デジタル化が急速に進む今、CADオペレーターの仕事は急増しています。
そんな中、CADオペレーターに転職したい人は、どういった業界へ行けば年収アップを見込めるのか?キャリアを積めるのか?疑問に思いませんか?
そんな人にオススメなのが、半導体業界への転職です!
今後の半導体業界は更に大きくなると言われ、将来性に期待が高いです。
つまり、CADオペレーターとしてキャリアを積める絶好のチャンスです!
そこで今回は、CADオペレーターとして転職したい人に向けて、オススメする半導体業界の転職について解説していきます。
半導体業界へのCADオペレーターの転職について
半導体業界に転職するにも、実際のCADオペレーターとしての仕事内容や、どんなCADが使われているのか、情報がないと転職する気持ちも上がりませんよね。
そこで、半導体業界に転職するための情報やCADオペレーターとして活躍する情報をまとめてご紹介します。
半導体業界の構造や動向
半導体業界では、4つのカテゴリに分かれた企業が入り混じった関係で成り立っています。その4つとは次の通りです
半導体製造メーカー
半導体を設計〜製造、販売まで一貫する企業を指します。
全てのカテゴリを使って半導体を製造するため、業界のメインとなるところです。
有名な企業では、インテル、サムスン電子、キオクシア、ソニーなどがあります。
半導体製造装置メーカー
半導体を製造するための装置を販売する企業を指します。
製造には、ウエハ製造するための前工程と半導体に組み上げる後工程があります。
前工程では、AMAT、ASML、東京エレクトロン、荏原製作所などが有名で、後工程では、BESI、ASM、ディスコ、東京精密、アドバンテストが有名です。
半導体材料メーカー
半導体を作るための材料を提供する企業です。ここでも前工程向け、後工程向けの材料があるのが特徴です。
前工程では、SUMCO、信越化学工業、ダウケミカルが有名で、後工程では、三井ハイテック、住友ベークライト、イビデンが有名です。
半導体商社
半導体を専門に販売する企業です。ここでは、半導体製造メーカーから、半導体製品を買い付け、顧客へ販売することをメインとしてます。
有名な企業で言うと、Arrow Electronics、マクニカ、トーメンデバイスなどがあります。
このように半導体業界では、大きく4つに別れていますが、市場規模の変化は、業界メインである半導体製造メーカーが伸びれば、その他のカテゴリも伸びるといった関係性になっています。
世界の半導体市場の動向
上記のグラフは経済産業省が作成した半導体戦略から抜粋した世界の半導体市場の動向グラフです。
これを見ると、2023年は約50兆円の市場規模から、2030年までに約100兆円の規模に達する見込みになっています。
つまり、半導体業界は更に成長し続ける業界であり、人材もそれだけ必要になるということです。
経産省の半導体戦略国を見ると、国をあげて半導体を重要戦略に位置付け、今後、力を入れていくということが良く分かります。
そんな中、日本の労働人口は減っていくわけなので、可能な限りデジタル化を推進して生産性を向上させる必要があります。
そのためにもモノづくりのデータはCADを使ってデジタル化し、後工程の機械が読め、自動化できる必要があるのは容易に想像できます。
したがって、今後、半導体業界でのCADオペレーターの仕事は増えていくのではと思いますし、他業界(建築など)のCADオペレーターが転職するのもチャンスです。
半導体業界でのCADオペレーターの求人動向や需要
CADオペレーターとして活躍できるのは、半導体製造装置メーカーです。
装置系の機械設計がメインとなるため、機械系CADのオペレーターとして活動することができます。
装置メーカーだけでは求人は少ないんじゃない?と思うかもしれませんが、「CADオペレーター、半導体」で検索すると、かなりの数がヒットします。
また、スキルがなくても社内研修やサポートなどの制度が充実した求人も多くあります。
これは、今後拡大していく半導体業界が人材を欲しがっている証拠です。
よって、これから半導体業界に入りたい、CADオペレーターになりたいと言う人には絶好のチャンスと言えるでしょう!
