建築関係のお仕事で人気なものにインテリアデザイナーがあります。
設計やデザインのスキルが必要なだけに一人前になるためには時間が必要ですが、実力さえあれば独立して、フリーランスのインテリアデザイナーとして活躍することも可能です。
今回はインテリアデザイナーのフリーランス事例として、Vectorworksを使い、設計、パース作成からデザインまでの仕事内容や収入や年収アップの方法などをご紹介します。
独立までは考えてなく、まずは副業から年収をアップさせたい方は、こちらの記事を参考にしていただければと思います。
インテリアデザイナーの仕事内容や独立した経緯
主な仕事としては「インテリア空間」のデザインや設計をフリーランスとしてやっています。
物販店や飲食店を始め、美容サロンやネイルサロン、マンションのリノベーションなど幅広いジャンルの設計・デザインを行っています。
クライアント(出店希望者様)から出店する物件の情報を貰い、そこに対してどのようなお店を作る事が出来るかを提案していきます。
実際の業務としては、VectorworksというCADを使用し、設計図面や3Dパースなどを作成し、クライアントへデザインの提案をしていきます。
クライアントからデザインの承認を頂けた後は、各諸官庁(消防署、市役所、保健所等)にこの計画で問題が無いか事前協議を行います。
そこでも問題が無ければ、施工会社と打合せをし、どのように工事を進めていくか計画を立てます。
実際に工事が始まったあと、現場にも何度か足を運び、設計通りに工事が進んでいるかチェックすることもデザイナーの大切な仕事の一つです。
フリーランスになったきっかけは、最後に勤めていた会社の業績が怪しくなってきており、転職をするか独立をするか悩んでいました。
その事を回りの取引先や協力業者の人達に相談をしたところ、独立しても仕事の目途が立ちそうな事が分かり、フリーランスとして活動を始める事を決断しました。
2022年4月から活動を始めたばかりなので、年収ベースでは会社勤めの頃よりは現状下がっています。
仕事環境や生活スタイルは自由な為、通勤電車などのストレスもないのが良いところです。
しかし、打合せなどの予定が入っていないと、丸一日、人と話さないという事もある為、少し寂しく感じる事もあります。
インテリアデザイナーの独立後の収入は?
収入は主に設計・デザインに対する報酬です。
報酬の試算方法は事務所によっても異なりますが、坪単価で設計・デザイン料を試算する場合や、総工費の数%を報酬とする場合があります。
- 坪単価ベースでの報酬例: 2万円〜3万円/坪
20坪の場合…40万円~60万円 - 総工費ベースでの報酬例: 1案件当たり300万円〜2,000万円以上
1,000万円の案件で報酬を5%と設定した場合…50万円
総工費をベースとした報酬の場合、1案件当たり300万円〜3,000万円以上と幅広く、その金額に対して5〜10%程度で試算をします。
その為、1件当たり200万円というようなまとまった報酬を受け取れる場合もあります。
しかし、一般的な店舗だと、一つの案件が完了するまで4~6ヵ月程掛かります。
新築の商業施設に入る店舗などでは1年程度かかるような長い案件もあります。
期間の長い案件の場合は、報酬の一部(30~40%程度)を着手金として頂く場合もありますが、基本的には案件完了後の一括払いになっています。
収入がまとまって入る月もあるのですが、ゼロになる月もあります。そういう意味では単価は高くても収入面が安定してるとは言えないかもしれません。
その為、他の設計事務所の手伝いを業務委託などで受ける場合もあります。
その場合の報酬は、図面1枚当たりの単価や時給計算で請求する場合もあります。
- 図面単価で計算した場合: 5,000円~15,000円/枚
描く内容や細かさなどによって単価を設定し、依頼者へ見積書を提出し同意を貰います。 - 時給計算の場合: 1,800円~
複数枚の図面を描く場合などは時給計算で報酬額を決める事があります。
その場合は事前に内容を聞き、話し合いをして何時間で完了できるかを詰め、お互いに同意をしてから作業に取り掛かります。
インテリアデザイナーの独立開業のメリット・デメリット
インテリアデザイナーのフリーランスとして活動をするにはいくつかのメリットとデメリットが存在します。
やればやった分だけ稼げる(メリット1)
報酬の単価設定や業務量を自分自身で決めることが出来るため、仕事さえ回せればたくさん稼ぐ事が出来ます。
時間配分が自由(メリット2)
納期や打合せのスケジュールさえ守っていれば、それまでの時間配分は自由です。
平日の昼間に気分転換で運動をしたり、空いている時間にサウナでリフレッシュが出来たりするので、生活のクオリティが上がったと感じています。
クライアントや協力業者との関係が深まる(メリット3)
最初から最後まで自分一人が担当をする事になる為、クライアントや協力業者との関係も深くなり、仕事以外でも会社の運営についてや税金対策などの色々な話ができたり、新しい仕事のチャンスにも繋がっていると感じています。
モチベーションの維持が大変(デメリット1)
忙しくするのも暇にするのも自分次第となってしまうので、モチベーションを維持する事が少し大変に感じます。
そんな時は、同じく独立している仲間や、異業種の先輩などと話をしてやる気を回復するようにしています。
経理業務の負担(デメリット2)
経費削減のため、経理業務を税理士に依頼せず、クラウド会計ソフトを使って対応しています。
記帳方法が合っているのか不安になったり、支出の管理など慣れない作業も出てくる為、気分的に少し負担になっています。
インテリアデザイナーのフリーランスになるためには?
