テクノプロエンジニアリングについて、「やばい」という評判をよく耳にします。
しかし、その実態はどうなのでしょうか?本記事では、元社員の声や専門家の視点から、テクノプロエンジニアリングの実態を詳しく解説していきます。
テクノプロエンジニアリングの実態
テクノプロエンジニアリングとは?
テクノプロエンジニアリング株式会社は、テクノプロ・ホールディングス株式会社の社内カンパニーで、技術系アウトソーシング事業を展開しています。
規模的には日本トップクラスの技術系アウトソーシング会社になります。
主に機械、電気・電子、組込制御、IT、建築・土木などの分野で、高度な技術サービスを提供しています。
参考までに日本の技術系アウトソーシング会社のランキングを売上と社員数で比較してみると以下の通りです。
売上は2024年8月末時点で入手できる最新のものを掲載しています。
順位 | 会社名 | 社員数(名) | 売上高(億円) | 事業内容 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 株式会社アウトソーシング | 約50,000 | 約7500 | 製造・技術系人材派遣、BPO、アウトソーシング全般 | グローバル展開もあり |
2 | 株式会社テクノプロホールディングス | 約22,000 | 約2192 | エンジニアリングサービス、技術者派遣、研究開発、IT・機械設計など | 技術者派遣では最大級 |
3 | 株式会社メイテック | 約11,000 | 約1270 | エンジニア派遣、設計・開発受託 | 機械・電気電子分野に強み |
企業概要
以下はテクノプロエンジニアリングの企業概要です。
テクノプロ・ホールディングスの連結子会社であるシーテック、CSI、ハイテックと経営統合し、株式会社テクノプロ設立。
社内の組織改編により社内カンパニーとして「テクノプロ・エンジニアリング社」が誕生したという経緯があります。
- 設立:2014年(テクノプロ・グループの再編により現在の形態に)
- 従業員数:6,483人(2023年6月時点)
- 本社所在地:東京都港区
中途採用比率が74.4%と中途採用者が多い会社です。
主要な事業内容:
- 機械設計開発
- 電気・電子設計開発
- 組込みソフトウェア開発
- ITシステム開発
- 建築・土木設計
テクノプロエンジニアリングは、自動車、航空宇宙、産業機器、情報通信、半導体、建設など、幅広い業界で活躍しています。
特に、CADを使用した設計業務や、3DCADを活用した製品開発プロジェクトに多くのエンジニアを派遣しています。
テクノプロエンジニアリングが「やばい」と言われる理由
労働環境と労働時間の実態
テクノプロエンジニアリングの労働環境と労働時間については、様々な意見があります。公式情報によると、以下のような取り組みがなされています。
- フレックスタイム制の導入:柔軟な勤務時間の設定が可能
- 有給休暇の取得促進:年間平均取得日数は12日(2023年度)
- 残業時間の管理:月平均残業時間は40時間程度
月平均残業時間が40時間程度と、結構残業が多めになっています。
やはり開発系の仕事だけに長時間労働になる傾向があります。
特に、プロジェクトの終盤や緊急対応時には、残業が増える傾向があります。
給与と待遇に関する評価
テクノプロエンジニアリングの給与体系は、経験や技術力に応じて設定されています。
以下に、テクノプロエンジニアリングと日本の技術系アウトソーシング会社の平均的な年収を比較した表を示します。
業界平均は転職サイトdodaにおける技術系アウトソーシング(特定技術者派遣)の実際の求人14,833件から平均年収を求めています。
経験年数 | テクノプロエンジニアリング | 業界平均 |
---|---|---|
5年目 | 約500万円 | 約450万円 |
10年目 | 約700万円 | 約500-600万円 |
15年目 | 約800万円 | 約700万 |
※ これらの数値は一般的な目安であり、個人のスキルや実績により変動します。
上記の表を見るとテクノプロエンジニアリングの給与は、業界平均をやや上回っているようです。
ただし、スキルアップにより昇給のチャンスも多いため、個人の努力次第で収入を増やすことも可能です。
社内文化と人間関係の課題
テクノプロエンジニアリングでは、多くのエンジニアが顧客企業に派遣されて働くため、社内の人間関係が希薄になりがちです。
