DTP( DeskTop Publishing )オペレーターといって、パソコンを使って原稿や写真をレイアウトし、チラシや広告などを作る仕事があります。
PhotoshopやIllustratorなどのソフトが使えて、デザインが好きであれば未経験から挑戦する人も多い職業です。
CADオペレーターで建築パースなどをやっている人はPhotoshopやIllustratorを使える方も多いので、DTPオペレーターとして副業もすることも可能だと思います。
今回は、そのDTPの副業案件としてチラシや雑誌、サムネイルなどをご紹介し、それぞれの具体的な内容、収入、これから副業したい人へのアドバイスなど副業経験者5人に語ってもらいました。
そのほとんどの事例が女性のもので、手に職があると、バリバリと稼げる典型的なパターンなんだと思います。
IllustratorやPhotoshopを使ったDTP副業事例
今は派遣社員として、大手企業の事務職をしている41歳女性です。
チラシや広報誌
Illustrator、Photoshop、InDesign(いずれもクリエイティブクラウド)、たまに一太郎なども使用して、以下のDTPの副業を約4年間やっていました。
収入は月15万前後で、ほとんどが手渡しで頂いてました。
- 地元の酒量販店やスーパーのチラシ(どちらも週1回、デザイン作成からDTPまで)
- 観光協会が隔月発行する季刊誌(取材、撮影時、ライティング、デザイン作成も含む)
- 小学校PTAや市議会委員の広報誌(元ネタから記事作成も含む)
- 地元の月刊タウン情報誌(デザイン作成含む。取材、撮影、ライティングも時々)
副業の仕事は本業のつながりやクラウドソーシングを活用
副業の仕事は、結婚、出産前に働いていた広告代理店からの請負と、デザイン会社の繋がりで依頼のあった仕事、個人的にデザイナー繋がりでお願いされたものや、以下のようなクラウドソーシングサービスを使って副業案件に応募していました。
クラウドソーシングの各サイトの中で「DTP」で検索するとたくさんの副業案件がヒットするので、その中から自分が興味を持ったものに応募する感じです。
またクラウドソーシング内で自分のプロフィールに経歴や実績、スキルなど細かく記載しておくと、それを見て直接依頼をして頂けることもあったので、プロフィールの充実は副業で稼ぐコツだと思います。
DTPの仕事は締め切りとの戦いで、副業となると土日祝日、昼夜関係なく作業することも多く、体力的にキツくなり、現在は一時休眠中です。
今は派遣社員として、大手企業の事務職をしています。
休みの日も固定していて、残業も余程の事がない限りほとんどないので、子育てしている身としては安定したお仕事です。
ただ、デザインやDTPの仕事はとても好きで、やりがいがあったので、機会があればまたぜひぜひやりたいです。
DTPの仕事は色が命!必ずCMYKの指定をもらう
DTPの仕事は、校了が出てから納品までの期間が非常に短い事が多く、クライアントの確認が遅れたりデザイン変更などが起こって校了がズレると、DTPは夜を徹しての作業になる場合もあるので覚悟が必要です。
また、納品後も今度は印刷所から修正や確認の電話がかかってくる事もしばしばあるので、納品後もすぐに解放される訳ではありません。
特に気をつけなければならないのは、「色」です。
クライアントが希望した色と、実際の印刷した際の色味が異なるとクレームになりかねないので、普通のプリンターで出力して校了をもらっていたとしても、必ず校正の段階でクライアントにはCMYKで色を指定して頂き、最終確認して頂く必要があります。
チラシ、新聞広告、WebバナーのDTP副業事例
出産、育児のため会社勤めも副業もお休み中の42歳女性です。
DTP副業の詳細内容と収入
Adobeのillustrator、Photoshop、Indesign、Acrobat Readerを使って主にチラシや新聞広告、ウェブバナーなどのデザイン制作の副業をしていました。
制作したあとの印刷等まではやらず、あくまでデザインするだけでデータ納品で終了が基本でしたが、印刷まで頼まれた時はプリントパック等を利用していました。
個人なので営業的な事もやってはいましたが、電話で打ち合わせするぐらいで売り込み等はしていませんでした。
この副業はだいたい2、3年ぐらいやっていました。
収入は、サイズにもよりますが、A4チラシだと片面1、2万円ほどで、新聞広告だと一段あたり4千円で請け負っていました。
一部修正のみだと500円から1000円程度の事もありました。