半導体業界で使われるCADソフトウェア
半導体製造装置には、大物から小物まで製造装置としての規模がたくさんあります。
装置メーカーは、その規模に合わせて設計しやすいCADを導入しています。
特に使用率の高いCADは次の4つです
iCAD SX
大規模な装置を扱えるCADです。
CADは、一般的に履歴を残せる機能がありますが、iCADはその機能がありません。
その分、大規模アセンブリを高速で動作できるのが特徴です。
Solid Edge
iCADより劣りますが、比較的規模の大きい装置を扱えるCADです。
iCADのように履歴を残せる機能がないため、規模が大きいものを動作できますが、iCADにはできないシートメタルや有限要素解析などができるのが特徴です。
SolidWorks
小規模な装置を扱えるCADです。
履歴を残せる機能がある分大規模なアセンブリはできませんが、それ以外ならほとんどできてしまう万能的なCADであることが特徴です。
Creo
比較的規模の大きい装置を扱えるCADです。
このCADは、ハイエンドCADに分類される高機能なCADであるため、履歴機能がありながら、規模が大きいものを動作できるのが特徴です。
自動車メーカーや電機メーカーでの導入が多いのも特徴です。
CADオペレーターが半導体業界で活躍するためのスキル
半導体製造装置メーカーでCADオペレーターが活躍するためには、次の3つのスキルは必須になります。
ただ業界の専門スキルは働きながら身に付けていけばOKです。
半導体の専門知識
半導体の専門知識とは、半導体の技術、製造プロセスなどを指します。
実際の設計現場では、専門用語が飛び交い、技術的な話や製造プロセスの話をします。
つまり、半導体知識があることで、オペレーター以上の役割を担えることができます。
ファクトリーオートメーションスキル
ファクトリーオートメーションは、簡単に言うと製造の自動化です。
自動化するためには、機械だけでなく、電気、プログラムまで幅広い知識が必要です。
半導体業界では、生産性を重視することも多く、自動化をとことん取り入れます。
このスキルがあれば、オペレーターとして強い人材になれます、
コミュニケーションスキル
コミュニケーションは、どの業界でも必要なスキルです。
特に半導体業界は最新技術をいち早く取り入れる業界です。
半導体業界で活躍する人は、それらの情報収集や解決方法を、いかに早くインプット、アウトプットができるか、常に生産性が上がることを考えてます。
その要となるのがコミュニケーションです。
結局、相手するのは人間なのでこのスキルは必須となるでしょう。
半導体業界でのCADオペレーターの実務内容
CADオペレーターは、CADだけ作業しているイメージが強いですが、実際に活躍する人はどんな仕事をしているか気になりますよね。
そこで、CADオペレーターとして半導体製造装置メーカーに転職するとどんな仕事があって任せてもらえるのかを紹介します。
仕事内容と必要スキル
装置メーカーでは、装置の設計から製造までを一貫して行うため、工程1つ1つの仕事に関わることができます。
その仕事内容と必要なスキルは次の通りです。
CAD/CAEオペレーション
設計段階の仕事として必ず通る工程です。
CADオペレーターとして一番活躍できる場面でもありますね。
主にCADで設計し、CAEでシミュレーションすることがメインとなるので、CADスキル、CAEスキル、基本的な設計スキルが必要となります。
また、半導体業界はスピード勝負なので、いかに早くアウトプットできるかのスキルも求められます。
組立現場サポート
設計された部品が組み立てられる工程です。
そこでトラブルが起きた時に、組立作業のサポートをする仕事があります。
ここでもスピード感が重視されます。装置はいろんな人が関わりながら完成に至るまで段取りが組まれており、その過程をいかに遅らせないかがキーとなっています。
なので、何かトラブルがあったら、すぐに対応できるリカバリ能力が必要です。
各場面でのミーティング
装置を製造するために、チームメンバーや関係部門の人、外部の業者や設計会社など多くの関係者が関わるため、関係者とのミーティングは多いです。
そのため、うまく情報を引き出したり、進行できるコミュニケーション能力は必要です。
半導体製品の設計開発におけるCADオペレーターの役割
装置を設計するときは、技術的な観点を元に具現化していきます。
それをスピーディーにやりきることがCADオペレーターに求められます。
その求められる特徴を以下より説明します。
理想の形に具現化する
技術的に検討した内容を、CADで具現化できることが必要です。
こういう形にしてほしい、この部品を変えてほしいなどの要求にしっかり答えられることが重要です。
これを1分でも早くやり抜くことで、CADオペレーターとしてニッチな存在となるはずです。
期限内にアウトプットを出すこと
どんな仕事においても、期限内にアウトプットを出すことは求められます。
そして、決められた時間の中でやり抜くことで、自身のスキルアップに繋がります。
ただし、注意があります。
全てを期限内に終わらすことを追求し過ぎると、自分の身が持たなくなります。
なので、優先順位をつけたり、期限延長を相談するなど調整できる力も必要です。
チームメンバーにノウハウを共有すること
いくら早く仕事が終わっても、属人化することが一番の脅威です。
その人がいないと今後進まないということになっては全く意味がありません。
それを防ぐために、メンバーにノウハウを共有することが大切であり、CADオペレーターの役割としてかなり重要です。
半導体業界でのCADオペレーターのキャリアアップと年収
ここまで半導体業界へ転職することかなりオススメであることがわかりましたが、実際のキャリアと年収はどうなのか気になりますね。
ここでは、CADオペレーターが半導体業界へ転職した時のキャリアについてご紹介します。
CADオペレーターの年収(年間600万円以上)
CADオペレーターの年収は平均400万程度と言われています。
