いかもしれませんが、ノートパソコンの場合、スペースの関係もあるので、最初からワンランク上のCPUを選びます。
現在ですとワンランク上にCore i9があるので、それぐらいまでが選択肢になってきます。
ちなみにCPUの性能を表す指標としてクロック数とコア数というものがあります。
クロック数とはパソコンの処理速度を示し、値が大きいほど高性能となります。
コア数は、コア数が大きいほど一度に複数の処理をこなせることになります。
マルチコアプロセッサーというのを聞いたことがあるかもしれませんが、これは、コアが複数あるということを意味している言葉です。
現在市販されているノートPC用CPUでは、インテルなら第13世代・第14世代のHX/Hシリーズ(例:Core i7-13700HやCore i9-13900HXなど)、AMDならRyzen 7000番台HS/HXシリーズ(例:Ryzen 7 7735HSやRyzen 9 7945HXなど)が搭載されたモデルがおすすめです。
クロック数、コア数ともに値が大きいほど高性能になり、それを搭載しているパソコンの値段も比例して高くなります。将来的なソフト要求の向上も考慮し、予算が許す限りワンランク上のCPUを搭載したモデルを選びましょう。
CPUモデル | ベースクロック / ターボクロック | コア数(スレッド数) |
---|---|---|
Core i7-13650HX | 2.6GHz / 4.9GHz | 14コア(20スレッド) |
Core i9-13900HX | 2.2GHz / 5.4GHz | 24コア(32スレッド) |
Ryzen 7 7735HS | 3.2GHz / 4.75GHz | 8コア(16スレッド) |
Ryzen 9 7945HX | 2.5GHz / 5.4GHz | 16コア(32スレッド) |
グラフィックボード
3DCAD用のグラフィックボードは、NVIDIA社製のものが多く使用されています。
NVIDIA社製グラフィックボードにもいくつか種類があり、ここでおすすめするのは、NVIDIAシリーズもしくはGeForceシリーズです。
NVIDIAシリーズはクリエイター向けで、GeForceシリーズはゲーム向けと表現されることが多いです。
性能、価格を比較すると、ともにNVIDIAシリーズの方がGeForceシリーズよりも高いです。
理由は、一般的に3DCADは、OpenGL(Open Graphics Library)とう3Dモデルの演算や描画の標準規格を採用しており、NVIDIAシリーズはその規格に対応しているためです。
もちろん、NVIDIAシリーズとGeForceシリーズ、それぞれにも種類があり、性能や価格も色々です。
NVIDIAシリーズとGeForceシリーズのスペックの違いについては、NVIDIA社の公式ホームページを参照ください。
メモリ
メモリは、パソコンが処理をするときに一時的に記録する場所です。
メモリが大きいほど一時記憶スペースが増えるので、パソコン処理も早くなります。
おすすめは16GBですが、ノートパソコンは一般的にメモリ増設ができないこともあるので、メモリスロットの有無を確認し、増設可否を見ておきましょう。
メモリスロットがあれば、あとから必要に応じて増設すれば良いのですが、なければ最初から32GBぐらいにしておいたほうがよいです。
ストレージ
ストレージとは、3DCADで作成したデータを保存しておく場所です。
HDDとSSDがありますが、SSDの方が、データの読み込み、書き込みのスピードが速く、パソコンの起動も早いです。
ストレージが足りなくなれば外付けのHDDを買えば良いです。
画面サイズ
CADオペレーターをやっている人は分かると思いますが、画面が小さいとモデリング時にイライラすることが多いと思います。
画面上で3Dモデルを拡大はできますが、それでも限界があります。
複数の画面を表示させたいというケースもあると思うので、モニターサイズは15.6インチ以上がおすすめです。
近年は16インチや17.3インチのモデルも増えており、画面比率も16:9だけでなく16:10のモデル(同じ対角寸法でも縦方向に表示領域が広い)も登場しています。例えば15.6インチ16:9より、16インチ16:10の方が面積が広く情報量が多いので、図面やモデリング画面をより快適に表示できます。
ただ画面サイズを大きくすると、今度はパソコンの重さが増えるので、持ち運びに不便になるのでそこは気にしておきましょう。
更に大きな画面サイズを求める場合は、外付けのモニターを購入することをおすすめします。
推奨スペックの表形式まとめ
ここで、上記で説明してきた各部品の推奨スペックを表形式でまとめておきます。
パーツ | 推奨スペックの目安【2025年】 |
---|---|
CPU | インテル Core i7 Hシリーズ以上 (例:Core i7-13700H / Core i9-13900HX)AMD Ryzen 7 7000シリーズ以上 (例:Ryzen 7 7735HS / Ryzen 9 7945HX) |
グラフィック | NVIDIA GeForce RTX 3050以上 (理想は RTX 4060/4070 クラス)※プロ用途は NVIDIA RTX Aシリーズ (Ada世代) 搭載機種も検討 |
メモリ | 16GB以上 (可能なら32GB、増設スロット有りなら尚良) |
ストレージ | SSD 512GB以上 (NVMe接続高速SSD) |
画面サイズ | 15.6インチ以上 (解像度フルHD以上、できればWQHDや4Kも) |
本体重量 | ~約2.5kg(持ち運び重視なら2kg以下) |
それでは、上記の必要スペックを踏まえて3DCAD用おすすめノートパソコンをご紹介していきます。
3DCADモデリング用ノートパソコンを販売店や価格別におすすめ
3DCAD用ノートパソコンの価格相場は?