DTP副業は知り合いから仕事をもらっていた
もともとデザイン会社勤めだったので、そこから知り合った営業さんや印刷会社、他社のデザイナーから個人で仕事を貰っていました。
ちなみに会社にも了承済みでした。
昼間は会社で働き、副業をする時間は夜間か土日が主でした。
出産、育児のため会社勤めも副業もお休みしていて、現在はクラウドワークスで育児の合間に細々と仕事をやっています。
時間がとれないのでデザイン関係の仕事は一切していません。簡単なアンケートやリライト作業が多いです。
きちんとしたお客様を紹介してもらえる人脈が重要
副業でやるからには勿論ある程度の能力も必要ですが、人との繋がりが大事だと思います。
私は勤務先の繋がりで仕事も紹介してもらえましたが、完全に個人でやると相場をしらないお客様からは買い叩かれる事も多く、個人というだけでデザイン能力に関係なくぞんざいな扱いを受けます。
もともと相場をしっているお客様ならストレスもあまりありませんが、まったくの素人のお客様ほどプロに任せると言いながらデザインにも料金にも口出ししてきてストレスも溜まります。
きちんとしたお客様を紹介してもらえる事はとてもありがたい事で、そこに繋がる人脈を得る事が大事だと思います。
もし人脈等何もない場合は、ただコツコツと仕事をして経験を積んで信頼を重ねていくしかないと思います。
インスタのサムネイルや販促チラシのDTP副業事例
本業は福祉職の30歳女性です。
DTP副業の詳細内容と収入
無料ソフトのCanvaを使ってInstagramで使うサムネイル画像の作成、陶器屋の販促チラシの作成、新規オープンするカフェのショップカードの作成などのDTP副業をしていました。
1件あたり数日ほど。いくつかの案件を並行で進めています。
最初からデザイン案を頭の中で作りこむことが苦手なため、手を動かして、修正を繰り返していきながら、デザインの方向性を決めていきます。
副業収入は1件あたり1000円程度です。
DTP副業のきっかけはデザインの勉強がしたかった
DTP副業を始めたきっかけは、デザインの経験を積みたいと思うようになり、それを周囲に伝え、知人から、まずはおためしでよければぜひお願いします、ということでお仕事をいただくようになりました。
ある程度事前に関係性がある方からのお仕事でお小遣い価格の報酬なのなので、ごねられたり、何度もやり直しをさせられたり、面倒なこともありませんでした。
私はIllustratorを使うことができず、デザインの幅が限られてしまうため、報酬を上げることも現段階では考えていません。
本業として、福祉現場で陶器やパンなどの製品づくりをしており、多少ものづくりに関わる業務内容のため、デザインができると仕事の幅が広がると思い、副業としてDTPの勉強と経験を積んでいくことを始めました。
DTP副業には無料ソフトCanvaがおすすめ
私は社会人生活を経ていく中で、デザイン業務ができたら仕事の幅が広がっていいなという思いをもっていました。
しかしながら、お試しでインストールしたIllustratorを使いこなすことができず、デザインを諦めていましたが、Canvaのおかげで、チラシ作成、ショップカード作成、サムネイル画像づくりなど、手軽なデザインにチャレンジすることができています。
本業にプラスアルファとして、デザインができると、仕事の幅が広がり、自分にも自信がもてるようになると思います。
職場でも、ちょっとしたデザイン仕事が頼まれることが増え、忙しくはありますが、充実しています。
ぜひ、できるところから、少しづつチャレンジしてみると良いと思います。
学習塾のチラシのDTP副業事例
非デザイン系の学生の22歳女性です。
学生なので副業というよりはアルバイトに近いですが、サークル活動の一環でDTPデザインをしていたので、その旨を記載して活動しています。
DTP副業の詳細内容と収入
主にIllustratorを使い、写真の加工が必要な場合にはPhotoshopで学習塾のチラシ作成をしていました。
編集が簡単なことから、指定があってwordで作成したこともあります。
学習塾のチラシ作成では掲載する内容については事細かに指定がありましたが、情報の整理の方法、レイアウトについては自由に作らせていただくことが多かったです。
細かい点について修正が入ることはあったものの、ほとんど第1稿通りのまま最終納品になりました。
仕事の期間は1週間程度です。
フルタイムに換算すれば、実際にDTP的な作業をした時間は長くて1-2日程度だったと思います。
