インテリアコーディネーターは、インテリアや住宅や商品に関する幅広い知識・専門的な技術などを駆使し、家具やカーテン、照明等の商品をトータルにプロデュースするプロフェッショナルです。
無資格でもインテリアコーディネーターとして働くことはできるのですが、資格があることでより知識も深まり、顧客への説得力も高まります。
本記事では、インテリアコーディネーター資格の取得を検討している人へ、資格の難易度や合格率、勉強法を解説します。
インテリアコーディネーターの資格とは?
インテリアコーディネーター資格は、公益社団法人インテリア産業協会が認定する民間資格です。
資格試験の受験資格に制限はなく、誰でも受験することができます。
受験のチャンスは年1回で、2023年は9/15〜10/15に一次試験、12/3に二次試験が実施されます。
2023年より一次試験がCBT方式(Computer Based Testing:コンピュータを利用して実施する試験方式のこと)となり、希望日時を選んでテストセンターで受験することになりました。
一次試験は択一式の試験で、試験範囲は以下のように定められています。
- インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
- インテリアコーディネーターの仕事に関すること
- インテリアの歴史に関すること
- インテリアコーディネーションの計画に関すること
- インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
- インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
- 環境と設備に関すること
- インテリアコーディネーションの表現に関すること
- インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
一次試験の試験時間は120分です。
二次試験は記述式の試験です。
インテリアの基礎知識をもとに、住まいなどのインテリアに関する与えられた課題について、与条件を理解した上でインテリア計画を行い、図面作成や着彩により必要な情報を分かりやすく表現・伝達する能力を問われる「プレゼンテーション」と、住まいなどのインテリアに関する与えられた課題について、的確な回答を文章で表現する「論文」の試験があります。
二次試験合格後、資格登録申請を行うことで、資格登録証を受け取ることができます。
インテリアコーディネーターの難易度や合格率は?
インテリアコーディネーターの難易度は、比較的高いと言われています。
受験資格に制限はありませんが、専門的な内容が多く問われるため、建築やインテリアに関わる仕事の経験がない人は、資格取得に少し苦労されるかと思います。
次に、インテリアコーディネーターの合格率を見てみましょう。
過去5年間の一次試験の合格率は以下のようになっています。
試験年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年 | 8,669人 | 2,969人 | 34.2% |
2021年 | 9,640人 | 3,166人 | 32.8% |
2020年 | 7,908人 | 2,693人 | 34.1% |
2019年 | 6,992人 | 2,428人 | 34.7% |
2018年 | 8,542人 | 2,766人 | 32.4% |
受験者数は年度によりバラつきがありますが、一次試験の合格率はおおむね32〜35%程度となっています。
また、過去5年間の二次試験の合格率は以下のようになっています。
試験年度 | 受験者数 (内一次免除者数) | 合格者数 | 合格率 |
2022年 | 3,795人 (1,261人) | 2,193人 | 57.8% |
2021年 | 3,951人 (1,226人) | 2,334人 | 59.1% |
2020年 | 3,526人 (1,191人) | 2,045人 | 58.0% |
2019年 | 3,292人 (1,239人) | 1,896人 | 57.6% |
2018年 | 3,620人 (1,171人) | 2,135人 | 59.0% |
二次試験の受験者数は例年3,000~4,000人程度で、その内1,200人前後は一次試験の免除者(前年度以前に一次試験に合格した人)のようです。
二次試験の合格率は57〜59%程度で、一次試験に比べると合格率は高くなっています。
インテリアコーディネーターの取得メリット
インテリアコーディネーター資格を取得するメリットは、次のようなことが挙げられます。
専門知識が身につく
インテリアコーディネーターの試験勉強を通して、専門知識を身に付けることができます。
建築業界で働く人であっても、インテリアの勉強を基礎からやったことがあるという人は少ないと思います。
試験では、インテリアに関する幅広い知識を問われるため、インテリア計画や法律、材料特性など専門的な知識を身に付けることができます。
専門性の証明になる
インテリアコーディネーターとして働くには、資格が必ずしも必要なわけではありませんが、資格があることで、専門的な知識があることの証明になります。
顧客から見ても、資格があるというのは、「この人に任せても良い」という安心材料になりますから、顧客の信頼を得て、スムーズに仕事を進められることでしょう。
就職・転職に有利になる
先述した通り、資格があることで、専門知識があることの証明になるため、就職や転職を有利に進めることができます。
インテリアコーディネーターは住宅や住宅設備の販売や設計といった事柄に関連する幅広い業界で活躍しています。
ハウスメーカー、住宅関連機器メーカー、オーダーメイドカーテンの専門店、インテリアショップなど、就職・転職先として選べる業種は多岐にわたります。
また、キャリアを積んでいけば、独立開業も可能になるでしょう。
人脈が広がる
インテリアコーディネーターの資格を取得すると、社団法人インテリア産業協会が主催するセミナーや展示会の情報を入手することができるようになります。
そういった場に参加することで、同じインテリアコーディネーターと交流を持つことができ、人脈が広がります。
人脈が広がることで、仕事で役立つ様々な情報も得ることができるでしょう。
インテリアコーディネーターにおすすめのスクールは?