3DCAD用ノートパソコンの値段はデスクトップパソコンに比べて少し値段が高い傾向にあります。
それは、デスクトップパソコンはモニターやキーボードなどが含まれていない値段を表示する販売店がほとんどなのに対し、ノートパソコンは、最初からモニターもキーボードもセットなので、その分、どうしても高くなってしまいます。
3DCAD用デスクトップパソコンの相場が20~30万なのに対し、ノートパソコンは、20~35万ぐらいです。
後でもご紹介しますが、グラフィックボードがGeForceシリーズのものは安いですが、NVIDIAシリーズの高性能なものになると高くなります。
3DCAD用のデスクトップパソコンは、BTOメーカーというカスタマイズ専門店がありますが、ノートパソコンについては、取り扱っているBTOメーカーが少ないため、レノボやHPというメーカーの方が取り扱いが多いです。
それでは以降で3DCAD用途に適したノートパソコンのおすすめモデルをご紹介します。
今回はメーカー別・価格帯別に、代表的なモデルをピックアップしました。国内で入手しやすい「レノボ(Lenovo)」、「HP(ヒューレット・パッカード)」、そしてBTOカスタマイズにも強みを持つ「ツクモ」のクリエイター向けモデルから、2025年春時点の最新スペック搭載機を選んでいます。各メーカーごとに低価格帯から高性能モデルまでバランスよく取り上げていますので、自分の用途に合ったゾーンからチェックしてみてください。
「レノボ」の3DCAD用ノートパソコンおすすめ
レノボはPC業界大手だけあって、エントリー向けからハイエンドまで幅広いノートPCをラインナップしています。ここではLenovoブランドの中から、3DCAD用途に適したモデルを3機種ご紹介します。
- 1台目は価格重視のエントリーゲーミングモデル。初めてのCAD学習用にもおすすめです。
- 2台目はバランス型のゲーミングノート。高性能GPU搭載でミドルレンジの価格帯です。
- 3台目はプロフェッショナル向けモバイルワークステーション。信頼性重視の高性能モデルです。
「HP(ヒューレットパッカード)」のZBook Furyシリーズ
HPからは、ゲーミングノートとモバイルワークステーションの両面でおすすめモデルを紹介します。HPはグラフィック用途向けノートPCの品揃えが豊富で、ゲーム向けのOMENシリーズから、プロ向けのZBookシリーズまで揃っています。ここでは計4機種をピックアップします。
- 1台目・2台目は「OMEN 16」の最新モデルで、高いゲーム性能を備えつつ価格を抑えたラインです。CAD用途にも十分応えてくれます。
- 3台目・4台目は「ZBook Fury 16 G10」の構成違いで、モバイルワークステーションの最高峰とも言えるシリーズです。プロ仕様の強力なスペックを求める方向けです。
ツクモのCAD用ノートパソコン
最後に、BTOカスタマイズで知られるツクモのクリエイター向けノートパソコンを4つご紹介します。ツクモは数少ないノートPCのBTOに力を入れている国内メーカーで、クリエイターやゲーマー向けの高性能モデルを独自に販売しています。
標準スペックでもコストパフォーマンスが良く、時期によってはセールでお買い得品が見つかるのも魅力です。 ツクモ扱いのノートPCは、台湾メーカー(MSIやGIGABYTEなど)のモデルをベースにしたものも多く、信頼性と品質を保ちつつ国内サポートを受けられるメリットがあります。
またOfficeソフトの有無やメモリ容量など、一部カスタマイズを選択できる機種もあります。 ここでは、ツクモおすすめモデルとしてMSI製やGIGABYTE製の高性能ノートを中心に4機種を選びました(いずれもツクモにて購入可能なモデルです)。
- 1台目はMSIの薄型軽量ノートで、高性能とモビリティを両立したモデル。
- 2台目はGIGABYTEのゲーミングノートで、バランスの良いスペックを持つモデル。
- 3台目はGIGABYTEのクリエイター向けノートで、高品質なOLED画面を搭載したモデル。
- 4台目はRazerのフラッグシップノートで、最高峰の性能を誇るモデルです。
3DCADモデリング用ノートパソコンを中古で買う
新品が予算的に難しいという人は、中古で買うという方法もあります。
その際、以下の理由で大手の中古販売店を選択したほうが良いです。
- 整備がいきとどいている
- 在庫が豊富
- 中古でも保証期間がある
おすすめのCAD用ノートパソコンの中古販売店は、以下です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は3DCADモデリング用ノートパソコンのおすすめについてご紹介しました。
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