また、プロジェクトごとに異なる環境で働くため、安定した人間関係を築きにくい面があります。
一方で、社内でのスキルアップ研修や交流会なども開催されており、エンジニア同士のネットワーク作りの機会も提供されています。
テクノプロエンジニアリングで働くメリットとデメリット
テクノプロエンジニアリングで働くことには、以下のような様々なメリットとデメリットがあります。
メリット
技術力向上の機会:
- 最先端の技術に触れる機会が多い
- 様々な業界・企業のプロジェクトに参加できる
- 社内外の研修制度が充実している
大手企業でのキャリア形成:
- 有名企業や大手メーカーでの就業経験を積める
- 幅広い業界知識を習得できる
- 将来の転職や独立の際に有利になる可能性がある
デメリット
長時間労働の可能性:
- プロジェクトの納期や顧客の要求により、残業が増えることがある
- ワークライフバランスの維持が難しい場合がある
ストレスフルな環境:
- 顧客企業と派遣元の板挟みになることがある
- プロジェクトごとに環境が変わるため、適応力が求められる
- 成果を出すプレッシャーが大きい
テクノプロエンジニアリングと関連会社の比較
テクノプロ・グループには様々な関連会社があります。
ここでは、それらの会社とテクノプロエンジニアリングの違いについて箇条書きでまとめてみました。
テクノプロとテクノプロエンジニアリングの違い
- テクノプロは数ある社内カンパニーの取りまとめ的立場であり、テクノプロエンジニアリングはその社内カンパニーの一つです
- テクノプロエンジニアリングは主に機械、電気・電子、ITなどの分野に特化しています
テクノプロデザインとテクノプロエンジニアリングの違い
- テクノプロデザインは、各技術領域における技術サービスやコンサルティングに特化しています
- それに対しテクノプロエンジニアリングは、機能設計や構造設計に重点を置いています
- デザインでは技術も理解した上での戦略、戦術といったコンサルティングが重要ですが、エンジニアリングでは技術的な実務力が求められます
テクノプロITとテクノプロエンジニアリングの違い
- テクノプロITは、ソフトウェア開発やシステム構築に特化しています
- それに対しテクノプロエンジニアリングは、ハードウェアの設計開発にも力を入れています
- ITスキルとエンジニアリングスキルの両方が求められる場面が増えており、両社の協力体制が強化されています
テクノプロコンストラクションとテクノプロエンジニアリングの違い
- テクノプロコンストラクションは、建築・土木分野に特化しています
- それに対しテクノプロエンジニアリングは、製造業を中心とした幅広い分野をカバーしています
- 建設業界では現場経験が重視されますが、エンジニアリング分野では設計・開発スキルが重要視されます
ピーシーアシスト株式会社(Winスクール)との関係
- ピーシーアシスト株式会社は、テクノプロ・グループの一員として、IT教育事業を展開しています
- テクノプロエンジニアリングのエンジニアは、Winスクールの講座を受講してスキルアップすることができます
- 新入社員研修や技術者向けの専門講座など、様々な教育プログラムが用意されています
私自身、Winスクールについては以前から知っており、多岐にわたるCAD/BIMのスクールがあるなとは思っていましたが、テクノプロの関連会社というのは今回の調査で初めて知りました。
CAD/BIMの実践現場の内容をスクールの内容にフィードバックしているとすると、納得の内容だと思いました。Winスクールの内容については以下の記事を参考にして頂ければと思います。
テクノプロエンジニアリングでのキャリア形成
テクノプロエンジニアリングでは、エンジニアとしてのキャリアを築く様々な機会があります。
例えば社内外の研修プログラムが充実しており、それらの活用や自己学習、資格取得などが挙げられます。
ここではそういったスキルアップや実務をこなしながら実力が付いた後の転職のタイミングなどキャリア形成についてご説明します。
キャリアアップのための戦略
スキルアップのための具体的な方法:
- 社内外の研修プログラムを積極的に活用する
- 自己学習時間を確保し、最新技術のキャッチアップを行う
- 資格取得にチャレンジする(例:CAD利用技術者試験、機械設計技術者試験など)
先程、ご紹介したWinスクールなどでCADの勉強などして以下の記事にあるようなCAD関連の資格を取得しても良いですね。
