世の中がIT化、DX化に進んでいる中、3DCG(3Dコンピューターグラフィックス)で作られた映像は、映画、アニメ、Youtubeなど様々なところで見られるようになりました。
こういった3DCGの技術を使って映像を制作しているのが3DCGデザイナーやクリエイターの方々ですが、自分もそういった映像や作成を世の中に出したい!そう思っている人も多いと思います。
私もそうでした。
しかし3DCGデザイナーやクリエイターになるにあたり、最初は何をどうやって学べばよいか分からないと思います。
そこでおススメするのが私も選んだ専門学校で現役のプロに教えてもらう方法です。
ただ3DCGの専門学校が沢山あり、どこが良いのか分からないもの。
授業料もかかりますし、最初の専門学校選びがその後のキャリアに影響を与えるといっても過言ではないでしょう。
そんな中、今回は私も通ったデジタルハリウッドについて、卒業生の視点からデジタルハリウッドに通うメリット、デメリット、就職状況、学費などをご紹介したいと思います。
デジタルハリウッドの卒業生である私が詳しく口コミします。
デジタルハリウッドの概要
まずはデジタルハリウッドの基本的な情報から見ていきましょう。
設立は1994年で、東京や大阪などの首都圏を中心に関東、関西、中部、九州、中国・四国、北海道・東北など全国に校舎があります。
今までの卒業生の数はなんと9万人という実績があります。
学科については以下があり、かなり充実しています。
- デザイン
専科Webデザイナー専攻
専科ネット動画クリエイター専攻
本科UI/UXD専攻
グラフィックデザイン講座 - 3DCG
専科3DCGデザイナー専攻
本科CG/VFX専攻
CGGYM - アドバンスプログラム
ドローン専攻
CGヒーローズ
Web Styles
デジタルハリウッドの学費について
私が選んだ専攻は3DCGの「本科CG/VFX専攻」というものでした。
専科3DCGデザイナー専攻でなく、本科CG/VFX専攻を選んだのは、そちらのほうが授業数が多くカリキュラムも充実しているからです。
仕事をしているなら土日だけの専科を選んだかもしれないですが、デジハリだけに専念するつもりだったのでこちらにしました。
学費は、1年間で1200,000円[税抜]でした。
これを高いと考えるかどうかだと思いますが、私としてはカリキュラムや講師陣の教え方、使える設備などを考えると妥当だと思います。
もちろん、通う側の学ぼうとする意欲によって、この授業料の元が取れるかどうかは決まってきます。
学費は分割払いもしているので、私もそれを利用していました。
分割だと月々の支払いは以下のイメージです。
- 24回払い⇒42,113円
- 48回払い⇒22,169円
- 60回払い⇒18,191円
私はデジハリを卒業後、3DCG制作会社で働きながら学費の返済をしています。
デジタルハリウッド大学と専門学校の違い
デジハリは専門学校の他に大学や大学院もあります。
デジタルハリウッド大学もデジタルハリウッド(専門学校)も、どちらも同じ会社が運営していて同じビルに入っています。
明確に違うのは、デジタルハリウッド大学は大学なので誰でも入学できますが専門学校は20歳以上という制限があります。
受講者の年齢層もかなり違います。
また専門学校はあくまで社会人向けの塾に近いので、国から認可された学校ではありません。
ざっと学費などや通学期間を比べると以下の感じです。
- デジハリ専門学校
例)Webデザイナー専攻(6ヶ月):450,000円(税込:495,000円) - デジハリ大学(4年間)
1年次:1,590,000円
2年次以降:1,340,000円 - デジハリ大学院
1年制の場合:1,668,000円
2年制の場合:2,736,000円(2年間合計)
詳しくはホームページを参考にしてください。
デジハリは1年で未経験からプロのCGデザイナーになれる
デジタルハリウッドスクール(以下デジハリ)が数あるCG専門学校と違うのは、1年間でプロを目指せるという点です。
通常、専門学校では長くて4年、短くても2年かけてデッサンなどの基礎からじっくり時間をかけて学びプロを目指します。
しかしデジハリでは、3DCGデザイナーになるために最低限必要なスキルを1年間で学びます。
デッサンの授業もありましたがあくまでオプションといった感じで全員が受けてはいませんでした。
もちろん専門学校の半分以下の期間でCGを学ぶのは決して楽な時間ではないでしょう。