インテリアコーディネーターの試験勉強では、特に二次試験対策において、プレゼンテーションや論文の試験など、他者に評価してもらう必要があるため、スクールを利用することをお勧めします。
ここからは、おすすめのスクールを3つご紹介します。
各スクールの特徴などを確認し、ご自身のスクール選びの参考にしてください。
オンスク
オンスクは、下記の2講座を開講しています。
講座名 | 講座内容 | 料金(税込) |
インテリアコーディネーター講座 | 一次試験対策のみ ・講義動画(全81回/約7時間) ・問題演習(全324問) ・ダウンロード教材(音声、講義スライド) ・学習管理機能 | ウケホーダイ※ 月額 ¥1,078/¥1,628 6ヶ月一括 ¥8,140 9ヶ月一括 ¥11,880 12ヶ月一括 ¥15,400 |
鉄板書籍で学ぶ! インテリアコーディネーターTEPPAN講座 | 〈一次試験対策〉 ・書籍:TAC出版『スッキリわかる インテリアコーディネーター 第2版』 ・解説動画(約19時間) ・レジュメ ・練習問題(506問) ・過去問題(3年分)〈二次試験対策〉 ・講義・解説動画(約18時間) ・レジュメ ・練習用教材 ・過去問題(3年分)〈その他〉 ・学習管理機能 ほか | ¥33,000 |
オンスクの最大の特徴が、「インテリアコーディネーター講座」の「ウケホーダイ」という料金プランです。
対象となる講座を低額で受講し放題となっており、月額支払いと一括支払いのプランを選択して購入可能です。
月額支払いの場合は、講義視聴と問題演習のみの最低限機能の「ウケホーダイ-ライト」と、上記の表の講座内容が全て受講できる「ウケホーダイ-スタンダード」の2つのコースがあり、料金はそれぞれ1,078円と1,628円です。
一括支払いの場合、「ウケホーダイ-スタンダード」の機能が標準となっており、1ヶ月あたりの料金で比べると、月額支払いよりお得です。
「ウケホーダイ」で受講できる講座には、宅建や色彩検定なども含まれているため、インテリアコーディネーターの他にも、関連のある資格も同時に受験しようと考えている方に特におすすめです。
ハウジングインテリアカレッジ
ハウジングインテリアカレッジは住宅デザイン研究所が運営する、インテリアコーディネーター・二級建築士などの資格取得、住関連の通学講座が学べるスクールです。
ハウジングインテリアカレッジで開講されている講座は、以下のようになっています。
講座名 | 講座内容・特徴 | 料金(税抜) |
インテリアコーディネーター通学・オンライン講座 一次・二次総合コース | ・一次試験対策講座(全18回) ・二次試験対策講座(全14回) ・中間テスト、最終テスト ・web問題集(700問以上) ・zoomオンライン講義と教室でのライブ講義を併用して受講可能 | \302,500 |
2023年度インテリアコーディネーター二次対策講座 基礎&試験対策コース | ・対策講座(全15回) ・zoomオンライン講義と教室でのライブ講義を併用して受講可能 ・web配信の講義は繰り返し視聴可能 ・オンライン講義も双方向でライブ質問可能 ・セレクト製図セット付き | ¥148,500 |
インテリアコーディネーター 一次試験対策集中講座 | ・集中特訓セミナー(2日間) ・講義資料 ・授業は後日、録画動画を配信 ・動画は受講後1ヶ月間、繰り返し視聴可能 ※会場受講(広島)かオンライン受講のどちらかを選択 | ¥36,300 |
ンテリアコーディネーター 二次試験対策集中講座&模擬試験 | ・集中講座(1日) ・模擬試験(1日) ・集中講座・模擬試験解説セミナーはそれぞれ、後日、録画動画を配信 ・動画は受講後1ヶ月間、繰り返し視聴可能 ※会場受講(広島)かオンライン受講のどちらかを選択 | ¥35,200 集中講座のみ:¥19,800 模擬試験のみ:¥15,400 |
ハウジングインテリアカレッジの教室は広島のみのため、ライブ講義が受講できる人はかなり限られていますが、オンラインでの受講も可能なため、遠方に住んでいても受講可能です。
各講座の受講可能人数も少なくなっており、きめ細やかな指導が期待できます。
「インテリアコーディネーター二次対策講座 基礎&試験対策コース」においては、2020年度に合格率100%を達成したこともあるようです。
受講料は他社に比べると決して安いとは言えませんが、少数精鋭の指導を受けたい人にはおすすめです。
フォーサイト
フォーサイトは、通信教育を扱う会社です。
フォーサイトで開講されている講座は、以下のようになっています。
講座名 | 講座内容 | 料金(税込) |
一次試験対策講座 | ・受講ガイド ・戦略立案編 ・合格必勝編 ・テキスト 3冊 ・問題集 3冊 ・模擬試験 ・eラーニング ManaBun ・確認テスト(eラーニング) ・演習ノート ・無料メール質問 5回 | ¥36,800(送料別) |
二次試験対策講座 | ・受講ガイド ・問題集 1冊 ・再現問題(PDF) ・模擬試験 ・eラーニング ManaBun ・無料メール質問 3回 | ¥29,800(送料別) |
バリューセット | 一次試験・二次試験対策講座のセット | ¥41,800(送料別) |
通信教育ですので、テキストや問題集は冊子になっています。
テキストはフルカラーになっており、見やすいことも特徴です。
また、eラーニングもありますので、テキストや問題集を持ち出さなくてもすき間時間に学習することも可能です。
受講料も低めの設定ですので、家では紙のテキストで勉強しつつ、外出先ではスマホで効率よく勉強したいと考えている人におすすめです。
まとめ
インテリアコーディネーターはやや難易度の高い資格ではありますが、取得するメリットは大変大きいです。
なお資格取得には、スクールの利用がおすすめです。
本記事を参考に、自分に合ったスクールを探してください。
以下はインテリアコーディネーターの資格認定している団体のホームページです。
コメント