インテリアデザイナーとしてフリーランスになる為には、絶対に必要な資格などはありません。
その為、税務署に開業届さえ提出すれば、自宅のデスクですぐにでもフリーランスとして活動を開始できます。
ただ、だからといって学校を卒業後にいきなり独立してフリーランスなるのは少し無謀だと思っています。
一般的には設計事務所である程度経験を積んだ後に独立するのが良いかと思います。
必要経験年は人によってそれぞれ違いますが、周りのデザイナーを見ていると、5~10年ほど経験を積んでから独立している方が多いように感じます。
もちろん長く設計事務所に在籍するのが良いというのではなく、年数よりも「1人ですべての業務を担当できるのか」が大切になってくると思います。具体例としては以下の業務が考えられます。
- クライアントの獲得方法
- デザインの提案資料、図面一式の作成
- 諸官庁との協議、交渉
- 施工会社との協議、交渉など
デザイン以外にも必要なスキルがたくさんあり、みんなそれぞれやり方が違っています。
これらのスキルを自分なりにでも身に付けることが出来ていればフリーランスになる準備は整ったと思ってよいかもしれません。
インテリアデザイナーでフリーランスで働くために必要なこと
この業界は自分自身の実力が全てとなります。
どんなジャンルの仕事の依頼が来てもいいように店舗設計やデザインに関する幅広い知識が必要になります。
それに加え、建築関連の法規や工事予算の調整などの相談にも乗るなど、コンサルタントのような業務も行う事がある為、デザイン以外の知識も必要になってきます。
法律については、1級/2級建築士の勉強をする事である程度の知識が付きますので、空いている時間などに参考書などを読んでみるのも良いかもしれません。
また、クライアントや施工会社をはじめ、様々な人達と密に関わっていくことになります。
関わる人達に対する誠意や誠実さも大切な要素の一つだと考えています。そうする事で次の仕事に繋がったり、新しく仕事を紹介してくれるなど、仕事の幅も広がっていきます。
インテリアデザイナーのフリーランスで年収アップさせる方法
案件を増やしたり、案件単価を上げる
収入アップさせる為には、案件を増やしたり、案件単価を上げる事が必要となります。
その為、どれだけ効率良く案件に対応していけるかが大きなカギになっていきます。
従業員やアルバイトを雇う事も一つの手ですが、毎月決まった給料を払っていく事は大変な事です。
デザイナー仲間など、案件単位や図面単位で手伝ってくれる人を作っておく事も効率良く案件を進める為に必要な事だと思っています。
また、時間が自由なフリーランスだからこそ、様々な事に挑戦する事ができます。
副業する
私自身、副業として母校の非常勤講師もしています。
真っ新な考えを持つ生徒達と話す事で、様々な事に気づかされます。また、生徒達に教えて行く中で、自分の中で新たな気付きが生まれる事もあり、実務にも繋がっていくと思っています。
副業である程度の定期的な収入が見込めるようになれば、報酬は低いが面白そうな案件などの対応もできるようになり、自分自身の糧となります。
結果、それらの案件がスキルアップに繋がり、他のデザイン案件にも良い影響が出てくると考えています。
今なら以下のようなクラウドソーシングサービスがあるので、結構簡単にスポット的な仕事を探すことができます。
海外など思い切ったキャリアに挑戦する
日本経済の停滞や、日本社会の閉塞感から海外、アジア転職する方が増えています。
その中で、インテリアデザイナーの仕事で言えば、ベトナムも熱い国の一つです。
人口約1億人、毎年6-7%前後のGDP成長率を誇り、キャリアのチャンスも多く、海外転職としては魅力的な国の一つです。
そこでご紹介するのは、ベトナムに特化した転職エージェント「べとわーく」です。
ベトナムで唯一、日系企業に特化したローカル人材会社で、ベトナム情勢に詳しい現地在住のコンサルタント(日本人)が無料でサポートしてくれます。
実際にインテリアデザイナーに関する仕事の一例としては以下のようなものがあります。
いやー夢があります!