途中でやめていくクラスメイトも少なくありません。
それでも私にとって同じ志を持った仲間たちと切磋琢磨しながら学べた1年間はとても充実していました。
そのときのクライメイトとは今でも交流があり、かけがいのない仲間だと思っています。
また受講者の層も専門学校とは異なります。
多くは他業界からの転職希望者で、働きながら仕事終わりに通ったり、仕事を辞めてすべての時間を3DCGの勉強につぎ込むなどやる気のある方が多かったです。
年齢層もバラバラで、私のいたクラスは下は20歳、上は40台後半と幅広く在籍していました。
もちろん若いうちからはじめるに越したことはありませんが、この年齢から3DCG始めるのは遅いかな・・?と思っている方もあまり心配しなくてもよいでしょう。
デジハリの講師は第一線で活躍する現役クリエイター
デジハリには多くの講師がいますが、ほとんどが業界の第一線で活躍されているの現役のクリエイターです。
知識だけ豊富で実務経験が全然ない。。といった人はいません。
現場で実際に使われている血の通ったノウハウを学ぶことが出来ます。
また3DCGにはモデラー、アニメーター、エフェクトアーティストなど様々な職種がありますが、それぞれの分野のエキスパートたちから学べるのもデジハリの魅力の一つです。
講師から業界のトレンドや人材募集中の企業の情報なども知ることも出来るので、就職活動の際に参考になりました。
デジハリは深夜でも勉強出来る充実の設備
デジハリの特徴として、オールナイトフリータイムという制度があります。
授業で使われていない教室はフリータイムとして開放されているのですが、なんとこれが24時間使うことができるのです。
実際に終電が過ぎたあとも学校に残り、朝に帰る方も多くいました。
私は地方から上京してきたのですが、終電を気にせず家に帰れるように学校の近くに部屋を借りて深夜に歩いて帰宅していました。
中には学校で寝泊まりし1週間に一度しか帰宅しない猛者もいたくらいです。
この環境はクリエイターにとって素晴らしい環境だと思います。
やはり1年間で3DCGを学ぶには授業時間だけでは全く足りないので、フリータイムを利用して自習しなければなりません。
教室の開館時間を気にせず作業に没頭できるこのオールナイトフリータイムは、デジハリに入って一番良かったと思う点でした。
デジハリオンラインも講座が充実
デジハリはオンライン学習もできます。
以下の通り、そのオンライン講座の充実ぶりは目を見張るものあります。
コース名 | 講座名 | 受講料(円・税込み) |
3DCG総合コース | 3DCG・映像クリエイター講座(3ds MaxまたはMaya) | 355300 |
3DCGクリエイター講座(3ds MaxまたはMaya) | 322300 | |
プロフェッショナルスキル | NUKE講座 | 55000 |
Houdini講座 | ||
アニメーションスタイルキャラクター編 | 33000 | |
キャラクターライティングとVFX講座 | ||
ビギナースキル | 実写VR講座(基礎編) | 0 |
ZBrushマスター講座 | 49500 | |
Vroid Studio講座 | 5500 | |
After Effects・Premiere講座 | 74800 | |
クリエイターに必要なデッサン力養成講座 | 88000 | |
ネット動画クリエイター | ネット動画広告入門 | 53900 |
ネット動画クリエイター講座 | 281600 | |
ゲーム制作 | Unity講座 | 55000 |
Unity講座(VR編) | ||
Unreal Engine講座 |
有名なデジタルハリウッドの卒業生
デジハリは数々の有名なクリエイターを生み出してきました。
私の通っていた3DCGコースの卒業生で言うと、ホームページにも載っていますが
- 卒業後にフリーランスのクリーチャーアーティストとして活躍されている森田 悠揮さん
- 医療CGクリエーターという唯一無二の肩書を持ち、会社経営までもされている瀬尾 拡史さん
などがあげられます。
その外にも大手ゲーム会社に就職された方も多くいます。
業界での知名度が高いデジハリには毎年たくさんの生徒が受講しに来るので今後も多くの優秀なクリエイターを生んでいくでしょう。
デジハリの就職支援は?就職活動はスカウト形式も
デジハリでは以下の方法で生徒の就職や転職の支援をしています。
- クリエイターズオーディション
- キャリアセンター