内容について事前にやりとりしたり、修正箇所がないか確認したりする過程も含め案件に取り組む期間が1週間程度でした。
収入は5000円程度です。
案件により波はありましたが平均して手取りがこのくらいでした。
あまり単価の安いものには応募しないようにしていました。
DTPの副業はクラウドソーシングで見つけた
クラウドワークスで「DTP」のキーワードで検索し、案件を見つけて応募しました。
クラウドワークスは比較的案件が色々な人に広く開かれているという印象があります。
DTPの作業自体は好きなことなので、作業そのものはあまり苦ではなく、とにかく案件をいただくのが一番大変でした。
特に私は非デザイン系の学生なので、案件を取るのが難しく、大学生という特性を活かせる学習塾のチラシ作成にだけ携わることができました。
クラウドソーシングサイトで応募する場合は、自分の強みが活かせる分野の募集を探すと良いと思います。
プロフィールやポートフォリオの充実が仕事をもらうコツ
当たり前かもしれませんが、クラウドソーシング内のプロフィールは最大限自分の強みをアピールできる内容にしておきます。
一方で、数を打つことも大事なので、即座に案件に応募できるように、応募用のテンプレートやポートフォリオ等も事前に用意しておいた方が良いです。
DTP特有の気をつけることをあげるとすれば、入稿形式・利用方法を事前に確認しておくことです。
事前に指定された形式があったとしても先方がDTPについての知識がない場合には遠回りなことになっていたり、テンプレートを使っていなかったがために後で先方が苦労したりするということがあり得ると思いました。
飲食店のフライヤー、ポスター、メニューなどDTPの副業事例
現在は警備員のアルバイトをしている61歳男性です。
仕事柄、時間には余裕があり、会社もダブルワークを認めていますので副業も時間の許す限りしています。
DTP副業の詳細内容と収入
illustratorとPhotoshopを使い、知り合いの飲食店のフライヤー、ポスター、メニューなどの印刷物を作りました。
写真は店舗の人にスマホで撮影してもらった写真をPhotoshopで加工しました。
その後、illustratorでレイアウト、デザインしてネット印刷で作りました。
定期的にフライヤー、ポスターを依頼してもらえるので定期的に副収入が入りました。
作業時間は3時間くらいでベースを作って、校正を二回して修正は一時間くらいづつでした。
報酬はデザインレイアウトで一万円、印刷物の手数料で制作費の二割でした。
毎回、トータルで2万円くらいにはなりました。
ポスターは大判プリントでネットで作りました。これも手数料二割もらいました。サイズによりますけど二千円くらいにはなりました。
DTP副業は知人からの依頼がほとんど
店舗のオーナーが知人なので時間の融通もある程度きいて楽でした。
また、知人が仲間内に宣伝してくれて何軒かの顧客も紹介してもらえました。
報酬はだいたい同じくらいです。店舗によっては印刷物の数量が多くなるので手数料も多くなります。
依頼主とのコミュニケーションが重要
相手が素人なのでできることと、できないことがわからないので、そこから説明して理解してもらわないといけませんでした。
わかってもらえたら、スケジュールの約束を守ってもらうことが大切でした。
相手も仕事しているので、ラインで連絡を密にしてコミュニケーションを取らないと理解が得られません。
あとは無理なスケジュールはとらないようにしました。
こちらも仕事しているのでタイトなスケジュールには対応しにくかったので、そこは理解してもらいました。
illustratorとPhotoshopのバージョンが低かったので作業効率は少し悪かったかもしれません。
ポスターなどの作成も写真素材がスマホだったので解像度の問題もありました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
デザインは自分を表現する一つなのでやりがいも大きいと思います。
冒頭書いたようにCADオペレーターとDTPオペレーターは相性が良いので、CADオペレーターの人がDTPの仕事を副業としてこなすのはありだと思います。
またDTPの副業やその他の副業に興味がある場合は以下のようなサービスを使って自分にどのような副業があっているのか?その副業で稼ぐためにはどうしたらよいのか?を相談してみるのも良いです。
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