ベトナム+インテリアデザイナーといった人材になれば希少価値間違いなしですよ。
数年ベトナムで経験し、日本に戻ってきたらキャリアップ、年収アップ間違いなしでしょう!
「べとわーく」への登録は無料です。
インテリアデザイナーのフリーランスに強い仕事紹介サイトのランキング
ITの発展によって現在では多くの仕事紹介サイト(マッチングサイト)が存在します。
これらのサイトは、営業に割かなければならない時間もデザイン業務に充てられる為、フリーランスのインテリアデザイナーにとって大きな助けとなっています。
もちろんこれらのサイトは有料ですが、その料金体系は様々です。
多くの場合、クライアント側は無料で使え、デザイナー側が有料であることが多いです。
月額を払う必要があるタイプであったり、登録は無料でマッチングした際に受注金額の数%を手数料として支払うタイプなど色々な料金体系のサイトがあります。
以下に代表的なサイトをランキング形式でまとめましたので、ご参照ください。
内装建築.COM
日本最大のマッチングサイトで、出店者側に大手企業の登録実績などもある有名サイトです。
登録は実質無料ですが、サイト内で使えるポイントを購入し、案件受注などの時に消費していく形となっています。
ArchiCloud
企業の出店者というよりは個人店やローカルチェーン店などが多いイメージのサイトです。
施工とセットでの依頼が多い為、それに対応できる体制を取れるようであれば比較的案件の紹介数は多いと感じます。
登録は無料で、受注金額の数%を手数料として支払う仕組みとなっています。
店舗デザイン.COM
デザイナーや飲食店向けの求人サイトなども運営している会社が運営しているサイトです。
こちらのサイトは月額制となり、ランクも3パターンあります。
そのランクによってサイト内で使用出来るサービス内容が変わってきます。
STUDIO UNBUILT (スタジオアンビルト)
このサイトでは出店者とのマッチングというよりは、設計事務所や施工会社が図面を描いてくれる人などを探しているサイトとなります。中には1件丸々をお願いしたいというような依頼もあります。
図面作成依頼などは短納期である事が多いため、報酬も早い段階で受取可能な案件が多いと感じます。登録は無料で、受注金額によって支払う手数料が定められています。
Crowd Works (クラウドワークス)
他のサイトとは少し毛色が違いますが、このサイトで店舗デザイン案件を数件受注した事があるのでランキングに載せました。
インテリアデザインに関する案件数は少ないですが、「照明について相談したい」や「デザインの方向性を一緒に考えてほしい」など短期間で完了する案件などもあり、比較的早く報酬を受け取る事が出来ます。
こちらも登録は無料で、システム利用料が報酬から差し引かれる仕組みとなっています。
まとめ
インテリアデザイナーのフリーランスとして活動をしていくことは大変な事が多いのも事実です。
しかし、やりがいや達成感はまた格別です。
いきなりフリーランスとして独立して、安定して仕事を受注していく事は難しいかもしれません。
まずは会社に勤めながら副業などで活動を始めてみてはいかがでしょうか?
フリーランスになる場合、初年度の収支計画をしっかり立て、生活が成り立つかしっかり把握するのが良いでしょう。
その為には見込みのあるクライアントがどれ程居るか把握することも大切です。
思ってもいなかった所から仕事の依頼を受ける事もありますので、独立を考えている方は、周りにいる人達に自分の夢や目標を話す事が良いでしょう。
今回の記事が皆様の参考となれば幸いです。
コメント