- 企業ゼミ(在校生限定インターンシップ)
デジハリの就職活動は特徴的です。
最後の課題である卒業制作を提出したあとその発表会が開かれ、多くの企業の採用担当者の前で自分の作品をアピールすることになります。
1年間の勉強の成果をたくさんの業界人たちに見てもらえるのです。
そしてこの後が変わっていて、講師陣に選ばれた数名だけが参加できるクリエイターズオーディションというものがあります。
このクリエイターズオーディションは、学内審査で上位10%~15%に選ばれた方だけが出場できるオーディションで、優秀な受講生を求めて、企業の採用担当者が100名以上集まります。
そしてオーディションで作品を観た企業の方から、興味のある学生に直接名刺を渡してスカウトが行われます。
私もこれに参加し、数社からオファーをいただきました。
デジハリに入ったらひとまずクリエイターズオーディションに参加するのを目標にするといいでしょう。
これに参加できるのは実力が認められた証でもあるので、就職活動をかなり有利に進められると思います。
またもしクリエイターズオーディションに参加出来なくても、キャリアセンターで就職や転職を親身になってサポートしてくれます。
個別指導でポートフォリオの書き方や限定求人の紹介もあったと思います。
ほかにも、講師の方に気に入られてそのまま講師と同じ勤務先に入れてもらったり、ほかの企業を紹介してくれるケースもあります。
デジハリは業界でもかなり知名度が高く、やる気のある学生も多いため企業からの注目も熱いようです。
デジハリ卒業後、私のCG関係の仕事内容は?
私の場合、前述した通りクリエイターズオーディションにより就職活動については全く苦労しませんでした。
オファーを頂いた数社の面接に行きました。
その中からさらに興味のある数社にお話を聞きに行かせてもらい、その中から1社に絞りました。
その会社に決めた理由は、私の尊敬するアーティストや業界でも有名な方が多数働いており、こんなすごい人たちと一緒に仕事が出来ればきっといろいろ学べると思ったからです。
今では背景モデリングに特化した会社で、ゲーム、映画、CM、遊技機など幅広いコンテンツに使われるCGを作っています。
ソフトは基本的にMayaで、SubstancePainter、Zbrush、Marverous Designerなどもたまに使います。
セルルックな案件もありますが、基本的にはフォトリアルなルックを得意としています。
デジタルハリウッドのデメリット
最後にデジハリのデメリットについて触れていきます。
デジハリは本気で3DCGを学びたい人にとってはとてもよい環境ですが、そうでない生徒の面倒までは見てくれません。
実際私の在籍していた年は、最後の課題である卒業制作まで提出できた人は入学時の半分ほどでした。
多くの生徒は途中で仕事が忙しくなって学校に来なくなったり、3DCGは向いていないと判断し辞めていきました。
入学を検討中の方は、なんとなく3DCGって面白そう、お金になりそうという気持ちではなく、しっかりした調べたうえで覚悟を持って入ったほうが良いでしょう。
3DCGに華やかなイメージを持って入学する方は多いですが、実際は地道な作業も多くセンスも必要になってきます。
ましてや1年間しかありませんから、未経験から就職を目指すなら一日の大半はCGに費やさないと難しいです。
分からないことが合っても、講師の方は普段も業務もしているためいつも学校にいるとは限りませんし専門学校のように一人一人に手取り足取り教えてくれることもないので受け身の姿勢でいるとすぐに置いて行かれます。
しかし逆に言うとそれだけみんな本気になっているということでもあります。
私のクラスは絶対に1年でプロになってやる!という意気込みの強い人達ばかりでした。
意志が弱くて独学でやる自信はないから本気で自分を追い込める環境に身を置きたい!といった方は、ぜひデジハリをご検討ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は私も通ったデジタルハリウッドについてご紹介しました。
まとめると以下の感じです。
- 1年で未経験からプロのCGデザイナーになれる
- 講師は第一線で活躍する現役クリエイターが多い
- 深夜でも勉強出来る設備が充実している
- 有名なデジタルハリウッドの卒業生が多い
- 就職支援が充実!ユニークなスカウト形式もある
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