そこから600万以上の年収を目指すには、他分野の経験やスキル、課題解決力、マネージメントスキルなど、CAD以外のスキルを身につけることが必要です。
つまり、CAD以外の特質する人材になることが、年収アップのキーポイントになります。
そんな時にこそ、半導体業界への転職です。
筆者も実感していることですが、業界が変わるだけで年収も大きく変わります。
そのためにも儲かっている業界に身を置くことが重要です。
前述しましたが、半導体業界は成長していくので、他の業界に比べて年収が高くなる傾向にあります。
また昨今のインフレや政府による賃上げ要求により賃金は増加傾向にあるので、これも後押しになるでしょう。
そういった観点から、半導体業界への転職は、特質する人材への近道になるはずです。
CADオペレーターから半導体設計者や回路設計者へキャリアアップを目指す
半導体および回路設計の平均年収は約502万と言われており、機械・電気・素材の
業種の中で比較的高い年収となっています。
CADオペレーターの平均年収と比較すると高いことがわかりますね。
つまり、あえて業種を変えることでキャリアアップに繋がるということです。
実感あるかもしれませんが、CADオペレーターとして設計の指示を受けながら仕事をしていると、自分でも設計が務まるかもしれない、挑戦してみたいという気持ちになる人も多いです。
仕事の中で設計者の働き方を良く観察しておくと良いでしょう。
CADを使えることは設計者としてかなりの武器になるので、仕事を頼まなくても自分で完結できてしまいます。
半導体業界では、CADオペレーターとしてやりながら、半導体や回路に関するスキルも身につけられるため、半導体設計者や回路設計者を目指すことも十分可能です。
EDAツールを習得してキャリアアップする
半導体設計では、EDA(Electronic Design Automation)ツールというものがあります。
これは、半導体デバイスやシステムの設計、検証、製造を自動化するためのソフトウェアツール群です。
EDAツールの使用により、エンジニアは手作業で行う必要があった煩雑な計算や設計作業を減らし、設計の正確性を向上させることができます。
いわゆるEDAツールとCADは、似ているところがあります。
CADとEDAは両方とも、コンピュータ支援設計を通じて製品開発プロセスを効率化することを目的としています。
なので、半導体業界で経験を積んだCADオペレーターが更にEDAツールを使うことでキャリアアップすることは、ある意味、自然な流れでもあると筆者は考えます。
半導体業界でCADオペレーターが働くためにおすすめの転職エージェント
いざ転職しようと思っても、どんな転職エージェントを使えば良いのか、困ったりしますよね。
ここで、半導体業界でCADオペレーターが働くためにおすすめの転職エージェントと求人案件をご紹介します。
マイナビメーカーエージェント
製造業のメーカーに絞った求人を取り扱う転職エージェントです。
日本の製造メーカーに転職したいという人にマッチングします。
半導体業界も製造業のため、それに関係する求人も取り扱っています。
その中で、以下のような求人がありますので、最新情報はマイナビメーカーのホームページで確認してみてください。
非公開求人も多いですよ。
Doda
国内製造の求人が豊富にあり、特に半導体業界の求人が多いことで知られる転職エージェントです。
また、未経験や外資系メーカーの求人もあるのも特徴で、未経験からCADオペレーターへ転身したい、外資系メーカーへ転職したいという人にマッチングするサイトです。
以下のような求人がありますので、最新情報はdodaのホームページで確認してみてください。
メイテックネクスト
分野専門のコンサルタントが多いことで知られる転職エージェントです。
半導体業界であれば、半導体分野に関連する求人情報が豊富にあり、高年収を狙える求人も扱っています。
よって、専門分野に特化して転職する人にはマッチングするサイトです。
まとめ
ここまで、CADオペレーターのこれからの転職先としてオススメする半導体業界について解説しました。
CADオペレーターとして活躍できる分野や必要なスキル、そして転職するための求人情報が豊富にあることがわかりましたね。
ここまでをまとめると下記となります。
- 半導体業界では4つのカテゴリに別れた企業がある。
- 4つのカテゴリの中で、CADオペレーターが活躍できるのは半導体製造装置である。
- 半導体市場規模は右肩上がりであることから、求人数多くあり、半導体業界へ転職できるチャンスである。
- 半導体製造装置メーカーで使われるCADは、次の4つが主流である。
iCAD、Solid Edge、Solid works、Creo - 半導体製造装置メーカーで活躍するためのスキルは次の3つである。
半導体の専門知識
ファクトリーオートメーションスキル、
コミュニケーションスキル - 半導体製造装置メーカーでの仕事内容は、装置の設計〜製造までの工程1つ1つに関われ、それぞれのスキルが必要。
- 半導体製造装置メーカーにおけるCADオペレーターとしての役割は、理想的な形に具現化、スピード感のあるアウトプット、そして共有力。
- CADオペレーターがキャリアアップするためには、特質した人材になることと、違う分野に転身することが必要。
- 転職するためのオススメな転職エージェントは次の3つがある
・マイナビメーカーAgent
・Duda
・メイテックネクスト
最後に1番お伝えしたいことは、半導体業界で活躍するならば、今が絶好のチャンスです!半導体業界に入れば、いろんな分野のスキルを身につけられ、将来のキャリアにも大きくつながります。
このチャンスを逃がさぬように、今から行動しましょう!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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