機械系で最高峰の資格の技術士を目指すと、独立なども視野に入りますね。
社内でのキャリアパスの選択肢
- スペシャリストコース:特定の技術分野で高度な専門性を磨く
- マネジメントコース:プロジェクトリーダーや管理職を目指す
- コンサルタントコース:技術コンサルティング業務を担当する
転職を考える際のポイント
他社と比較した際のメリットとデメリット
メリット:
- 幅広い業界経験を積める
- 大手企業での就業経験が得られる
デメリット:
- 正社員と比べて給与面で不利な場合がある
- 雇用の安定性が低い可能性がある
転職活動のタイミングと準備
- 技術力が向上し、市場価値が高まったタイミングを狙う
- ポートフォリオの整理や自己PRの準備を怠らない
- 業界動向や求人情報をこまめにチェックする
テクノプロエンジニアリングに転職を考えている人、同じような技術系のエンジニアリング会社に転職したい人は、そういった業界に強い転職エージェントを活用することが転職を成功させる秘訣です。
また複数の転職エージェントに登録し、複数のキャリアコンサルタントにセカンド・サードオピニオンをもらった方が、自分に合った転職先が見つかる可能性も上がりますよ。
以下にそれらのおすすめ転職エージェントをまとめてありますので是非、参考にして頂ければと思います。
CAD/CAEエンジニアにとってのテクノプロエンジニアリング
当サイトのメイン読者であるCADや機械系エンジニア、CAE解析者の方々にとってもテクノプロエンジニアリングは魅力的な選択肢の一つです。
ここではそういったエンジニア達がどういったスキルが必要か?どんな役割を担うかを見ていきましょう。
CADエンジニアに求められるスキル
3DCADやBIMのスキルの重要性
- SolidWorks、CATIA、Inventorなどの3DCADソフトの操作スキル
- BIM(Building Information Modeling)の理解と実践能力
- 3Dモデリングの効率的な手法の習得
最新技術の習得方法
- オンライン学習プラットフォームの活用(例:Udemy)
- CADベンダーが提供するトレーニングプログラムへの参加
- 業界セミナーや展示会への積極的な参加
CAEエンジニアや機械設計に求められるスキル
プロジェクトでの具体的な業務内容
- 製品設計:3DCADを使用した機械部品や製品の設計
- 解析業務:CAEソフトを使用した構造解析や流体解析
- 図面作成:2D図面の作成や3Dモデルからの図面展開
- データ管理:PDMシステムを使用した設計データの管理
チーム内での位置づけと貢献度
- 設計チームの中核メンバーとして、3Dモデリングや図面作成を担当
- 他部門(生産技術、品質管理など)とのインターフェース役
- 若手エンジニアへの技術指導や育成
テクノプロエンジニアリングは「やばい」という評判・口コミのまとめ
テクノプロエンジニアリングは自動車や航空宇宙産業など、最先端の製品開発プロジェクトに携わることで、貴重な経験を積むことができます。
一方で、プロジェクトの納期や顧客の要求に応じて、柔軟に対応する能力も求められます。常に新しい技術やソフトウェアのトレンドをキャッチアップし、自己研鑽を続けることが重要です。
テクノプロエンジニアリングでのキャリアを通じて、エンジニアとしての専門性を高めつつ、幅広い業界知識や経験を得ることができます。
これらの経験は、将来的に正社員としての転職や、フリーランスエンジニアとして独立する際にも大きな強みとなるでしょう。
結論として、テクノプロエンジニアリングは「やばい」という評判があるものの、その実態は個人の目標や価値観によって大きく異なります。
確かに、労働環境での課題はありますが、技術力向上やキャリア形成の機会も豊富にあります。
特にCADエンジニアにとっては、最新の技術に触れ、スキルアップできる環境として魅力的な選択肢の一つといえるでしょう。
テクノプロエンジニアリングでの就業を検討する際は、自身のキャリアゴールを明確にし、メリットとデメリットを十分に理解した上で判断することが重要です。
また、常に自己研鑽を怠らず、市場価値の高いエンジニアとしてスキルアップを続けることで、より良いキャリアパスを築くことができるでしょう。
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